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国際
【朝鮮半島ウオッチ】拷問、犬刑、密告、政治収容所 恐怖支配強まる金正恩の北朝鮮
翌2011年1月、柳京・国家安全保衛部副部長がスパイ罪で銃殺された。柳氏は2002年小泉純一郎訪朝の北朝鮮側交渉者「ミスターX」だった。銃殺は韓国情報機関が把握した。柳氏は2010年、南北首脳会談の水面下交渉でソウル入り。このとき柳氏は韓国側から張成沢と韓国の特別関係を示す証拠を入手。これが原因で抹殺されたといわれる。
続いて2011年後半には国家安全保衛部第一副部長の禹東測も張氏から職を追われ、その後自殺した。
朝鮮労働党組織指導部は北朝鮮の党、軍、政府の人事権を持ち、粛清権も持つとされる権力機関。秘密警察の国家安全保衛部は組織指導部の手足である。張成沢氏と両機関は積年の対立関係にあった。だが金正恩氏世襲で後見人となった張氏は、権力を握った2010年から両機関の最高幹部失脚・粛清に手をかけたとみられている。
今回の張氏の粛清は両機関からの巻き返しで、最終的に張氏は報復された-との権力闘争が背景に取り沙汰されている。
統治資金の奪い合いが粛清の事件の引き金か
張氏は、軍から統治資金を奪取して「自分の時代」を作ろうとしていた。
軍部の実力者、李英浩総参謀長が2012年7月、すべての役職から解任された。李が軍経済をすべて握り、その利権の返還を拒んだことが理由とされ、抵抗した李氏とそのグループが平壌市内で実力行使して銃撃戦になったとの情報がある。この解任が軍部の怒りに火を付けたようだ。
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