川を知ろう(川の「まめちしき」)

最終更新日
2012年10月12日

3.川の用語集〜川について分からないコトバ、ありませんか?〜

川についてのコトバには、一般にはあまりなじみのないものが多くあります。
ここには、「神戸の川」で使用している用語のほか、川についてのコトバを集めています。

 

項 目

よ み が な

説       明

暗渠

あんきょ

道路や鉄道、堤防などの下に埋設された用水や排水用の水路。(←→開渠)

一級河川

いっきゅうかせん

一級水系に属する河川のうち、国土交通大臣が指定したもの。河川管理者は国土交通大臣で、神戸市内には4河川ある。

一級水系

いっきゅうすいけい

河川国土保全上または国民経済上、特に重要とされる水系。

右岸

うがん

河川を下流に向かって見たときの右側。(←→左岸)

SS

えすえす

水中に浮遊している粒子状物質のこと。見た目のにごりの原因となる。

越流堤

えつりゅうてい

洪水調節の目的で、堤防の一部を低くした堤防。越流堤の高さを超える洪水の場合に、越流堤から洪水の一部を調節池などに流し込む構造になっている。越流堤自体は流れの作用で壊れないよう、表面をコンクリートなどで覆った頑丈な構造となっている。

開渠

かいきょ

オープンで造られた用水や排水用の水路。(←→暗渠)

外水

がいすい

河川の流水そのもののこと。(堤防に対し、住居のある側が内側になるため、河川側は外側になる。←→内水)

外水氾濫

がいすいはんらん

洪水により河川本川の破堤や越水のために堤内地側が氾濫すること。

河川改修

かせんかいしゅう

洪水による氾濫を防ぐため、堤防を造ったり、河床(川底)を掘ったり、川幅を広げたりして整備すること。

河川管理者

かせんかんりしゃ

河川は一般に自由使用だが、管理については洪水や高潮など災害の発生を防止し、公共の安全を保持するよう適正に行われる必要がある。その管理について権限をもち、義務を負う者が河川管理者。神戸市は、準用河川(じゅんようかせん)・普通河川などの管理者。

河川管理施設

かせんかんりしせつ

河川管理者が管理する河川工作物(護岸・ダム・水門等)のこと。

河川区域

かせんくいき

河川としての役割をもつ土地。堤防がある場合、堤防の住居側から反対側の住居側までの間で、洪水など災害の発生を防止するために必要な区域。河川法が適用される。

河川整備基本方針

かせんせいびきほんほうしん

長期的な河川整備の基本となるべき方針。平成9年の河川法改正に伴い、これまでの「治水」「利水」に加えて「河川環境の整備と保全」が法の目的に追加され、これまでの「工事実施基本計画」代わって、「河川整備基本方針」が策定されることになった。

河川整備計画

かせんせいびけいかく

治水・利水・環境のバランスが取れた河川環境の整備と保全を行うために必要とされる具体的な河川工事及び河川の維持に関する事項を定めた計画。およそ今後20〜30年間の具体的な河川整備の内容を示すもので、地域住民などの意見を反映する手続きが導入されている。

河川防災ステーション

かせんぼうさいすてーしょん

洪水時の水防活動の基地や避難場所として、平常時には地域活動などの場として活用できる河川防災の拠点。神戸市には、住吉川と新湊川の2箇所で整備されている。

環境ホルモン

かんきょうほるもん

生物がもつ様々なホルモンの受容体に結びつき、そのホルモンに似た作用をする(あるいはホルモンの作用を妨げる)ことにより、生物の生理機能の失調を引き起こす環境汚染物質のこと。正しくは内分泌撹乱化学物質。

魚道

ぎょどう

河川を横断して設置される堰などで、魚などが上下流に上り下りできるように作った道。

計画規模

けいかくきぼ

洪水を防ぐための計画を作成する際の、目標とする値。例えば、神戸市内の表六甲地域の計画規模は1/100で、平均して100年一度の割合で発生する洪水に耐えることを目標に整備されている。

計画高水位

けいかくこうすいい

河川の堤防工事などの基準で、その堤防などが耐えうる最高水位。H.W.L(ハイ・ウォーター・レベル)とも言い、河道を設計する際の基本となる。

兼用工作物

けんようこうさくぶつ

堤防上の道路が公道として利用されている場合など、河川管理施設が他の工作物の効用を兼ねている場合、兼用工作物と言う。

高水敷

こうすいじき

複断面の形をした河川で、常に水が流れる低水路より一段高い部分の敷地。平常時にはグランドや公園など様々な形で利用されるが、大きな洪水の時には水に浸かってしまう。

洪水

こうずい

台風や前線により、流域に降った雨が川に集まり、流れる水の量が急激に増大する現象。一般には、川から水があふれて氾濫(はんらん)することを指すが、河川管理上は氾濫を伴わなくても洪水と呼ぶ。

洪水ハザードマップ

こうずいはざーどまっぷ

洪水時における人的被害を防ぐことを主な目的として作成する地図。浸水が想定される区域からの住民の安全な避難に必要な情報として、想定浸水深さ、避難所の位置及び一覧、緊急連絡先、避難時の心得などが記載されている。

護岸

ごがん

川を流れる水の作用(浸食作用など)から河岸や堤防を保護するため、それらの表面(流れる水が当たる堤防などの斜面)に設けられる施設。コンクリートなどで覆うような構造のものが多い。

左岸

さがん

河川を下流に向かって見たときの左側。(←→右岸)

COD

しーおーでぃー

Chemical Oxygen Demand(化学的酸素要求量)。水中の有機物を過マンガン酸カリウムなどの酸化剤で酸化する際、消費される酸化剤の量を酸素量に換算したもの。BODとともに、有機汚濁の指標としてよく用いられる。

支川

しせん

本川に合流する河川。本川の右岸側に合流する支川を「右支川」、左岸側に合流する支川を「左支川」と呼ぶ。本川に直接合流する支川を「一次支川」、一次支川に合流する支川を「二次支川」と、次数を増やして区別する場合もある。

指定水位

していすいい

水防法の「水防警報対象河川」の主要な水位観測所に定められている水位。同法で定める各水防管理団体が水防活動に入る準備を行うための水位になる。

重要水防箇所

じゅうようすいぼうかしょ

洪水時に危険が予想され、重点的に巡視点検が必要な箇所。水防上最も重要な区間、水防上重要な区間、要注意区間の3ランクがあり、堤防の高さや断面、堤防からの漏水等の観点から指定される。

準用河川

じゅんようかせん

普通河川のうち市町村長が指定するもので、河川法第100条第1項により、二級河川に関する河川法の規定が「準用」されるもの。一級水系、二級水系、単独水系にかかわらず設定される。河川管理者は市町村長で、神戸市内には136河川ある。

捷水路

しょうすいろ

川の曲がりくねった部分をショートカットし、水の疎通を良くするために造られる水路。放水路が直接海または他の河川に放流するのに対し、捷水路は元の河川にもどってくる点で異なる。

浸水想定区域

しんすいそうていくいき

洪水時の円滑かつ迅速な避難を確保し、水害による被害の軽減を図るため、洪水防御に関する計画の基本となる降雨により河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域。

水位

すいい

一 般に用いられる「標高」と異なり、河川などの水面の位置を、観測所ごとに設定した基準面からの高さで表した値。水防管理団体(市町村)の水防活動の目安と なる「警戒水位」、市町の発令する避難勧告の目安となる「特別警戒水位」、洪水により氾濫の起るおそれがある「危険水位」などがある。

水位情報周知河川

すいいじょうほうしゅうちかせん

市町の避難勧告・避難指示の迅速かつ円滑な発令や、住民の迅速かつ円滑な避難に役立てるため、水位情報を公表・周知すべき河川。水防法の一部改正(平成17年7月1日施行)により新設されたもので、都道府県知事が指定する。

水系

すいけい

同じ流域内にある本川や支川及びこれらに関連する湖沼の総称。その名称は、本川名をとって生田川水系、明石川水系などと言う。

水質事故

すいしつじこ

主に河川において、魚の大量死、異臭、油浮きなどの異常が突発的に発生すること。

水防警報河川

すいぼうけいほうかせん

水防管理団体(市町村)の水防活動の指針となるよう、水防警報を発令すべき河川。国土交通大臣または都道府県知事が指定する。

水防管理者

すいぼうかんりしゃ

水防に関する責任のある市町村を水防管理団体と言い、その長を水防管理者と言う。神戸市の場合は、神戸市長。

水門

すいもん

合流する川の水位が洪水などで高くなった場合、その水が堤内地側に逆流しないように設ける施設。堤防を分断してゲートを設置する場合を水門と言う。堰(せき)と混同されることがあるが、水門はゲートを閉めた時に堤防の役割を果たす点で堰と異なる。

水利権

すいりけん

水利組合や企業などが農業用水・都市用水などとして利用するため、河川の流水を占用する権利のこと。河川管理者の許可を受けた許可水利権と旧河川法施行前(明治29年以前)から主にかんがい用として慣行的に流水を占用していた慣行水利権がある。

川の水深が浅くて流れが急なところ。流れが速く、水面には白波が立つ「早瀬(はやせ)」と、流速が早瀬よりもやや遅く、水面にしわのような波が立つ「平瀬(ひらせ)」に分けられる。

せき

かんがい・上水道・水力発電などの用水の取り入れや、舟運の水深確保などのため、河川を横断して水をせき止めるために設ける施設。頭首工(とうしゅこう)や 取水堰(しゅすいぜき)とも呼ばれる。水門と混同されることがあるが、堰はゲートを閉めた時に堤防の役割を果たさない点で水門と異なる。

総合治水対策

そうごうちすいたいさく

河道の整備や調節池・放水路の整備など、従来からの治水対策だけではなく、流域に降った雨が短時間で河川に流出しないように調整池のような一時的に貯留する施設を整備したりする「流域対策」を行うことにより、流域全体で水害の軽減を目指す対策。

高潮

たかしお

台風により気圧が低くなるため海面が吸い上げられたり、海面が強風で吹き寄せられたりして、湾内の海面が普段より数mも高くなる現象。高潮により海面が上昇して堤防より高くなると、海岸線や河口部付近の低地に浸水被害が生じる。

多自然川づくり

たしぜんかわづくり

治水上の安全性を確保した上で、生物の生息環境に配慮し、植生が復元しやすい護岸にしたり、河川が本来有する河岸や瀬を保全・再生し、美しい自然環境を保全・創出・再生する川づくり。

ダム

だむ

洪水調節、利水、発電などのため、河道を横断して建設される大規模構造物。構造材料によってコンクリートダムとフィルダムとに分類され、コンクリートダムは重力ダム、中空重力ダム、アーチダムに、フィルダムはアースダムとロックダムに細分される。

単断面

たんだんめん

高水敷(こうすいじき)がなく、低水時も高水時も水面幅に大きな差がない構造の河川。(←→複断面)

単独水系

たんどくすいけい

一級水系、二級水系以外の水系。

治水安全度

ちすいあんぜんど

洪水を防ぐための計画を作成する際の、対象となる地域の洪水に対する安全の度合い。例えば、30年に一度の大雨に耐えられる規模の施設の安全度は、1/30と表現する。

調整池

ちょうせいち

洪水時に流水の一部を川の近くに一時的に貯め、洪水の最大流量(ピーク流量)を減少させるために設けた天然あるいは人工の区域。

堤外地

ていがいち

河川において堤防に挟まれ、水が流れる側。昔、日本の低平地では、自分の住んでいるところを堤防の内側と考えていたため、川が流れているのが外側になる。

低水路

ていすいろ

複断面の形をした河川で、常に水が流れる部分。

堤内地

ていないち

河川において堤防により、洪水氾濫から守られている住居や農地のある側。昔、日本の低平地では、自分の住んでいるところを堤防の内側と考えていたため、住居側が内側になる。

堤防

ていぼう

流水を一定の流路内に局限して流下させ、その区域外に氾濫させない目的のために造られる河川工作物。山に接する場合などを除いて両岸に造られる。構造は多く の場合は盛土によるが、特別な事情がある場合は、コンクリートや鋼矢板(鉄を板状にしたもの)などで造られることもある。

天井川

天井川

土砂が河床(川底)に堆積する一方で、洪水氾濫を防止するために人工的に堤防を高めることにより、河床高が堤内地盤高より高い状態になった川のこと。神戸市内では、例えば天上川(西区)と明石川の合流点付近がそれに当たる。

天端

てんば

堤防の頂部のこと。天端幅は、河川の見回りや洪水時の水防活動等に利用されるほか、散策路や高水敷へのアクセス路として利用される。

トンネル河川

とんねるかせん

下流部が密集した都市化地域で、河川の幅を拡げるなど通常の改修が困難な場合、地下にトンネルを掘って河川としたもの。地下河川とも言い、神戸市には鯉川など多数ある。

内水

ないすい

堤防で守られた住居などの堤内地にたまった水のこと。(堤防に対し、住居のある側が内側になる。←→外水)

内水対策

ないすいたいさく

河川への排水が不十分であるため、堤内地(ていないち)に発生する内水被害を軽減するために行なう対策。

内水氾濫

ないすいはんらん

洪水により河川(外水)の水位が上昇し、堤内地の自然排水が困難となって堤内に停滞した雨水(内水)が氾濫すること。

二級河川

にきゅうかせん

二級水系に属する河川で、都道府県知事が指定したもの。河川管理者は都道府県知事で、神戸市内には66河川ある。

二級水系

にきゅうすいけい

一級水系以外の水系で、公共の利害に重要な関係があるとされる水系。

破堤

はてい

堤防が壊れ、増水した川の水が堤内地に流れ出すこと。

氾濫危険水位

はんらんきけんすいい

洪水により氾濫がおこる恐れがある水位。国土交通省が気象台と共同で発表する洪水警報の基準となる。

氾濫注意水位

はんらんちゅういすいい

水防法の「水防警報対象河川」の主要な水位観測所に定められている水位。同法で定める水防管理団体が、水害の発生に備えて出動またはその準備に入る水位となる。

BOD

びーおーでぃー

Biochemical Oxygen Demand(生物化学的酸素要求量)。微生物が、水中に溶けこんだ酸素を使って水中の有機物を分解・酸化して安定な状態にするのに必要とする酸素量のこ と。この数値が大きければ水中の有機物汚染が大きいことを示すため、水の有機物汚染の指標に使われる。

ビオトープ

びおとーぷ

「特定の生物群集が生存できるような、特定の環境条件を備えた、均質な、ある限られた地域」と定義される生態学用語。生き物が生息できる一定の空間であれば、公園や水辺などはもちろん、鉢植えなどの小空間も一種のビオトープと考えられる。

樋門(樋管)

ひもん(ひかん)

合流する川の水位が洪水などで高くなった場合、その水が堤内地側に逆流しないように設ける施設。堤防の中にコンクリートの水路を通し、そこにゲート設置する場合を樋門または樋管と言う。

冨栄養化

ふえいようか

窒素、リンなど、藻類を増殖させる栄養分の水中濃度が高まること。湖や沼などではアオコ等の繁殖につながり、水質を悪化させる原因となる。

複断面

ふくだんめん

高水敷があり、高水時の水面幅が低水時の水面幅に比べて大きく広がる構造の河川。この構造にすると、高水敷の上で水面幅が広がり、流下する水の水深が浅くなり、流速(流れる速度)も遅くなるため、洪水時に堤防を守るやすいと言える。(←→単断面)

ふち

淵は流れが穏やかで水深が深いところ。

普通河川

ふつうかせん

一級河川、二級河川、準用河川以外の小河川で、「○×川」という名称を持つもの。河川管理者は市町村長で、河川管理者は市町村長で、神戸市内には236河川ある。

不法占用

ふほうせんよう

河川区域内の土地を占用する場合は、河川管理者の許可を受けなければならないが、その手続きをせず、許可なく排他・独占かつ継続的に土地などを占用している状態。

pH

ぺーはー

水素イオン濃度指数。水の酸性とアルカリ性の度合を示す指標で、単位はない。pH7が中性で、数値が7より小さければ酸性、7より大きければアルカリ性。

放水路

ほうすいろ

河川を途中から新しく人工的に掘って、直接海または他の河川に放流する水路のこと。「分水路」と呼ばれることもある。川が流れる延長を短くして水をできるだ け早く放流しようとする場合、水量が多いため河幅を拡げるだけでは洪水に耐えられないような場合、河口が土砂の堆積などによってつまっているような場合に 設けられる。

本川

ほんせん

流量・長さ・流域の大きさなどにおいて最も重要と考えられる、あるいは最長の河川。

 

 

 

遊水池

ゆうすいち

洪水時に流水の一部を川の近くに一時的に貯め、洪水の最大流量(ピーク流量)を減少させるために設けた天然あるいは人工の区域。調節地とも言う。

流域

りゅういき

降雨や雪解け水などが地表や地下を通って、その川に流れ込んでいる全地域のこと。

流下能力

りゅうかのうりょく

川のある区間が洪水を安全に流下させ得る能力のこと。通常は流量で表す。

流量

りゅうりょう

河川または水路のある横断面を単位時間に通過する流水の量。単位は一般に立方メートル/秒。(水の場合、1立方メートル=1トン。)

ワンド

わんど

河川内にある入り江状の水域で、本流とつながっているもの。大きさは様々で、形状・深さなども変化に富んでおり、多様な魚介類や植生等の生息空間をなす。

 

 

 


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