夢を追いかけたいから、アルバイト――。若き才能が夢を実現するために歩んだかけはし。 それはアルバイトという名の虹の橋だ。彼らはどんな橋を渡って、現在(いま)にたどりついたのか。新企画『across the rainbow〜夢のかけはし〜』は、 そんな彼らの足跡を辿る青春群像だ。第1回目はグラビアや映画、ドラマと活躍の場を広げる川村ゆきえが登場。
バイトがあったから〜コンビニスタッフ〜
「うちは、高校生になったらお小遣いをくれない家だったので、それでバイトしなきゃな、って思って。最初焼き肉屋さんでアルバイトしてたんですけど、しばらくして近いほうがいいから家の近くのコンビニでアルバイトするようになったんです。
最初の焼き肉屋さんは初めてのアルバイトで緊張してたんですよね、きっと。ネコかぶっていい子にしてたから大変でした(笑)。 だからコンビニでアルバイト始めるときは、自分らしくいこうって思って、最初からネコかぶらなかったから、働くのが本当に楽しくて。コンビニって大変そうでしょ? でもすごく楽しいんですよ。 自由にやらせてもらったのも良かったな。新商品のポップを作らせてもらったりして。楽しかったですよ、ちょうど絵皿が流行ったときだったので、絵皿のイラスト描いたり、夏にアイスのポップを作るときは牛の絵を描いたり。 漫画みたいなキチッとした絵じゃなく、ゆるい感じの絵を描いてましたね(笑)。
コンビニスタッフってレジばっかりやってるイメージがあるけど、でも実はレジの時間は短くて、お掃除したり、次から次へと品物が届くのでピッピッとバーコードを通したり、宅配便の受け付けをしたり、コピーのとり方を教えてあげたり、空いた時間があれば、棚の商品を前に出したりとか。“やることがなくて待つ”のはイヤなんですよね。そういう仕事は飽きちゃうんですよ。だから、ちょっとくらい不満があるような仕事のほうが“やってやるか!”って気分になって頑張れちゃう。コンビニでも、都内のコンビニはお客さんが多いせいかレジの時間が長くて、バイト仲間と“都内のコンビニバイトはずるいよねぇ〜、レジばっかりであんなに時給もらってさ〜”なんて話してましたけど、私はレジばっかりでラクするよりも、掃除したりするのが好きだったなぁ(笑)。
大変だったこともあまりなかったです。酔っ払ったお客さんや、ちょっと変わったお客さんが来た時も“うわぁ”って思っても、実は結構楽しみながら接客してましたし。人間観察が好きなんですよね。毎日来るお客さんはやっぱり見ますし、何を買うか分かってくるし。“あ、今日はコレ食べるんですね…”とか“あ、髪の毛切ったんだ、この人”とかね(笑)。だから、毎日来てるお客さんが来ないと、ちょっと心配になったりもしました。
コンビニでのアルバイトが今の仕事に役に立ってるかっていうと…直接はないけど、今ドラマでやっている仲居さんの役作りに役に立っているかも。コンビニでの接客のセリフと通じているものがありますし。でも、何でも役に立ちますよ! 例えば短期でやっていた引っ越しのアルバイトとか。荷造りのヒモのしばり方は、絶対役に立ってる(笑)。不思議ですよね、自分の部屋だと掃除しないのに、人のためだとキレイにできちゃう。荷造りもキレイにできると“自分、超キレイに詰められたー!”ってテンション上がりますしね(笑)。そういうこと全部、役に立ってないことはひとつもないって思います」