Category Archives: SS

真夜中のうなぎパイ(SS)

SS第4弾、うなぎパイの正体は誰だ?!
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起立ーつ、礼ーい、着席ー!

先生「それでは出欠を取ります。阿部。」
阿部「ハイ!」

先生「伊藤。」
伊藤「はい。」

先生「うなぎパイ。」
うなぎパイ「ハイ!」

先生「ええええええ?!うなぎパイ!」
遠藤「はい。」

【一方その頃、アナザーランドでは・・・】

起立ーつ、礼ーい、着席ー!

先生「それでは出血を採ります。阿部。」
阿部「ポタッ、ポタッ。」

先生「伊藤。」
伊藤「ポタッ、ポタッ。」

先生「うなぎパイ。」
うなぎパイ「ポタッ、ポタッ、ブシュー!」

先生「うなぎパイ君!!」
うなぎパイ「ブシュー!ブビシュシューーッッ!!!」

先生「うなぎパイ君!!!ありがとう!!!」
うなぎパイ「ハイ!」

先生「ええええええ?!うなぎパイ!」
遠藤「はい。」

先生「加藤。」
加藤「いいえ。」
先生「・・・・・。」

先生「岡田。」
岡田「ハイ!」

先生「加藤。」
加藤「ハイ!」

(答え):うなぎパイの正体は遠藤

浮遊館という名の廃墟屋敷に手(SS)

SS第3弾、廃墟ネタです。
イメージ的には地方の郊外や廃村でなく、
都会のごみごみした住宅街に大きな空き屋があるみたいな雰囲気です。
こんな廃墟があったらちょっとだけ入ってみたい、かも(?)
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浮遊館という名の家を見つけた。
近道しようと細い通りを抜けたら見知らぬ屋敷。
蜘蛛の巣と雑草だらけの廃墟。
表札は「浮遊館」こんな所に空き家あったっけ。

ロープを潜る。

タバコを買って帰るだけの休みだしまだ明るいから、
ちょっと試しに冷やかしに見てやるか。
表札もどうせ誰かのイタズラなんだろうし、
中の壁は落書きスプレーだらけだろう。
玄関のドアを開けたら、身体が宙を舞っていた。
壁は六方に広がり客間が動き出す。
どんどん広がるその部屋は小学校の体育館ほどに膨れ、
真ん中の自分の存在が小さく小さくなって浮く。

浮遊館の窓が揺れて遠い奥のカーテンがめくれた。
屋敷の外が少し覗ける。変わりない日常が見えた。
人が歩いて車が走って笑い声と音楽が聞こえる。
閉じこめられるには広すぎて窮屈すら感じられない居た身は痛みと呼ぶには寒児られない。
壁際まで泳いでカーテンに触れた。
なんでもいいから触りたくて自分を確かめようとした手は、
知らない人の手に握られた。
窓から入ってきたその人は手を離すと
「うわ、ビックリした。まさか中に人がいるなんて思わなかったから」
それから二人で話した。
なぜ浮遊館に来たのか。だいたい同じ考えだった。
似たような人がいるもんだ。 それからそれからも話した。
その後も話した。
窓の外が暗くなって二度目の握手をして別れた。

フードコートの女(SS)

SS第2弾、デパートのフードコートネタ。
違和感、異物感がテーマです。
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フードコートで細い女が綺麗
おもむろに二段の弁当箱と水筒をバッグから取り出す

ここは買った物を食べるフードコート

弁当を全力で食べた後、今度は蒸しパンを取り出す。かなり大きな蒸しパンだ。

水筒の中身はなんだろう?きっと麦茶かほうじ茶あたりだろう
想いは伝えた瞬間に日常に変わるけど、日常のなかに想いはそんなに溢れてない
そんなに想いが溢れていたら息苦しいから、ちょっとあればいい

兄妹ちゃんと桃缶おじさん(SS)

桃太郎のSSを書いてみましたw
ビフォアストーリーになっています
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あるところにお兄ちゃんと幼女がいました

お兄ちゃんは山へ芝刈りに

幼女は川へ洗濯に向かいました

お兄ちゃんの携帯に幼女からメールが来ました

幼「桃おっきいの流れてるなう」

幼「はわわ、流されれぅΣ」

妹が大変なようだとお兄ちゃんは川へ向かいました

川へ辿りつくと幼女は居なくなっていました

ふと河岸の木の枝に幼女の赤い靴の片方をお兄ちゃんは見つけました

何かを感じた青年は服を脱ぎ捨て水中へ、川下へと泳ぎました

泳ぎの得意な青年はぐんぐん速度をあげて行きました

兄「この先に滝があったらどうしよう!流される!」

しかし川はだいぶ浅くなってきました

滝もありませんでした

かわりに陽気なおじさんが川の先の浅いところに立っていました

【陽気なおじさんがブリーフ一丁で仁王立ちしている】

おじさん「君が探している女の子は何色の靴を履いていたのかな?赤、銀、金があるよ」

青年「おじさん妹を知ってるの?おじさん助けて!」

しかし陽気なおじさんは、いいから答えてごらん、赤、銀、金と迫って来ました

青年はそれどころではありません

おじさん知らないならそこどいてよ、急いでるんだ、と青年が伝えると

おじさん「赤だよね、おじさん知ってるよ、ほら後ろにいるよね」

たまたま川近くを通った陽気なおじさんは妹を見つけ助けていたのでした

幼女「おじさん、桃、ごめんなさい、美味しそうだったの」

おじさん「桃もあるよ、ほら」

おじさんがポケットから取り出したのは桃のかんづめと缶切りでした

大きな桃は流されてしまったけど妹が無事で良かった

こんどは浅い川で洗濯するよう妹に教えてあげよう、と青年は思いました

桃缶を食べ終えた幼女は左手をお兄ちゃんと繋ぎ、右手でおじさんにバイバイをしました

翌年鬼が現れました。桃は流されたまま。鬼は暴れます。

あの時お婆さんぽい人が見つけていたら良かったのに私のせいで、と幼女は悩みます

幼女はそれから大きくなりお母さんになりお婆さんになりました

桃流されてこないかな

桶、洗濯板、大きな籠と網、準備は毎日OKでした

桃が流れて来ました

続きは桃太郎になるのでした

(おしまい)