Updated: Tokyo  2014/04/16 03:13  |  New York  2014/04/15 14:13  |  London  2014/04/15 19:13
 

築68年の財務省庁舎、建て替え先送り-財政難の中、改修工事で対応へ

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  9月28日(ブルームバーグ):政府は、戦時中に完成した東京・霞が関の財務省庁舎の大規模な耐震化工事を来年度から実施する。中高層のビルに囲まれた5階建ての灰色の庁舎は築68年。老朽化が進み、耐震基準も下回ることから高層ビルへの建て替えが検討されたが、財政難の中、先送りが決まった。経費を抑えられる改修にとどめ、来年度予算概算要求に費用を計上する。

複数の政府関係者が28日、明らかにした。隣接する中央合同庁舎4号館とともに官公庁の耐震基準を下回っており、都内で震度5強を記録した東日本大震災では大きな被害は免れたものの、震度6強から7程度の大規模地震では崩壊する危険性が指摘されていた。政府の有識者会議も2007年にこの2庁舎を1棟のビルに集約し高層化するよう提言。財務省によると当初は14年度に建て替え工事に着工する予定で、総工費は577億円を見込んでいた。

一方で、耐震化経費は2庁舎合わせて約160億円とコストを大幅に圧縮できる。官公庁の建設や修復を所管する国土交通省が初年度分の工事関連費用を月末に締め切られる12年度予算の概算要求に盛り込む方向で調整している。

日本の財政は、先進国でも最悪の891兆円程度(11年度末)に達する赤字を抱える上、20兆円超と見込まれる大震災の復旧・復興の負担も重くのし掛かる。政府は復興費用などの財源確保に充てる復興債の償還財源として10兆円規模の大型増税も検討中だ。庁舎の耐震化が急がれる一方で、建て替えに税金を投入すれば国民の反発は免れないと、改修工事で対応することを決めた。

国交省が06年公表した官公庁の耐震診断結果では、財務省が0.79、4号館は0.83と、ともに基準値(1.0未満)を下回った。国交省は15年度末をめどに耐震性が不十分な庁舎の建て替えや改修を終える計画だが、この2庁舎だけ予定が立たないまま残されていた。

財務省の「国有財産の有効活用に関する検討・フォローアップ有識者会議」は07年6月に報告書を取りまとめ、中央官庁を高層化し、集約を進めるよう要請。高度の耐震性を備えた庁舎への建て替えと耐震改修を組み合わせ、地震などの危機管理拠点となる霞が関の耐震性強化を求めた。

国交省によると、財務省庁舎は戦前の1934年に着工。資材難に伴う工事中断を経て戦時中の43年に完成した。戦後10年間は米軍が接収。返還後に外壁などを改修し63年に現在の姿となった。千代田区は戦中・戦後を生き延びた都内の代表的な近代建築の1つとして庁舎の維持を求めていた。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 下土井京子 Kyoko Shimodoi kshimodoi@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先:香港 Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net東京 大久保 義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net

更新日時: 2011/09/28 14:54 JST

 
 
 
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