最近急増している「ペニーオークション」とは?

最近、「液晶テレビ 最大99%OFF」などの宣伝文句で、安価に商品を入手できることを謳うオークションサイトのインターネット広告をよく見かけます。
これらのサイトは一般に「ペニーオークション」と呼ばれ、今では数十ものサイトが存在しています。そのシステムはいったいどういうものなのでしょうか。

 ペニーオークションは、主催者自身がオークション形式で商品を出品するサイトで、通常のオークションとの最大の違いは、入札する度に「入札手数料」がかかることです。また、入札額は決められた単位のみ可能で、その額が1~15円程度と非常に低く設定されているのも特徴です。

 ひとつ例を出してみます。入札手数料が1回につき75円、入札単位が1円という設定で、定価1万円の商品を1円スタートでAさんとBさんの2人で競り合ったとします。

 AさんとBさんが交互に入札して、最終的にBさんが200円で落札しました。落札額だけ見るとたった200円です。ただし、Bさんは落札するために100回入札していることになるので75円×100回で7,500円の手数料がかかっています。つまり、1万円の商品を7,700円で手に入れたことになります。それでもBさんにとっては、安く商品を手に入れることはできました。

 一方、落札に敗れたAさんは、75円×99回で7,425円の入札手数料を支払っただけで何も手元に入ってくる物がありません。

 入札回数を抑えて、運良く最後に入札した人だけが格安で商品を手に入れることができるので、ギャンブル性が高く、いわば宝くじのようなものだ、と言われています。

 さらに商品の出品者がサイト主催者自身であることも注目すべき点です。AさんとBさんの入札手数料と落札金額の合計15,125円は、まるまるサイト主催者の懐に入るのです。つまり、1万円の商品を15,125円で売ったことと同じことになります。

 実際には、競り合いの中で入札額が上昇しすぎて、商品の定価より手数料の方が高くなってしまう恐れもあります。ギャンブル性が高いこのシステムが商道徳的に問題がないのかを懸念する意見もあります。

 ペニーオークションに参加される場合には、深入りしないよう十分にお気をつけてください。