スポーツ【きょうの人】「稽古に精進 見守ってください」 若乃島史也さん(29)十両昇進 天国の親方に報告2014.5.29 09:03

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【きょうの人】
「稽古に精進 見守ってください」 若乃島史也さん(29)十両昇進 天国の親方に報告

2014.5.29 09:03
史上4番目の遅さで新十両となり、ガッツポーズする若乃島=28日午後、東京都杉並区の芝田山部屋

史上4番目の遅さで新十両となり、ガッツポーズする若乃島=28日午後、東京都杉並区の芝田山部屋

 中学卒業後、15歳で角界入りしたのは、先代放駒親方(元大関魁傑)の誠実な人柄に心を打たれたからだ。何度も奄美大島(鹿児島県奄美市)のふるさとを訪れてくれた。

 「ここは厳しい世界だぞ」。相撲界の魅力ばかりを説くほかの親方とは勧誘のせりふが違った。その分、信頼できたという。

 昨年2月、師匠の定年退職に伴って芝田山部屋へ転籍。すでに20代後半とあって、ためらいがあった。「一緒に辞めたい」。恐る恐る先代に切り出すと、ものすごいけんまくで怒られた。「諦めるな。いま辞めたら悔いが残るだろ」。その言葉は、忘れかけていた関取昇進の夢に再挑戦するきっかけとなった。

 そんな弟子思いの師匠が大相撲夏場所中の今月18日に帰らぬ人となった。まだ66歳。信じられなかった。遺体と対面し「先代に恥ずかしくない相撲を取る」と決意した。自身2度目の幕下筆頭。3勝2敗で迎えた11日目に見事勝ち越して十両昇進を濃厚とし、引き揚げてきた花道で「先代、やりました」と大粒の涙を流した。平成12年春場所に初土俵を踏んで苦節14年。横綱白鵬と同じ29歳にして、ようやく関取の座をつかんだ。所要85場所は史上4位タイのスロー出世だ。

 28日の昇進会見では、“放駒”の文字が入れられた浴衣に身を包み「関取昇進は夢のよう。遠い存在の気がしていたから」と控えめに喜びを語った。会見前、旧放駒部屋で霊前に手を合わせ、誓いを立てた。「これからもっと稽古に精進して頑張りますので見守ってください」(藤原翔)

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