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ドクター石川のどうぶつ百科

イヌの熱中症注意を (2014/06/23)

 長い「エゾ梅雨」が終わると、本格的な夏に向かいますが、これから多くなるのがイヌの熱中症です。

 汗腺が少ないイヌは、汗をかいて体温調節することがうまくできません。暑いと、よく、口を開けてハアハアと浅く速い呼吸(パンティング)をしていますが、これで体温を調節しているのです。イヌが熱中症になりやすいのは、5月から10月までの期間ですが、発生数のピークは、7月です。真夏の8月や残暑厳しい9月ではやや減少する傾向があります。これはイヌが暑さに徐々に慣れていくためです。

 ということは、これからの時期の熱中症対策が、この夏を乗り切るポイントです。長い毛を刈って、涼しくするのもよいですね。散歩は昼間を避けて朝夕にしましょう。道路、とくに舗装道路からの反射熱は、地面から体までの距離が人よりもはるかに近いイヌには影響が大きいのです。

 また、室内での熱中症の発生数も屋外と同じくらい多いので、室内の温度、換気には注意が必要です。熱中症になりやすい犬種は、シーズー、パグなどの短頭種やサモエド、ピレネー犬など被毛の密集した寒冷地原産のイヌです。また、肥満犬、病気を持っているイヌ、子犬や老犬なども暑さには弱いので、これらのイヌには特別な心遣いをしてあげて下さい。(石川濶 吉田学園動物看護専門学校長)

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