大手予備校「代々木ゼミナール」を運営する学校法人高宮学園(東京・渋谷)は全国27カ所の校舎を7カ所に減らす方針を固めた。20カ所では2015年度以降の生徒募集をやめ、閉鎖する。施設は、グループの別の受験塾に転換することも検討する。代ゼミは大学受験の浪人生を主な対象に運営してきたが、少子化や現役志向の高まりで浪人生が減ったため、業績が悪化していた。
代ゼミとして存続させる校舎は(1)本部校代ゼミタワー(2)札幌校(3)新潟校(4)名古屋校(5)大阪南校(6)福岡校(7)造形学校(東京・渋谷)――の見通し。
代ゼミとしての授業を打ち切る20カ所に通う高校1、2年生にはグループの進学塾を紹介する。閉校の時期など詳細は校舎ごとに調整する。講師のほか、近く生徒や保護者、高校関係者らにも説明するとみられる。高宮学園は15年3月まで職員を対象に希望退職を募集する。規模は100人前後になるもようだ。
1957年に開校した代ゼミは駿台予備学校、河合塾と並び「三大予備校」と評され、私立文系を目指す浪人生を中心に生徒を獲得してきた。近年は国立回帰や現役志向が逆風になっており、10年には中学受験塾「SAPIX」の運営会社を買収し、浪人生に依存した事業モデルからの脱却を図っている。
現役生の大学受験が主な対象の「東進ハイスクール」を運営するナガセでは、14年3月期の売上高が前の期比6%増の約400億円だった。
教育業界では少子化を背景にここ数年、ナガセが四谷大塚を買収し、ベネッセホールディングスが東京個別指導学院を子会社化するなど、再編が加速している。今後もリストラや合従連衡といった動きが続きそうだ。
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