大物メンバーが自殺・・・日本版CIA 「内閣情報調査室」の闇
4月1日、午前8時前。東京都渋谷区恵比寿の閑静な住宅街に、消防車のサイレン音が鳴り響いた。
通報のあったマンションの一室に駆けつけた消防隊員は、内側から目張りしてあったドアを蹴破って、浴室へ入った。
浴室内は練炭のたかれた跡があり、床には内閣情報調査室・加賀美正人参事官(外務省から出向中・享年50)の遺体が横たわっていた。
通報をしたのは、加賀美氏が同居している母親の介護を務めるヘルパー。
浴室のドアにあった「死んでいます。部屋に入らないでください」と書かれた奇妙な張り紙を見てのことだった。
この加賀美氏の死は官邸と外務省に大きな波紋を呼び、それがいま永田町にも広がりつつある。
「『介護疲れによる自殺のようだ』と外務省幹部はふれ回っていたが、どう考えても家庭の事情による突発的な自殺とは思えない。
練炭という苦しみを伴う方法からみても、加賀美氏には何か、確実に死ななければならない理由があったのではないか。
さらに言えば、そもそも、加賀美氏の死は本当に自殺なのか……」(自民党議員)
なぜ一人の外務省キャリアの死が、ミステリー小説のような憶測を生むことになるのか。
謎解きを始めるにはまず、内閣情報調査室(内調)という耳慣れない組織の実体を知らなければならない。
中略
慶応大学を卒業し、'86年に外務省に入省。対ロシア外交のエキスパートだった加賀美氏は、今月末に予定されている安倍首相の訪ロにも深く関わっていたと言われている。
その矢先の自殺だけに、ますます疑念は渦巻く。
「そもそも外務省から'11年に内調に出向したのは、高齢の母親の介護のためや、出世コースから外されたためなどと噂されているが、それは『隠れ蓑』のようです。加賀美氏は父親が国連大使まで務めた外務省エリートで、いわばサラブレッド。
『鈴木宗男殴打事件(後述)』の当事者でもあり、外務省としてはゆめゆめ粗末には扱えない人材です。
実際、加賀美氏は同い年の世耕(弘成・官房副長官)さんと非常に近く、訪ロにも同行する世耕さんが、加賀美氏に密命を与えていたのではないか、とも言われています。世耕さんとすれば、外務省本省にいるよりむしろ、官邸直轄の内調にいてくれるほうが、仕事が頼みやすいという事情もあったのでしょう。
加賀美氏は内調で冷や飯を食っていたというより、本省よりも自由に動ける上に、内調に集まる情報も活用できる『別働隊』として、安倍政権の対ロ政策に関わっていた可能性が高い」(外務省職員)
中略
「実は加賀美さんは、モスクワ大使館に赴任していた時代にトラブルがあり、KGBに弱味を握られていたと言われています。それもあって、外務省と宗男さんが対立した時に、先頭に立って宗男バッシングをすることで省内での地位を保とうとした。
以来、加賀美さんのロシア人脈にはどこか危うさがつきまとうと言われるようになった。
たとえば2月28日に、プーチン大統領に近いイシャエフ極東発展相が来日したが、加賀美さんは事前に世耕さんに『安倍総理が会う必要はない』と進言している。
ところが直前になって森(喜朗・元総理)さんと宗男さんが動き、急遽、安倍総理との会談が組まれた。加賀美さんがイシャエフを安倍総理に会わせないようにしたことにも、何か裏があるとしか思えません」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35485
情報界震撼、闇に消える内閣情報調査室幹部自殺
いま日本のインテリジェンス業界を震えあがらせていることが起きています。この4月1日、東京都内のマンションの1室で、内閣情報調査室の幹部が自殺したんです。
この人は外務省から出向していて、米軍の学校でロシア語を勉強して、そのあとモスクワにも勤務している。さらに外務省の国際情報統括官組織の課長級の幹部でした。
こういう世界の人が自殺するというのはたいへんな話です。精神的にものすごく強い人が配置されるわけですからね。自殺は間違いないようで、何か追い込まれるような状態になったんでしょう。
しかし、この問題が闇に葬り去られようとしています。外務省も内閣情報調査室も、本人の名前すら明らかにしていません。
ただ、鈴木宗男さんのホームページを見ると名前が出ています。実はこの人は、かつて鈴木さんがやっていた北方領土交渉に反対して、やめさせようとしていた外務省の幹部なんです。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37569
インテリジェンスオフィサー自殺の闇――外務省に問題はないのか
2013年04月17日
加賀美氏は、ロシア担当部局とインテリジェンス部局で勤務することの多い人だった。内閣情報調査室に出向する前は外務省国際情報統括官組織(前国際情報局)の幹部として勤務していた。
しかし、どう見ても、インテリジェンスの仕事に向くタイプの人ではなかった。モスクワでは、研修後、大使館で勤務したが、心身に変調を来したため、通常のルーティーンより早く帰国させた(因みにこの期の別のキャリア職員は、モスクワ国立大学で研修中に自殺未遂事件を起こし、即刻、帰国させられた。数年前に外務省を退職した)。
プライバシーやメンタル面においてトラブルを抱えた外交官に、ロシア(ソ連)の防諜機関は、関心を示し、調査する。こういう人がインテリジェンスを担当すると、ただでさえ複雑な業務が一層複雑になる。
加賀美氏に関して、情報収集能力、分析能力はごく標準的であったが、謀略能力が傑出していた。インテリジェンスの究極目標は、謀略によって実力以上の力を出し、国益を増進することだ。インテリジェンスオフィサーとして、この点で加賀美氏は傑出した人物だったので、それを活用した外務省幹部がいたのは事実だ。
具体例をあげよう。加賀美氏について、鈴木宗男・新党大地代表が、4月2日付「ムネオの日記」にこう記している。
<自ら命を絶つと言うのは本人しか判らないことで何が原因か。鵜の目たか目で興味本位なことに私は関心がない。いわんや死者にムチ打つようなことは、私はしない。
中略
2002年春、「鈴木宗男が外務官僚をぶん殴った」という話を外務省は一部のマスメディアにリークした。このリークで、宗男バッシングのフェーズが変わった。また加賀美氏は、2002年に川口順子外相(当時)の特命で、外務省内に秘密裏につくられた鈴木宗男氏と外務省職員の調査に関する委員会のチーム長だった。加賀美氏の報告書が元になり、鈴木氏系と目された外交官のパージが行われ、その影響は今も続いている。
2000年当時、権力の絶頂にいた鈴木宗男氏に対して謀略を組んだ加賀美氏は、客観的に見て、相当腹が据わっている。自殺をするにはそれ相応の理由があるはずだ。
繰り返すが、外務省は加賀美氏の自殺について、箝口令をしき、個人情報やプライバシーを口実にして、加賀美氏の氏名を明らかにすることすら拒んでいる。加賀美氏がメンタルに問題を抱えていたので、個人的理由で自殺したという物語で事態を収束しようとしているのが河相周夫事務次官指導下の外務省の醜い姿だ。
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013041600007.html?iref=webronza
外務省職員の長期欠勤に対する外務省の対応に関する第三回質問主意書
提出者 鈴木宗男
平成二十年二月八日提出
質問第七七号
「加賀美氏が現在長期休暇を取得中であるのか否か、この一点につき確認を求める。」
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a169077.htm
最近のコメント