2011年2月18日(金) 東奥日報 特集

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■ 外国語FMの復活目指す/名古屋、元社員らが奮闘

 外国語FM放送局の愛知国際放送(名古屋市東区)が放送を終了して4カ月。英語のほかポルトガル語など6カ国語で音楽やニュースを放送するユニークなFM局だっただけに、今でも惜しむ声が多い。インターネットに押されて、ラジオ局の経営環境は厳しいが、元社員らが復活に向けて奮闘している。

 ▽ブラジル人に人気

 愛知国際放送「RADIO―i(レディオ・アイ)」は2000年4月に放送が始まった。愛知と三重、岐阜、静岡西部が対象エリアで、東海地方の自動車産業で働くブラジル人ら外国人にも人気だった。

 ディスクジョッキー(DJ)だったオーストラリア出身のクリス・グレンさん(42)は「今でも『あのラジオよかったのにね』と声を掛けられる」と終了が残念でならない様子。流行にそれほど左右されず、リクエストを中心に独自の選曲が許され「DJにとって理想的で、外国のFM局にも一番近かった」。

 しかし、経営面では開局以来、苦戦続き。ネット広告が急速に拡大し、ラジオに広告費が集まりづらい時代になっていたからだ。リーマン・ショック後の不況も重なり、昨年9月末で放送を終えざるをえなかった。

 ▽ネットラジオ

 「生活に密着した音楽を提供するというコンセプトをなんとか残したかった」。レディオ・アイで番組プロデューサーを務めた大坪政也(おおつぼ・まさや)さん(42)は昨年10月にインターネットラジオ局「RADIO iSCAPE(レディオ・アイスケープ)」を設立した。

 番組内容は、波の音などの自然音や自ら作曲した音楽が中心。今年1月からは外国人向けの地域情報の提供も6カ国語で始めたが、著作権管理団体との契約が難しいため、一般のCDなど著作権のある音楽は使えない。旧レディオ・アイの放送とは雰囲気が違うが、大坪さんは「今は規模を大きくするよりも、リスナーに寄り添う音楽を流し続けたい」と話す。

 ▽署名活動も

 ラジオ事業に詳しい駒沢大学の金山智子(かなやま・ともこ)教授は今後もラジオ広告の減少が続くのは確実と指摘した上で「ネットラジオは若者に受け入れられつつあるが、広告増につながって事業として成り立つかは未知数だ」と語る。

 旧レディオ・アイのファンだったリスナーの中には、レディオ・アイそのものの再生を願い、ネットを通じて署名を集める動きもある。フリーカメラマンの和田英士(わだ・えいじ)さん(30)は「幅広い音楽を自由にかけていて、いつも発見があった。難しいかもしれないが、なんとか復活してほしい」と話す。これまでに集めた約千人分の署名は、近くラジオ局を監督する総務省に提出するという。

(共同通信社)




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