10年前の2004年、全国的なブームを呼んだ高知競馬の競走馬ハルウララ。現在18歳。長らく消息がはっきりしなかったが、千葉県のNPO法人「引退馬協会」が17日までに公開したウェブサイトによると、千葉県御宿町にある引退馬の牧場で健在、元気という。
ハルウララは2003〜2004年、負けても負けても走り続ける姿が共感を呼び、中央競馬の武豊騎手が騎乗に至るなど一大ブームを呼んだ。
千葉の牧場が自費で世話 元馬主が所有権を放棄で寄付呼び掛けへ
10年前、負け続ける馬として全国的なブームを巻き起こした高知競馬の競走馬ハルウララが、千葉県御宿町の牧場で余生を過ごしている。エッセイストの元女性馬主が高知競馬から関東に移送後、長らく消息がはっきりしていなかった。千葉の牧場によると、元馬主からは預託料の払い込みがなく今春に所有権を放棄し、現在は千葉県御宿町の牧場が自費で世話をしているという。
2004年8月3日に113連敗を喫した後、ブームのさなかに無償譲渡された馬主が関東に強引に移送した。2006年の競走馬登録の抹消後は、千葉県、北海道の牧場を転々としているとの消息が断片的に伝わる程度だった。
引退馬協会(千葉県香取市、沼田恭子代表)のウェブサイトなどによると、18歳になるハルウララは一昨年12月から引退馬を預かって保養する牧場「マーサファーム」で健在、元気だという。
関係者によると、元馬主は搬入から半年たつと月8万円の預託料の払い込みが途絶え、姿も見せなくなったという。このため世話をしているスタッフらが元馬主と文書で合意のうえ、所有権をマーサファーム内の団体に移し、餌代などに必要な経費を寄付金で募ることにした。
ハルウララを世話するスタッフの宮原優子さん(31)は「これまで馬主さんの意向で牧場ではハルウララの名は伏せられ、馬小屋には『うーちゃん』と書かれていた。これほど頑張った馬が誰にも知られず、もしみすみす捨てられるとすれば非情だと思った。私たちに所有権が移ったのでファンから協力をもらって余生を過ごさせてあげたい」と話す。
高知競馬場時代の調教師だった宗石大さんは「元気で無事でいてくれたことはうれしい。北海道の牧場から千葉に移ったらしいとは聞いていたが、詳しいことは何も知らなかった」と話している。
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