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【報知映画賞】安藤桃子監督「妹暴れてくれた」サクラと姉妹初タッグ

2014年11月28日6時3分  スポーツ報知
  • 「0・5ミリ」が上映されている高知市の高知城西公園で、喜びを語る安藤桃子監督
  • 「0・5ミリ」が上映されている高知市の高知城西公園で、喜びを語る安藤桃子監督

 ◆第39回報知映画賞 ▽作品賞「0・5ミリ」

 第39回報知映画賞の作品賞は安藤サクラ(28)が主演し、姉の安藤桃子監督(32)がメガホンを執った「0・5ミリ」(公開中)。戦争体験者の元教師役の津川雅彦(74)が助演男優賞に決まり、ダブル受賞となった。サクラは第37回助演女優賞に輝いており、姉妹の栄冠となった。

 第一報を聞いたのはNHK Eテレ「ハートネットTV」の年内分を収録中の楽屋だった。「LINEで知りました。いまいち実感がわかなかったのですが、取材を受けて、作品賞なのかという喜びがわいてきました」。自宅のある高知市内で取材に応じた桃子監督は笑みを浮かべた。

 デビュー作「カケラ」(10年)が仏映画祭で受賞しているが、国内映画賞は初めて。「日本で映画を撮っているので、日本の映画賞はうれしい。大手の映画が受賞することが多い中、コツコツと撮ってきたインディペンデントの作品が評価され、励みになります」

 「0・5ミリ」は祖母の介護経験をもとに映画化のために小説を書き、さらに出演者にあてはめて脚本を書いた。「20代の時の自分が描いた人物を、実際にその時代を生きたレジェンドの俳優さんが演じることで完成した。映画はよく総合芸術だと言われますが、ロケした高知の景色や自然、太陽、人々まで含めて総合芸術なのだな、ということを受賞で気づかせてもらいました」

 監督と主演女優。日本映画で初めて姉妹でタッグを組んだ作品だ。父・奥田瑛二(64)がエグゼクティブ・プロデューサー、母でエッセイストの安藤和津さん(66)がフードスタイリスト、3月に結婚した夫(32)は高知の特設劇場のディレクターを務めた。

 「一番仕事をしたかったのがサクラ。そのサクラが作品を背負ってくれ、カメラの前で暴れてくれて、役を生きてくれた。監督冥利に尽きます」。津川の受賞にも「何よりもうれしい。授賞式で早くお会いしたい」と楽しみにしている。

 地元、高知城西公園内の特設劇場では12月24日まで、東京・有楽町スバル座も12月12日までの延長公開が決まった。ほかの劇場から追加オファーも。「流れが来ている。この映画が革命児になってくれる」。来年3月の第1子出産を控える桃子監督はひと足先に生み出した“我が子”に大きな手応えを感じている。(平辻 哲也)

 ◆安藤 桃子(あんどう・ももこ)1982年3月19日、東京都生まれ。32歳。父は俳優の奥田瑛二、母はエッセイストの安藤和津さん、妹は女優の安藤サクラ。学習院で幼稚園から学ぶ。高1夏に英ケンブリッジ・アーツ・アンド・サイエンスに留学。1年飛び級し、その後ロンドン大学芸術学部を次席で卒業。その後、米ニューヨークで映画作りを学ぶ。2001年、奥田監督の映画「少女」で美術、製作進行アシスタント担当。10年、「カケラ」で監督デビュー。今作を機に名前を「モモ子」から改名。

 ◆0.5ミリ 予期せぬ大事件によって仕事をクビになり、寮からも追い出されてしまったヘルパーのサワ(安藤サクラ)。「家ナシ・金ナシ・仕事ナシ」の人生崖っぷちに立たされたサワは、あてもなく街をさまよう中で、さまざまな老人と出会う。その中には、女子高生の写真集を万引きする、元教師の義男先生(津川)もいた。サワは、そんなワケあり老人を見つけ出し、生活に入り込む“おしかけヘルパー”をなりわいとすることを決めた。

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