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【争点の現場】
「中国はうそつきだ」石垣市民の怒り 海保幹部は水平線を見つめつぶやいた…
午前8時前、石垣市の漁港に到着した漁船から、氷漬けのキハダマグロがクレーンで水揚げされた。石垣島から南方の波照間島沖合で取れたものばかりだ。
黒潮が流れる尖閣周辺は「宝の海」と呼ばれてきたが、中国公船が出没する「危険な海」へと変貌。尖閣周辺で操業している日本の船は今、ほとんどない。
昨年11月には尖閣上空を含む東シナ海に中国政府が一方的に防空識別圏を設定。マグロはえ縄漁船の船長、座波幸次(ざは・こうじ)さん(53)は「近ごろは様子が分からず、尖閣には行かない」と顔をゆがめた。
マグロはえ縄漁の漁師、下地宏政さん(45)は、豊かな漁場が脅かされているのに何も変わらないことに憤っている。
尖閣諸島は24年9月、民主党政権下で国有化されたが、一時、島の購入に動いた東京都には、購入や利活用のため、全国から約15億円の寄付が集まった。
寄付金は具体的な活用策が打ち出されれば国に託すとして、25年3月に基金化されたが、たなざらしのままだ。
地元の漁業関係者らは船溜(ふなだまり)(避難港)や通信施設の建設を求めているが、下地さんは「誰も動こうとしない」と嘆く。
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怒りの矛先を昨年4月に締結された日台漁業取り決めに向ける「海人(うみんちゅ)」もいる。1人で漁船を操る漁師の袴田卓さん(31)は「こんなことになるなら破棄した方がいい。すべての漁場をあげたようなものだ」と怒りを隠せない。
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