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世界最高届ける!USJ強気の戦略 連続値上げ…大規模投資で海外に対抗

産経新聞 2月13日(金)15時7分配信

 大阪市此花区のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)が1月、1日入場券の大人料金を7200円と、220円値上げした。6年連続の値上げに踏み切る強気の背景には、ヒット映画「ハリー・ポッター」のエリア効果で平成26年度の入場者数が過去最高を予想するなど好調なことがある。後ろ向きに走るジェットコースターなど比較的低コストで集客する一方、思い切った投資も辞さないUSJ。強気の価格戦略は、次の大規模投資の準備を進めていることも浮き彫りにしている。 (中山玲子)

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 「(値上げは)アトラクションの拡充によって、その入場料に見合う価値をパークで楽しめるようになったからだ」。USJの運営会社、ユー・エス・ジェイの広報担当者は入場料の値上げの理由について、こう説明する。

 値上げは昨年1月以来で、この間にも複数のアトラクションを追加。今回の値上げは大人から子供まで全世代が対象。大人が7200円になったのをはじめ、子供は100円アップの4980円、シニア(65歳以上)は200円アップの6470円に引き上げた。

 値上げによる収益効果でユー・エス・ジェイが急ぐのが、パークの価値向上と投資回収だ。ハリポタエリアでは投資決断時の売上高の約半分にもなる約450億円を投入した。投資分を早く回収することで財務状況の安定を目指す考えで、その先に株式市場への新規上場や、検討中のUSJ以外の新しいテーマパークの構想を見据える。

 ハリポタエリアが開業した昨年7月以降は毎月、過去最高の入場者数が続く。1月12日には26年度の入場者数が1千万人を超えた。

 「日本のテーマパークの入場料は総じて、海外基準より低い」。かつて産経新聞の取材に対し、ユー・エス・ジェイの森岡毅執行役員はこう語った。

 実際、大人料金で比べると、ユニバーサル・オーランド・リゾート(米フロリダ州)は、2つあるパークのうち1つ楽しめる1日入場料が96ドル(約1万1400円)、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(米フロリダ州)もパークによって99ドル、94ドルと、日本円で1万円を超える。

 アジアでも香港ディズニーランドが499香港ドル(約7600円)、敷地面積がUSJの半分以下しかないユニバーサル・スタジオ・シンガポールが74シンガポールドル(約6400円)だ。ライバルとなる世界のテーマパークと比べてUSJは決して高い水準とはいえない。

 USJは開業以降、しばらく入場料の水準で東京ディズニーリゾート(ランドかシーのいずれか1つの利用で大人6400円)とほぼ歩調を合わせてきた。ディズニーを運営するオリエンタルランドも4月から500円値上げして大人料金で6900円になることを発表したが、USJが先んじて突き放した格好だ。

 USJはハリポタエリアへの投資資金を工面するため、後ろ向きのジェットコースターなど比較的低コストの投資で集客効果を上げたことで知られている。現在も「進撃の巨人」など国内外で人気のアニメやゲームをテーマにした期間限定イベントを展開中だ。総投資額は十数億円で閑散期の集客の起爆剤にしている。

 USJが掲げるスローガンは「世界最高をお届けしたい」。入場者数を伸ばす中での値上げは、次の大規模投資の準備を進めていることを示している。

最終更新:2月13日(金)17時20分

産経新聞