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学校法人北里研究所

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天然物創薬推進プロジェクト

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北里生命科学研究所

特別研究部門 天然物創薬推進プロジェクト

更新日:2013年5月19日

担当教員

〔特任教授・スペシャルコーディネーター〕 大村 智   〔特任教授〕 中野 洋文  
〔特任助教〕 山本 剛, 山地 賢三郎

研究分野の概要

1. 1981年からの25年間に開発された新規低分子医薬974のうち,63%は天然物およびその誘導体と天然物の構造を模した薬剤である。 しかし,90年代にコンビケム合成ライブラリーへの期待から天然物探索を軽視し,撤退する企業が相次いだ。 そのことが疾患に関する生物学の著しい進歩がまだ十分に画期的な新薬開発に結び付いていない一因であると指摘されている。 北里研究所では流行に流されることなく,天然物からの医薬探索と開発を継続し,天然物由来の新たな医薬の開発候補が育っている。 これらを臨床開発へ推進する。
2. 大村智はアベルメクチンでのメルク社との共同研究(1973 -93)をはじめ,産学を束ねた多くの大型プロジェクトを率いて,微生物が創る化合物を400種余り発見した。北里研究所に蓄積された天然物ライブラリーを生かして,オリジナリティーのある医薬標的を持つ研究者,企業との共同研究により,難病に対する新たな薬剤を探索する。

講座重点研究等主な研究課題

【研究室重点研究】

    1. 構造変化中の蛋白複合体”を標的とする創薬:
    構造変化中の蛋白複合体をトラップする作用機構を持つ医薬品には天然物由来の低分子化合物が多い。1977年,北里研究所で発見されたスタウロスポリンは1986年に協和発酵で強力なProtein Kinase阻害活性が見いだされた。 世界の製薬企業でスタウロスポリンの構造を模したGlevecなどが合成され,チロシンキナーゼを標的とする多くの抗癌剤が開発された。その後の研究からスタウロスポリン関連物質がTopoisomerase-DNA-薬剤の複合体を形成することやImatinibなどがチロシンキナーゼを不活性状態の構造にトラップすることなどが明らかにされている。(Review:Nakano & Omura J. Antibiotics 2009; 62:17-26) ゲノム解析から明らかにされた新たなProtein KinaseやDNAトポイソメラーゼなど構造変化中の蛋白複合体を標的にした薬剤探索を行っている。
    2. 天然変性領域を介する蛋白相互作用を標的とする創薬:
    真核生物のシグナル伝達因子や転写因子などの複合体には“ひらひら”した不定形の天然変性(Intrinsically Disordered;IDと略)領域を持つ蛋白が多く含まれ,複数の蛋白質との結合を介して増殖と分化のスイッチなど細胞機能の制御に関与している。 中野らは癌遺伝子Srcの非キナーゼドメインとSAM68の蛋白間相互作用を阻害する天然物UCS15を見出し,その標的がID領域の代表的なモチーフである“proline-rich” 配列であることを明らかにした(Oncogene 2002; 21:2037).ID領域をもつ,新たな創薬標的蛋白に対する薬剤探索研究を進めている。
    3. 新たな標的に作用する感染症治療薬:
    Helicobacterの新規メナキノン生合成経路など新たな標的に作用機構する選択的な感染症治療薬の探索を進めている。

【学外研究機関との共同研究等】

    1. 協和発酵キリン・東京大学医科学研究所との共同研究
    北里研究所と協和発酵の産学連携は1955年の抗癌剤マイトマイシンの発見と開発以来,引き継がれている。 2010年からは協和発酵キリン創薬化学研究所と北里生命科学研究所が互いの天然物ライブラリーと微生物資源を生かして天然変性領域を介する蛋白間相互作用,クロマチンリモデリング(エピゲノム)などの新たな標的に作用する創薬研究を行っている。

    2. 徳島大学疾患酵素学研究センターとの共同研究
    徳島大学疾患酵素学研究センターでの疾患に関わる蛋白分子の研究と北里生命科学研究所の創薬研究を結びつけ,難病にたいする新薬の探索を行っている。 2012年にはPyruvate Dehydrogenase Kinase 4 (PDK4)の阻害剤探索でKIS7などを見出し,インフルエンザ感染後の重症化防止,食欲回復,抗癌活性などについて前臨床研究をシミックと連携して進めている。

    3. ブラジルFiocruz研究所との共同研究
    北里生命科学研究所の天然物創薬研究とブラジルFiocruz研究所の感染症研究を結びつけ,住血吸虫症(Schistosomaによる感染症)など熱帯地域の人々を悩ませている感染症に対する新薬探索を行っている。