ホーム社会 > 指定記事

アクセスランキング

「神城断層」の一部が活動=長野県北部の地震−地表の隆起確認・政府調査委

記者会見する政府の地震調査委員会の本蔵義守委員長。長野県北部の地震は「神城断層」の一部が活動した可能性が高いとの評価をまとめた=23日夜、文部科学省

 長野県北部で22日夜に起きた最大震度6弱の地震について、政府の地震調査委員会は23日、糸魚川−静岡構造線断層帯の北端に位置する「神城(かみしろ)断層」の一部が活動した可能性が高いとの評価を発表した。気象庁の余震分布と国土地理院の地殻変動の観測結果、東京大地震研究所の現地調査結果に基づき判断した。


〔写真特集〕長野県北部で地震


 地震調査委の本蔵義守委員長(東京工業大名誉教授)は記者会見で、「今回の地震が断層帯全体にどう関係するかは分からない」と述べた。
 調査委は2011年6月、東日本大震災の巨大地震の影響で同断層帯のうち牛伏寺(ごふくじ)断層の地震発生確率が高まった可能性があると発表したが、23日の会合では、神城断層への影響はあまりないとの意見が多かったという。
 本蔵委員長はその上で「活断層は日本列島に無数にあり、今回ぐらいの規模の地震はどこでも起こり得る」と指摘した。
 神城断層は地震調査委が1996年に公表した長期評価では長さ約26キロとされたが、最近になり北へ続いている可能性が検討されていた。余震分布からは、長野県白馬村と小谷村にまたがる従来の神城断層の北半分と約4キロの延長部分が活動し、断層の南東側が北西側に対して乗り上げるようにずれる逆断層型地震が起きたと推定される。
 東大地震研の佐藤比呂志教授が白馬村で行った現地調査では、神城断層付近の道路や農地の東側が隆起していた。国土地理院の全地球測位システム(GPS)などを利用する電子基準点の観測では、断層から数百メートル西側にある白馬村の基準点が23日午前9時すぎまでに南東へ約29センチ動くとともに約12センチ沈降した。(2014/11/23-22:25)



関連ニュース

社会


▲このページのトップへ