奥山かずおさん死去
posted:2010.4.6
知床の大自然を舞台に少年の成長を描く「のどしろの海」(ひらのてつお画・学習研究社)で、第9回「小川未明文学賞」の大賞を受賞した根室市松ケ枝町の奥山かずおさん(本名・一夫)が、4日午前11時、肺がんのため死去した。70歳。旧樺太出身。
奥山さんは若いころから創作に励み、北方領土の歌「ふるさとは海の彼方に」などを作詞、1979年にはオジロワシと少年の物語「木の上の少年」で児童文学の登竜門と言われる第20回「講談社児童文学新人賞」の佳作を受賞。81年にはHBCドラマ「鮭を待つ少年」の原作を手掛け
た。
2000年に61歳で小川未明文学賞を受賞、発表から9年後の昨年8月、闘病中に「のどしろの海」が中国語に翻訳され台湾で「紅色的海」として出版された知らせを受けて、新たな創作意欲を燃やしていた。