聞き手・篠塚健一
2015年11月13日14時48分
■お笑い芸人 ハイヒール・リンゴさん
東京に仕事に行ってて感じるのは、大阪は東京を意識し過ぎているんじゃないかと。そのことで大阪のほんまにええとこを見失っている気がする。東京に追いつこうとするんじゃなく、大阪の個性をもっと大事にする。その個性とは隣人との垣根の低さ、底抜けの親切心やと私は思うんです。
司馬遼太郎さんの本に、江戸時代、大阪には「お上(かみ)なにするものぞ」の意識があって、人の横のつながりが強いとありました。そういうのは昔からの良い文化。大阪人の人なつっこいとこを、もっと伸ばしていったらいいと思います。
たとえば、スーパーに買い物に行ったら「今日の晩ご飯なんなん?」って、私のカートをのぞく大阪人がいる。相手の中にずけずけ入ってくるけど、それだけ親身になってくれるから、ありがたい。「すき焼きやったら、これ足りひんのちゃう」なんて言ってくれる。
その親切さを海外から来ている人たちにも向けてみたらどうだろう。「爆買い」に眉をひそめるだけじゃなくて、逆転の発想で荷物を持ってあげたらどうかな。「もう1回日本に来るなら、大阪な」。ええ街やと思ってもらったら、経済も潤うはず。
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