米軍、女性兵士の戦闘参加を解禁へ 全職種で
- 2015年12月4日
カーター米国防長官は3日、米軍におけるすべての戦闘任務を女性兵士にも解禁すると発表した。
カーター長官は、未来の米軍は最も幅広い人材を活用しなくてはならないと理由を説明した。これによって約22万の職が女性にも開放されることになるという。
各軍に30日の準備期間を与えた上で、女性の戦闘参加を可能にするための計画提出を求める方針。
女性の戦闘任務参加を禁止する規定は2013年に廃止されたが、国防省は、男性に限定すべきと考える職種については具体的理由を2016年までに提示するよう各軍に指示していた。
「例外なし」
ダンフォード統合参謀本部議長は、男女混合の部隊は男性のみの部隊ほど効果的でないという研究報告を理由に、一部の職種で女性の任官を認めないという例外を海兵隊に求めていた。
しかしカーター長官は「例外はない」と要望を退け、「資格を得て基準に見合う限り、女性はこれまで認められなかった形で米軍の任務に貢献できるようになる。戦車を運転し、迫撃砲を発射し、歩兵隊を戦闘に率いていくことが認められる」と述べた。
米女性法律センターのナンシー・ダフ・キャンベルさんは「軍隊で働く女性にとって、そして国中の女性にとってワクワクする日だ」と評価した。
米軍の女性たち
- 米軍の女性たちはすでにアフガニスタンやイラクなどで任務につき、時には死亡している。任務内容は情報収集、兵站(へいたん)、治安維持、軍用機の操縦など支援的なものだった。
- 今回の変更によって、陸軍特殊部隊デルタフォースや海軍特殊部隊シールズなど、最も過酷とされる職種にも就くことができるようになる。
- 今年8月には女性2人が米陸軍精鋭のレンジャー訓練コースを初めて修了。しかし女性の戦闘任務が禁止されていたため、これまで第75レンジャー連隊に任官することができなかった。