ものすごく久々に書いてみた! 2015年中に伝えたいことをまとめました【御徒町デブ―チョの“Road to デブートン”・第7回】

御徒町デブ―チョがゲーム業界を語る! 久しぶりの今回は2015年を総括してみました。
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 こんにちはー! “Road to デブートン”第7回目、なんと6カ月ぶりではないですか! デブ―チョはまだ死んでいません!笑。メリークリスマスとともにと思っていたのですが、さすがに年末なので書きあげることができず、結局、今年もお世話になりましたという言葉とともにアップすることになりそうです。申し訳ないです…。

 あっという間に2015年も終わってしまうので、今年中に書きたかったことをまとめてみます。デブ―チョ的には今年は例年以上に海外出張が多く、いろいろ聞いてきた情報をお伝えする機会があってとても嬉しいです。

 つれづれなく語るので読みにくいかも…ごめんなさい!


●北米では家庭用ゲーム機のセールスが絶好調

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 日本ではプレイステーション4が独り勝ちとは言え、まだ200万台。北米では2015年11月末現在でプレイステーション4の北米でのインストールベースは約1080万台、次いでXbox Oneが約975万台と空前のHDゲームハードブームです。つまりソフトのプレイヤーが日本の10倍以上存在していることになります。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が先日、プレイステーション4は世界で3020万台の実売! との発表をしましたが、そのうちの日本のシェアがとても小さいことに驚きを隠せません。

 また、北米では旧ハードから現行機への移行もスムーズで、かつてはなかなか新ハードに移行してくれなかった北米ユーザーも今回はものすごいスピードで新しいハードに買い替えてくれているみたいです。実際に北米のソフトウェアの売れ行きを見れば、上位にランキングされるのは現行機向けがメインなので、いかに新しいハードが受け入れられているかがわかりますね。

 昔は新しいもの好きの日本人、値段が高いうちは買い替えてくれない欧米人、と言われていたのですが、いつの間にかゲーム機の新規市場は西側に乗っ取られてしまったようです。もちろんハードに魅力を感じているだけではなく、それを使ってプレイするゲームタイトルの存在がそうさせるのでしょう。

 すでに3年目を迎えた新ハード向けには欧米のメーカーがこぞって大型タイトルを発売していますね。開発自体も慣れてきたためか、さらにクオリティーもアップしているので、いまやAAAタイトルは開発費100億円超とも言われています。これらを回収するためにソフトメーカーはPCを始めマルチプラットフォーム発売をするわけですが、日本においてはプレイステーション4のみの市場、かつ小さな市場となってしまっているので、その市場に向けてのバクチはなかなかできなくなっているのが現状なのです。

 日本のメーカーのみならず、海外のメーカーも日本向けはプラスαとしか考えておらず、なかなか本腰を入れてくれません。その最大手がマイクロソフトと言えましょうが、Xbox Oneの日本での販売台数(2015年11月末現在6万台強程度)を見ればどれだけ力が注がれていないかがわかるでしょう。

 何が言いたいかというと、競争があるから市場が盛り上がる、ということです。北米でしのぎを削るプレイステーション4とXbox One、ソフトでシェアを奪い合うActivision、Ubisoft、Electronic Arts、Bethesda Softworks、Take-Two Interactiveなどなどのメーカーが切磋琢磨しながらクオリティーの高い製品をよりよいマーケティングで一歩でもリードしてユーザーに届けよう! という意気込みが市場をホットにしていると言えるのです。

 商売柄、どのハードが強いとか弱いとか聞かれることは多いのですが、注目すべきは“競争”の結果ではなくその“過程”。どの会社のハードだろうとたくさんのユーザーがたくさんのゲームを遊べる状況を作っていくことが大事です。争ってくれればくれるほど、たくさんの優良ハード、ソフトが出てくるのですから。

 任天堂のWii Uが全米でのインストールベースが約450万台と出遅れているものの、現行機と言われる新しいハードが2500万台も出回っているのです。12月の売上データが発表されるとさらにこの数字は大きくなるでしょう。日本にいると体感できない家庭用ゲーム機ブームは頭の隅っこでもいいので覚えておいてください。

 残念ながらプレイステーション Vitaは北米では発売以来230万台程度しか販売されていないため、ハードとしては認知されていないかもなぁと思っていたら、SCEからもプレイステーションで今後ハンドヘルド(携帯ゲーム機)は続けない意向が報道されました。PSPからプレイステーション Vitaまでの短いハンドヘルド機時代でしたね。

 言わずもがなスマートフォン(以下スマホ)の影響なのですが、確かにユーザーとしても持ち歩くものとしてのみならず、家の中でさえデバイスをゲームソフトごとに持ちかえてプレイする、という煩わしさはありますからね。スマホに負けた、という言いかたではなく、役目を終えた、というべきなのかもしれません。

 かつては家庭用ゲーム産業や市場を引っ張っていた日本、日本の動きが海外に波及する流れになっていたため、日本にいれば海外動向を調べずとも産業動向をある程度先取りできたのです。ま、真ん中にいたわけです。しかーし、いまやゲーム市場としてはシュリンクしてしまい、欧米にお株を奪われた日本市場では、世界で何が起こっているのか情報を取らないといけない状況だということは肝に銘じたいところです。

 一方では、ガラパゴス化が進んで日本が孤立することが心配です。円安の影響は若干あれども北米の年末商戦11月~12月の売上だけで日本の年間家庭用ゲーム機関連の売上を2倍以上超えてしまうのは必至。ゲーム大国日本だったはずなんですが……というよりも北米の購買欲がすごいというのも理由です。

 ただ、世界におけるモバイルゲーム売上の世界1位が日本市場であることを考えれば、日本は家庭用ゲーム機からスマホへ移行したと言えるのかもしれませんが。日本のゲームメーカーさんたちのモバイルへのシフトはこういうバックグラウンドがあってのことなのでしょうね。