ことし3月26日に開業を迎える北海道新幹線。1973年の整備計画決定から43年目に、地元が掲げてきたスローガン「北の大地に新幹線」が実を結ぶ。この開業によって、新函館北斗駅から東京までの所要時間がこれまでより1時間短縮し、約4時間で結ばれるほか、仙台まで約2時間半、新青森まで約1時間となることが見込まれている。特に歴史的な繋がりの深い東北地域だけでなく、北関東地域や首都圏など、道内外における観光やビジネスなど様々な分野で連携・交流が拡大するものと期待され、さらに2031年には札幌まで延伸を予定するなど、北海道のみならず日本全土において、大きな経済効果がもたらされる。
北海道と本州を結ぶ陸路開通の構想は戦前まで遡る。かつて、青森-函館間は青函連絡船による航路で繋がれていた。しかし、海上の気候条件が悪く、台風などによる危険が常に伴っていた。1954年に起きた日本海難史上最大の犠牲者を出した洞爺丸事故が決定的となり、一気に本州と北海道をトンネルで結ぶ「青函トンネル」構想が具体化。高度成長期真っ只中、1964年に国家プロジェクトとして巨額の工費を投じて着工した。
一方で全国を新幹線ネットワークで結ぶ構想は、1960年代後半に提唱され、北海道新幹線の構想もそんな中で立ち上がり、青函トンネルは新幹線が前提での工事となった。当初、建設期間10年を予定していたが、これまでにない世界最長の海底トンネルということで、建設の困難さは想像を絶するものとなり、最終的に殉職者は34名、完成までに24年もの歳月を必要とした空前の大事業となった。工期が長期に渡るなか、日本の経済状況も変わり、北海道新幹線の構想も二転三転、最終的にトンネルが開通した1988年には北海道新幹線構想は凍結された。それから28年。北海道民や鉄道関係者の悲願だった北海道新幹線開通がいよいよ実現する。
番組では、世紀の大事業、青函トンネル建設に情熱を燃やし続けた人々の挫折や成功など、北海道新幹線開通までの道程を辿りながら、開通による今後の期待・展望などを占う。
北海道と本州を結ぶ青函トンネルの先進導坑(パイロット抗)の貫通直前ルポ。着工から19年、難工事の跡やジェット機化による乗客減で凍結された新幹線計画など、世界最大の海底トンネルがたどった歳月を振り返り、夢と現実の落差を浮き彫りにする。
24年におよぶ歴史的難工事の末、完成した「青函トンネル」。最初のパイロット坑「先進導坑」を堀り抜いたのは、鉄建公団の若き技術者と、トンネル工事の職人74人を中心としたプロジェクトだった。複雑な地層の海底掘削工事は出水との戦い。難工事のなかで死亡事故が続発。昭和44年には大規模事故に見舞われもした。この事故を全員で乗りきったことが、その後の工事を飛躍的に進歩させる原動力となる。友の死を胸に刻み、青函トンネルに人生をかけた男たちの苦闘を描く。
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