12月28日 よる9:00〜11:30
テレビ朝日開局55周年記念
「終着駅の牛尾刑事VS事件記者・冴子 家族の食卓」

原 作
森村誠一
脚 本
橋本 綾
監 督
池広一夫
プロデューサー
佐藤凉一(テレビ朝日)
目黒正之(東映)
制 作
テレビ朝日
東映

出演
牛尾正直   片岡鶴太郎
川村冴子   水野真紀
牛尾澄枝   岡江久美子
緒方浩平   船越英一郎
金沢秀子   伊藤 蘭
金沢高一   榎木孝明
中西 進    篠田三郎
藤本 実    梨本謙次郎
中屋 繁    矢島健一
坂本課長   秋野太作
         ほか

 東京・西新宿の古いアパートの一室で男性の刺殺死体が発見され、牛尾正直(片岡鶴太郎)たち新宿西署の刑事たちが臨場した。被害者は、藤本実(梨本謙次郎)という無職の男。同じフロアに住むホステスや、隣室の住人・白崎透(笠原秀幸)によると、藤本には沢村江里子(古川りか)という同棲相手がおり、彼女にひどい暴力をふるっていたという。藤本は頭部も殴られており、部屋からはその凶器と思われる“金亀堂”と刻印されたペーパーウエイトが見つかったほか、ダイヤモンド風の石、さらには週刊誌のグラビア写真が見つかった。“家族の食卓”というその特集に載っていたのは、料理研究家・金沢秀子(伊藤蘭)の家族で、牛尾が顔なじみの記者・川村冴子(水野真紀)に確認を取ったところ、1年半ほど前に掲載された記事だとわかる。

 同棲相手の江里子の行方を探すとともに、藤本の履歴を探りはじめた牛尾たち。藤本は広島市出身で、30年前に実家を出て以来、音信不通で、2年ほど前に現場のアパートに引っ越してくるまでの足取りはまったく不明だった。
 一方、グラビア写真が気にかかった牛尾は、秀子のもとを訪ねる。秀子はなぜか牛尾たちに憎しみのまなざしを向け、頑なな態度を崩さない。不審に思ってプロフィールを探ったところ、秀子も藤本と同じ広島出身で、30年前に父親をはじめとする家族全員を亡くしていた過去が浮かび上がる。実は、秀子の父・佐久間哲夫(池田政典)は30年前、広島市内の宝石店“金亀堂”で警備員として働いていたが、強盗事件に遭遇。強盗犯の一味とみなされ、警察から厳しい取り調べを受けた挙句、身の潔白を証明するために自殺したのだった。その後、病気療養中だった秀子の妹も後を追うように命を落とし、相次いで母親も病死、15歳にして秀子は家族を失っていたのだった。彼女が警察を憎悪するのは、悲しい過去のせいだったのか…。

 30年前、広島の金亀堂で起きた未解決の宝石強奪事件…。そして事件の起きたその年に広島を離れ、30年後にその店のペーパーウエイトで殺された男…。2つの事件の結びつきを直感した牛尾は、広島に向かい、宝石強奪事件で捜査の指揮を執った中西進警部(篠田三郎)に会う。中西によると30年前の事件当日、佐久間は同僚の長岡繁と警備に当たっていたが、現場に駆けつける途中、長岡は階段から足を踏み外して負傷。そのため佐久間が単独で強盗犯と対峙したところ、身をひそめていた共犯者に襲撃され犯人たちを取り逃がしてしまったという。中西たちは、犯人一味が警備員の巡回時間を知っていたと思われること、佐久間のケガがあまりに軽いことなどから、佐久間を疑ったと話す。

 一方、秀子と懇意である冴子は、そんな牛尾の動きを知り、古くからの記者仲間である緒方浩平(船越英一郎)を半ば強引に巻き込んで、独自に事件を追いはじめていた。浩平は、30年前、佐久間の同僚警備員だった長岡が、いまや飲食店や旅館など手広く事業を手掛ける“中屋ホールディングス”の会長・中屋繁(矢島健一)として成り上がっていることを突き止めて…。