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6.麻原・アレフを盲信する原因・落とし穴――盲信から脱却するために

【目次】麻原・アレフを盲信する原因・落とし穴――盲信から脱却するために

 ここでは、私達の過去の20年間に及ぶ経験を活かして、なぜ、麻原・アレフを盲信するかの原因や、その落とし穴と、その盲信からいかにすれば脱却していけるかを解説したいと思います。

 まず、アレフでは、依然として、麻原彰晃を、最終解脱者・シヴァ大神の化身として絶対視しています。

 さらには、麻原の関与した殺人事件についても、圧倒的な客観的事実・証拠があるにもかかわらず、「陰謀である」と主張したり、「わからない」と考えたりして、麻原を否定する理由とすることを避けています。

 こうした盲信に陥る主な原因について、最初に、結論から言えば、以下の通りとなります。



アレフの信者は、麻原の実態をよく知らない

 今のアレフには、オウム真理教時代の中堅幹部程度しかおらず、彼らは麻原の実態をよく知りません。

 一方、かつての麻原の高弟のほとんどは、今麻原を否定しており、少なくとも絶対視している者は皆無です。

 その中で、今現在のアレフの信者は、一連の事件の後も、自分たちが信じたものが正しいと思いたい欲求や、教団の宣伝や教義に基づいて、実際ではない麻原を盲信しているのです。

 また、最近勧誘される人は、一連の事件自体をよく知らない若い世代が多いともいわれます。

 →詳細は、こちらの記事をご覧下さい。



アレフは、麻原について「誇大宣伝」している

 麻原を絶対視する理由となっている麻原の超能力は、全体として見れば、誇大宣伝の面が多々あります。

 確かに、一定数の信者を集めた麻原には、他の宗教の教祖などと同じように、一定の霊能力があったとは思われます。

 しかし、それは

 ① 教団が宣伝するほど絶対的なものではなく、予言などは、ほとんどが外れており、
 ② そういったタイプの人は、麻原だけではなく、社会にまま存在しており、
 ③ 人格の完全性の証明には全くならず、彼を絶対視する理由には全くなりません。

 他にも、麻原の宣伝として、空中浮揚の写真、脳波の特殊性、チベットやインドの聖者の称賛などがありますが、それらには、裏の真実があり、虚偽の宣伝といわざるをえません。

 →詳細は、こちらの記事をご覧下さい。



ヨーガ・仏教の教えを、麻原の教えと「混同して」信じてしまう


 現在アレフは、その布教・教化活動で、最初から自分たちがアレフだと明かして布教・教化することができないので、

 ① 最初はアレフであることを隠したいわゆる「覆面ヨーガ教室」でヨーガを教えたり、人間関係を作ったりし、
 ② その後に、オウム真理教事件を含めた陰謀論の話をするなどしてから
 ③ その後に、アレフであることを明かして、アレフに入会させています。

 この中で、ヨーガや仏教の教えによって、心身の状態が改善したり、神秘体験をする人がいます。

 しかし、ここで問題なのは、それが、麻原・アレフのオリジナルの教えではなく、ヨーガ・仏教の教えであるにもかかわらず、そういった体験を他のところでしていないがために、両者を混同してしまって、麻原・アレフの恩恵であると錯覚してしまう面があります。



アレフの修行による神秘体験を、「過大評価」してしまう

 また、特に、ヨーガがもたらす神秘体験などについては、教団全体が、真の宗教的な知識が未熟なために、その価値を過大視しています。

 その結果、本来は、麻原・アレフから自立してヨーガ・仏教の修行をすればいいのですが、そうはならないのです。

 ここには、自分でも気づかないうちに、何か絶対的なものに頼りたいという依存心、厳しく言えば怠惰があり、それが、自分で自立的に修行することを妨げています。

 →詳細は、こちらの記事をご覧下さい。



教団に「自尊心」を満たされ、信じたくなる心理作用がある


 アレフは、勧誘の対象となる人に対して、「真理(=アレフ)に巡り会った希な功徳を持った特別な存在だ」として、端から見ると、異常なまでに称賛します。

 そのため、そうされた人は、気づかないうちに、自尊心が極度に(過剰に)満たされ、「教団を信じたい」という心理が働きます。

 ただ、落ち着いて考えると、一連の事件を起こしたアレフが真理であるという合理的な根拠はなく、それは自分たちなりの手前勝手な解釈(慢心)なのです。

 その結果、客観的に見れば、誰かを「絶対である」とか「神の化身である」などと判断できるとしたら、本来、それは神の化身自身だけであるにもかかわらず、アレフから強く称賛される中で、自分でも気づかないうちに慢心に陥ると、本当の意味での謙虚さを忘れてしまい、アレフでの多少の体験によって、安直にアレフ・麻原を「正しい、絶対である」と信じる過ちを犯してしまうのです。

 →詳細は、こちらの記事をご覧下さい。



アレフが説く、「グルへの帰依の教えの呪縛」を受けてしまう

 アレフの教義では、密教の教えを誤って解釈した結果として、「自分のエゴを滅するために、グルである麻原や教団の指導者に疑念を持たない、グルを絶対と見なければならない」という教えがあります。

 この教えに呪縛されてしまい、麻原を絶対視し、否定できない場合が多くあります。
 しかし、これは、正しい密教における帰依の教えの解釈ではありません。

 →詳細は、こちらの記事をご覧下さい。



「輪廻転生」を、原理主義的に盲信してしまう

 アレフの教義では、「輪廻転生は絶対に存在する」と主張していますが、それは科学的には完全に証明されていることではなく、そもそも仏教の開祖・釈迦牟尼も輪廻転生を強調してはいません。

 しかし、アレフは輪廻転生を原理主義的に解釈し、「現代人の99パーセントは地獄に落ちる」と脅した上で、「救われるにはグル(麻原)に帰依するしかない」と強く指導しています。

 仮に輪廻転生があるとしても、何も麻原の力に頼らなければならないということはなく、現にアレフでも崇拝している釈迦牟尼自身、誰か特定の人物を神の化身として絶対的に帰依するようなことは弟子達に求めませんでした(むしろ逆に釈迦牟尼自身に対する個人崇拝を戒めていた)。

 現代には、麻原に頼らずとも、多くの有力な宗教的指導者は存在していますし、麻原なしで、輪廻の恐怖から解放された元オウム信者の体験も多々あるのです。

 →詳細は、こちらの記事をご覧下さい。


「オウムの過去の犯罪の事実」を、よく認識していない


 アレフでは、過去のオウム事件について、客観的には麻原・教団の関与を示す圧倒的な証拠があり、上層部であればあるほど、よく知っているにもかかわらず、教化活動では、事件を正当化しにくいために、事件を「陰謀」と説き、そう信じさせるための緻密なプログラム・教材を作成しています。

 また、古くからの信者の中には、自分たち自身も、自分の信仰を守るために、陰謀論を盲信している者もいると思われます。

 そして、新しい信者については、特に事件を直接的に知らない若い世代の人は、陰謀説を信じやすく、事件の重大性とその影響を理解しにくい、ということができるでしょう。

 →詳細は、こちらの記事をご覧下さい。



アレフの、「現在の違法行為・犯罪行為の可能性」をよく認識していない

 また、「オウム事件は過去の問題で、今後アレフが違法行為をなすことはない」と考えている人もいますが、実際には、グルを絶対視する教義などの結果として、

 ① 自分たちが過去に被害者側と結んだ賠償契約に反し、それを履行しておらず(債務不履行)、
 ② 今後については、麻原の死刑の際の後追い自殺の可能性や、経済犯などの犯罪の可能性は否定できない状態にあります。

 →詳細は、こちらの記事をご覧下さい。



アレフの修行の一部には、「危険性がある」ことを知らない
 
 アレフが行っているヨーガや密教の修行の一部には、一般の人がなすならば、精神的・身体的な危険性があるものが含まれています。

 例えば、ツァンダリーという秘儀瞑想がありますが、チベット密教などでは、その危険性から、ごく一部の選ばれた出家修行者にのみ、その実践を許可しているというものがあります。

 実際に、オウム真理教では、一部ではありますが、修行によって精神疾患が発生したと思われる事実があります。

 しかし、アレフ信者の多くは、この危険性をよく知っていません。

(※さらに詳細な内容は「アレフ問題の告発と対策」ブログをご参照下さい)

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