【川崎】“元祖怪物”森本、試合終了寸前に11年ぶりJ1ゴール

2016年3月6日6時0分  スポーツ報知
  • 後半、センタリングを上げる川崎・森本(右)。ロスタイムに同点ゴールを決めた

 ◆J1第1ステージ第2節 川崎4―4湘南(5日・等々力陸上競技場)

 明治安田生命Jリーグは、今季J2千葉から移籍した川崎のFW森本貴幸(27)が、約11年ぶりのJ1ゴールでチームに勝ち点1をもたらした。3―4の後半ロスタイム1分、ヘディングで、東京Vに所属した2005年10月22日のF東京戦以来となる得点を決めた。

 怪物と呼ばれた男が、地元で復活ののろしを上げた。3―4の後半ロスタイム1分、森本は諦めなかった。「最後まで攻撃して、チャンスが多いチーム。ボールは必ず来る」。FW小林の右からの頭での折り返しを、逆サイドでヘディング。拳を突き上げた。

 J1での得点は17歳の05年10月22日以来、3787日ぶり。「小さい頃から親しみのあるスタジアムで、フロンターレ初得点を挙げられてうれしい」。川崎市出身で等々力陸上競技場は“聖地”といえる。途中出場でチームに勝ち点1をもたらし、観客を沸かせた。

 プロ13年目だが、まだ27歳。濃密なサッカー人生を歩んできた。東京V所属の04年、15歳10か月6日での公式戦出場と、15歳11か月28日での得点は、ともにJ最年少記録。スキンヘッドが特徴で「和製ロナウド」「怪物」とも呼ばれた。セリエAカターニャに移籍し、08年北京五輪、10年南アW杯メンバーにも入った。

 だが、両ひざの負傷などで出場機会が減り、得点感覚が鈍った。「試合に出たい」。活躍の場をUAEに求め、13年からJ2の千葉に加入するなど苦悩が続いた。川崎からのオファーは渡りに船だった。日本サッカー屈指の点取り屋、大久保が身近にいる。「いいお手本。背中を見ながらいろいろ吸収したい」。怪物が新たなスタートラインに立った。(斎藤 成俊)

 ◆森本 貴幸(もりもと・たかゆき)1988年5月7日、川崎市生まれ。27歳。04年に東京Vで史上最年少の15歳10か月6日でJデビュー。06~13年にカターニャ、ノバラ(ともにイタリア)、アルナスル(UAE)でプレー。13~15年は千葉、16年から川崎。08年北京五輪、10年南アフリカW杯代表。国際Aマッチ10試合3得点。180センチ、77キロ。

  • 楽天SocialNewsに投稿!
国内サッカー
今日のスポーツ報知(東京版)