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センター長挨拶

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計算機によって科学を探究する“計算科学”は、基礎から応用分野に至るまで欠くべからざる科学の探究手法となっており、多くの分野で科学の発展に寄与しています。筑波大学計算科学研究センターは、1992年に設立された計算物理学研究センターを前身とし、2004年に計算科学研究センターに改組拡充され、新体制の下で計算科学を推進しています。

計算物理学研究センターにおいては、素粒子物理、宇宙物理、計算機工学の連携による新たな計算機の開発と最先端の計算物理学の開拓を行いました。1996年には、当センターが開発したCP-PACSがスーパーコンピュータ・トップ500の第1位となりました。2004年に計算科学研究センターに改組拡充され、物質、生命、生物、原子核、地球環境、データ基盤、計算メディアの各分野が加わりました。

計算科学研究センターは、科学諸分野が単に計算機を利用するのではなく、計算機科学との協働により、科学の探究に最適な計算機の開発・製作を行ってきたことに特色があります。このような取り組みを「学際計算科学」として推進し、幅広い計算科学の探究と共に、共同利用プログラムを実施し、全国の研究者に計算資源を提供するなど、計算機科学との共同研究や支援を行っています。また、学際計算科学を通して、科学の異分野が連携して研究を推進する体制も整っています。さらに、次世代の計算科学を担う人材育成のための様々なプログラムを実施しています。

2010年に、当センターは文部科学省共同利用・共同研究拠点「先端学際計算科学共同研究拠点」として認定されました。また、同年、HPCI戦略プログラムの一つ分野5「物質と宇宙の起源と構造」の拠点に採択され、スーパーコンピュータ「京」を用いた計算科学の推進を行っています。さらに、エクサスケールの次世代スーパーコンピュータの実現に向けて、様々な技術的課題の検討も進めています。ここでも、科学諸分野と計算機科学の研究者が協働し、ハードウエアとソフトウエアの双方向から科学の探究に最適な計算機の開発を目指した取り組みがなされています。

当センターは、今後も科学諸分野と計算機科学との協働による「学際計算科学」を推進し、国際連携の強化の下、我が国の計算科学の発展に資する役割を担っていきたいと考えています。

2013年4月
筑波大学計算科学研究センター長
梅村雅之

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