活断層、横ずれ50キロ…大分にも震源域
16日未明に起きた熊本県を震源とする地震はマグニチュード(M)7・3で、6400人以上の死者・行方不明者を出した1995年の阪神大震災(M7・3)級の規模だった。
強い揺れが局所的だった14日夜の地震(M6・5)と比べ、エネルギーは10倍以上で、広い範囲で最大震度6強の激しい揺れに見舞われた。専門家は、複数の活断層が連動して地震が起きたと指摘し、今後も広い範囲で地震が続くことに警戒を呼びかけている。
気象庁によると、M7級の直下型地震は、2011年の東日本大震災の余震とみられる福島県浜通りの地震(M7・0)以来。九州地方では、玄界灘を震源とする福岡県西方沖地震(同)が起きた05年以来、11年ぶりとなる。
同庁の解析では、北西と南東方向に引っ張る地盤の動きの影響で断層が水平にずれる「横ずれ型」の地震だった。14日の熊本地震や阪神大震災と同じ仕組みだ。八木勇治・筑波大准教授(地球物理学)が地震波を解析した結果、ずれた断層の範囲は長さ約50キロ・メートル、幅約20キロ・メートルに及ぶとみられる。地下の破壊は震源から北東に進み、約20秒間続いたという。
今回の震源は、熊本県を東西に横切る
鈴木康弘・名古屋大教授(変動地形学)は今回、布田川断層帯の一部が動いたと指摘し、「日奈久と布田川の両断層帯は一連の活断層と考えるのが適当だ。今回の地震は、14日以降の地震に連動して起きたもので、長大な断層の一部が動き出したと考えられる」との見方を示す。
松島健・九州大准教授(固体地球物理学)によると、九州地方の地盤には南北方向に引っ張る力がかかっている。その力の影響で大分から熊本にかけて地盤が陥没している「別府―島原
今回の地震を受け、地震調査委は17日に臨時会を開くことを決めた。地震活動の原因や、今後の見通しを検討する。