自分でもあんまり良くないな……とは分かっていながら、ついつい忙しくて対応しないまま放っといていること……というのは、大なり小なり、誰にでも心当たりはあると思います。
僕の場合、まあ、あんまり綺麗な話じゃないんですが、お風呂あがりのバスタオル。これをあんまり替えなかった時期があるんです。
学生時代だったか、卒業してすぐだったか、なぜか分からないけどバスタオルが異常に少ない時期がありまして、2、3枚しかなかったんです、いつも。
その数枚のタオルを洗いながら、何日か使っては取り替えて云々……とやってて……すいません、やっぱ、気持ちのいい話じゃないですよね?

でもそこで、ちょっと気づいたことがあったんです。臭いです。
臭い、というのは、僕の身体から湧き出る臭いのことで、誰しも人間であって、生きてるわけですから香りのひとつや二つ、あるわけですけど、そのとき、身体を拭くタオルからほのかに香ってきたのは、何だか懐かしい感じの……アブラっぽくて乾いた感じの、色でイメージしたら「茶色」の、加齢臭だったんです。

加齢臭、っていうのは読んで字のごとく、「加齢による臭い」で、歳をかさねた人がかもし出す、独特の香りとして知られています。
要は、「おじちゃん、おばちゃん」以上の人たちが身にまといつかせるものであって、まだ20代の中頃か後半へいこうとしていた若い盛りの僕とは無縁だ……と、思っていたんです、そのときまでは!

加齢臭というのは「おじちゃん、おばちゃんの臭い」であるからこそ、何というか雰囲気的に、「許せる」というか、「仕方ない」というか、そんな感じの捉え方であるわけですが、若い身空で「加齢」の臭いというのは単純な矛盾ですから、これはショックです。
というわけで、同じく若い盛りで自分の香りに気づいてしまった若者がそうするように、僕も、コレを何とかするための方法を探り始めました。
幾つかの答えが見つかりましたが、そのひとつを最初に口走っとくと、《石鹸》でした。加齢臭のメカニズムを探求した上で、バッチリこの臭いを解消する仕組みを持った石鹸が、開発されていたのです。