東京大は7日、医科学研究所の男性教授らが発表した論文1本に不正があるとの告発を受け、真偽を確かめる調査委員会を設置することを明らかにした。過半数の学外有識者を交え、半年以内に結論を出す。
東大によると、匿名の告発文が9月と10月の計2回、大学本部に届いた。東大は同13日に予備調査を開始。詳しく調べる必要があるとして今月4日に調査委による本調査の実施を決めた。
調査対象は明らかにしていないが、この教授が米科学誌「セル・サイクル」に2011年11月に発表したマウスのES細胞(胚性幹細胞)に関する論文は、画像に不自然な点が確認されたとして同誌が今月1日に掲載撤回を発表している。
このほか東大では10月、医学系と生命科学系の計6研究室が発表した論文計22本に対し、別の調査委が調べを開始している。【藤野基文】