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 青年マンガ誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」で、生活保護を担当するケースワーカーが主人公の漫画作品「健康で文化的な最低限度の生活」を連載中の漫画家、柏木ハルコさんに話を聞いた。

 ――作品タイトルは、憲法25条の一部です。生存権についてどう考えていますか

 よく人類はここまでたどり着いたなって感じですよね。人類が生まれてからの積み重ねで、これを最低限保障しないと社会というものが保てないって分かってきたということだと思います。その社会に生きる人それぞれが人間らしく生きるために最低限ここだけは保障しようねってラインだと思うんですよ。そしてそれは結局、社会全体を維持するために必要なものなんだと思います。だけど、これを失うのってすごい簡単なことだと思うんですよね。多くの人にとって空気のように意識されずに存在しているものなので。でも、それをちゃんと憲法に入れて、守るべき大事なものなんだという風にしたことは、ものすごい価値がある。

 「健康で文化的な最低限度の生活」というタイトルは元々思いつきでつけたものですが、今となってはいいタイトルだったと思っています。人権をどうとらえるかというのが、この漫画の最終的なテーマになるのかなと思うようになってきたので。

 ――本作品を描くまでに、貧困問題に関心はありましたか

 自分は元々、自己責任論者みたいなところがあったのですが、湯浅誠さん(社会活動家)や雨宮処凛さん(作家)の本などを読んで少しずつ考えるようになりました。例えば、漫画家になれなかった人は頑張らなかった人みたいな気持ちが昔はあったんですけど、うまくいかなかった人に対して「自己責任だ」って言っていいのかなっていうのが引っかかるようになってきて。漫画家というのはどうしても世間知らずになりがちなので、今の社会を自分なりに把握したいなっていうのがありましたね。

 ――作品を描くにあたって、準備したことは

 可能な限り取材をしましたが、まだまだ足りないと感じています。生活保護受給者の方、ケースワーカーさん、あとは支援者の方々などからお話を伺いました。それまで全然知識が無かったんですけど、生活保護受給者って病気の人が多いですよね。障害があったり、親に虐待を受けたことに苦しんでいたり、色んな境遇の人がいると感じました。ストーリーづくりでは、現実の制度や運用をきちんと踏まえるよう気を付けていますね。

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