nihongopark

Loading

 日本語・文法メモ:「同じ」は何形容詞?


■「同じ」はナ形容詞?名詞?なんなの?!■

 (@_@;) 「同じな服」「同じの服」とは言わず、「同じ服」と言う…

とある授業…(実際にはやってません(笑))

 ( ´∀`) みなさん、これは「な形容詞」です。
 (^o^) はい!「わたしたちの国は同じです。同じな国から来ました。」
 ( ´∀`) 「同じな国」ではありません。「同じ国」です。
 (#゚Д゚) 「な形容詞」って言いましたよね。
 (´゚д゚`) (やっちまった…。)

こういうことが起こらないようにしなければなりません。
扱いづらいと思い、放置していた「同じ」の用法を整理したいと思います。


『明鏡国語辞典』(大修館書店)より引用します。

 おなじ【同じ】
 一 [形動]
 1) そのものと少しも違いがないさま。同一。
  「出身地が同じだ」「計画も犯行も同じ人物に違いない」
 2) 他のものと代わりがないさま。等しい。
  「君の時計は僕のと同じだ」「身長が同じだ」「同じ色のシャツ」「右に同じ」

 語法
 (1) もともとシク活用の形容詞。語幹に「だ」が付いて形容動詞となった。
   現在も形容詞連用形の「同じく」は盛んに使われるが副詞と見なすことが多い。
   体言を就職する場合は語幹を直接使う。
 (2) 形容詞の終止形「同じい」も使われることがあるが、現在はまれ。


「もともとシク活用の形容詞」というところが重要です。
古語の形容詞はシク活用をします。
「をかし」「かなし」「おもしろし」などなど、「〜し」というのが古語の形容詞です。
この中に「おなじ」や「いみじ」もあり、ジクの形になりますが、シク活用です。
(「おなじ」以外に「いみじ」しか思い浮かびませんでした…古語辞典、逆引きがない!!)

それを現代の言葉に直すと、「おかしい」「かなしい」「おもしろい」などのイ形容詞です。
「いみじ」は現代語で消えたとして、「〜じ」で終わる古語の形容詞は「おなじ」しかないのです。
イ形容詞の仲間に入れてもらえなかった「おなじい」さん…。
語法(2)にもあるように、「同じい」はもはや廃れてしまっていますし。


結論:「イ形容詞とナ形容詞の間の存在」と考えることにしよう!

 a. 名詞修飾の場合:【同じ+名詞】 (イ形容詞と同じ)
   おいしい魚、同じ魚、悲しい話、同じ話 / 元気な人、特別な話

 b. 文末(普通形)の場合:【同じ+だ。】 (ナ形容詞と同じ)
   私は元気だ。 この本とあの本は同じだ。 / その魚はおいしい。
   元気じゃない。同じじゃない。 / おいしくない。
 *普通形にしたのは、「です」だと違いが分かりにくいと思ったからです。


呼び名はありません(笑)これと同パターンの形容詞、ほかにあったらご一報ください(^^)


(2014.05.31)

管理人より:
なるべく色々な可能性を考えておりますが、ときには間違った考察・解釈があるかもしれません。
より良い説明を考えるためにも、ご意見はご遠慮なくいただければと思います(^^)


HOME戻る

Copyright (C) 2011- CHIKO All rights reserved.