【祝】ペンギンクラブ山賊版 300号への...
TOP
フクダーダ先生 インタビュー

2013
横槍メンゴ先生 インタビュー
Check


エロマンガがエロいのはもちろんだが、一般雑誌に載っているマンガでエロい作品を見つけたときの感動は、エロマンガの勃ち振る舞いとはまた別のものだ(笑)

横槍メンゴ先生作画(原作:岡本倫)の「君は淫らな僕の女王」を初めて読んだときは、まさに住宅地から油田、裏山から金鉱脈、図書館から「いけないルナ先生」を発見したごとく、まさかこんな所にこんなエロいものが!という感動に包まれたものであった。いや、もちろん青年誌にもエロい作品の枠があるが、チラリズム、ポロリ系の見せるエロではない。「君は淫らな僕の女王」には脳の妄想リミッターを解除する、魔のエロ起爆装置が内蔵されているのだ!

エロ出身の横槍先生故の感性なのか、それとも新しい表現規制への挑戦なのか!? これは是非ともお話を伺わなければいけないと思い、待ち合わせ場所へと向かった。
待ち合わせ場所に現れた横槍メンゴ先生は、ヴィレッジバンガードがよく似合うサブカル系女子であった(笑)



ゲストプロフィール
横槍メンゴ(よこやりめんご)
サン出版「マガジン・ウォー 2009年8月号」真剣Hゼミ!にてデビュー。様々な出版社で仕事とキャリアを重ね、2012年に集英社の「ヤングジャンプ」「ミラクルジャンプ」で連載した「君は淫らな僕の女王」(原作:岡本倫)が大ブレイク。エロを愛する、今後活躍を期待される作家の1人。現在、ビッグガンガン(SQUARE ENIX)「クズの本懐」好評連載集!
自画像はじゃがいもだが、別にじゃがいもが大好きと言うわけではない。 (HP) (twitter) (ニコニコ)

■感想とか聞いたら「ヌキました!!」って言われて

稀見:今日はよろしくお願いします。
メンゴ:よろしくお願いします。
稀見:今日は引っ越したばかりのメンゴ先生に来ていただきました。1人暮らしは初めてですか?
メンゴ:いや、以前も実家のすぐ近くで1人暮らしの練習というか(笑) 
私、家のことが一切できないので(^_^; 
あと、猫が飼いたくて引っ越したのもあるんです。
で、猫を飼い始めたんですが、そのせいで原稿が遅れまくっています(^_^;
稀見:御主人の仕事の邪魔をするのは猫の仕事でもありますからね。
メンゴ:最初はペット親バカにはなりたくなかったんですが……なりましたね(^_^; 
これがウチの猫です!

愛しの「ルーシー」ちゃん(♀)


稀見:かわいい~~ =^_^= メンゴ先生、ツイッターでもよく猫ちゃんの写真をアップされていますので、拝見させていただいていますよ!
メンゴ:シェルターから引き取られて、いろいろ経由して私の所に来たんで、最初から名前が付いていたんです。「ルーシー」って言うんです。最初は名前を変えようかと思っていたんですが、顔を見たら「ルーシー顔」をしていたので、もうそのままでいいやって(笑)
稀見:今日は、と言ってもインタビューではいつもですが、先生のデビュー雑誌を持ってきました。

「マガジン・ウォー 2009年8月号」(サン出版)


デビュー作「真剣Hゼミ!」


メンゴ:うわ~~めっちゃ懐かしい!!ヽ(*°ω°)ノ すごい!! これどうやって手に入れたんですか??
稀見:企業秘密です(笑)
メンゴ:私はもう捨てちゃいましたよ~。すげ~~すげ~! 
これ写真撮ってもいいですか?(と言って写真を撮る先生)
この雑誌、私嬉しくて神保町まで買いに行きましたよ!!(;゚∀゚)=3
稀見:え、出版社からの献本はなかったんですか??
メンゴ:いや、あったんですが、早く読みたくて発売日に買いに行きました!(笑)
稀見:あ~なるほど。献本って発売日より遅れることがありますからね。

デビューの経緯はまた後で伺いますが、先生のデビュー作が載った雑誌は、いわゆる「美少女コミック雑誌」ではなく、「マガジン・ウォー!」(サン出版)という、マンガも載っているグラビア雑誌、というちょっと変わった形の雑誌ですね。
メンゴ:ああ~でも、自分の原稿には目が当てられない~~(´д`)
ひ~~~(*/Д\)キャッ
稀見:2009年なので4年前になりますね。
今回横槍メンゴ先生にインタビューをオファーしたきっかけとなると、やっぱり現在大ヒット中の単行本「君は淫らな僕の女王」(以下:きみだら)なのは確かなんですが、実はデビュー単行本の「もっかいしよ!」(サン出版)と、ほぼ同時にでた「はるわか」(双葉社)から特徴的な可愛い絵と、独特のストーリーで注目はしていたんですよ!

「君は淫らな僕の女王」(原:岡本倫)


「はるわか」(双葉社)


「もっかいしよ!」(サン出版)


メンゴ:そういえば、以前ツイートしてくれていましたね?
稀見:そこへ来て、この「きみだら」は決定打でした! もう、この作品大好きです!!( ´ ▽ ` )ノ
メンゴ:めっちゃ嬉しいです(*´∇`*)
稀見:もう一気に読んじゃいましたよ! で、早く2巻がでないかな~って改めて表紙を見直したら、1巻とも書いてないし(笑) 
え~~これ1冊で終わりなんてもったいない、って思いましたよ~。
メンゴ:そもそも、これ単行本にもなる予定がないというか、読み切りだけの予定だったんです。でも、アンケートの結果が良かったみたいで、何とか連載に…。
稀見:いや~「きみだら」はエロいんですよ!ヽ(*°ω°)ノ もちろん、成年マンガ的な直接的なエロ表現じゃないんですが、心に響くエロなんです!

「受精」「着床」な、なんだ、このセリフは!?


メンゴ:マーク付きのマンガではないし、一般メジャー誌の作品なので、今までとは反応などが違うのかな~って思っていたんです。でも、感想とか聞いたら「ヌキました!!」って言われて、あ~変わらないんだと(笑)

ただ、ネーム段階ではもう少し露出があるんですが、それを如何にうまく隠して描くか、みたいな工夫はしていますね。
稀見:マーク無しでは直接表現以外の「エロさ」という部分がすごく大事だと思うんです。「きみだら」を読んでいると、「エロ」というものは、性器が見えてる見えてないだけで判別できるもんじゃないんだぞ!と「エロマンガ規制派」に訴えたくなります。


■元々「ガロ系」がめっちゃ好きで、そっち系でデビューしたかったんです

メンゴ:私の絵柄って、クセが無い感じじゃないですか? 自分では、自分の絵ってすごく特徴の無い絵柄だと思っているんですが…。
稀見:今流行の絵柄という路線ではないとは思いますが、私はとても特徴的な絵だと思いましたね。
メンゴ:特徴的なんだ…。特徴が無いから読みやすいのかなとも思っていたんですよ。
稀見:なるほど、確かに「カイジ」のような癖のある絵柄ではないですが(笑) 
私は一目見てメンゴ先生の絵だとわかる特徴がよく出ている絵柄だとは思います。
メンゴ:間口の広い絵柄を心がけていたんです。めちゃくちゃマンガが面白くても、絵に癖があると、「絵で苦手!」ってなっちゃう時ってあるじゃないですか…。そういう風にならないように心がけてはいたんです。
稀見:癖というか灰汁が強くないようでいて、特徴的な絵柄って確かに難しいですね。これは私の感覚なんですが、コミケやオンリーイベントみたいな二次創作の即売会よりも、コミティアみたいな創作系のイベントに合っている絵柄、とでもいうんですかね?(^_^;
メンゴ:そうなんです、私昔コミティアで本を出していたんです。
稀見:やっぱり! ちなみに、その時はどういう作品を描かれていたんですか?
メンゴ:あ、なんか恥ずかしいな(^_^; その時は、サブカルっぽい作品を描いていたんです…。
稀見:エロではなかったんですね?
メンゴ:エロではなかったです。エロのきっかけ、というかデビューのきっかけは、当時東方の同人を2、3冊出していたんです。その中の1冊で、エロを描いてみようって友達と相談して出したら、オファーが来て、あれよあれよと言う間にエロマンガを描く羽目に…(^_^;

東方同人誌の表紙(合同誌) 左のキャラを先生が担当


エロマンガは好きだったんですよヽ(*°ω°)ノ

小学生の頃からコミケに行ったり、まんだらけに行ったりしてエロ同人読んでましたからね。なので、エロマンガもめちゃめちゃ好きだったんです。でも、エロマンガの絵って凄く綺麗じゃないですか? だからエロマンガ家になる人は、絵がすごく綺麗で上手い人で、自分なんかではないという遠い存在でしたね。

自分の絵って、当時は凄くザカザカした感じでBL同人なんかを描いていたんです。ただBLを描いている時も脇役の女の子とかの方が力入れて描いてはいたんです(^_^; 

あ、話は飛びますが、私ホモォめっちゃ好きなんですヽ(*°ω°)ノ めっちゃ腐女子です。ホモォめっちゃ好きなのに、男描くの嫌いなんです(^_^;
稀見:読むのは男同士、でも描くのは女の子というわけですね(笑)
メンゴ:なので、得意な方を伸ばした結果こうなってしまったという…。
稀見:でも、そういう作家さんも結構多いですよ。商業では男性向け、同人ではホモォ~という作家さんも多いです。共通している点は「女体好き!」という点ですかね~(^_^;
メンゴ:そうです「女体」は好きですね~。特に美少女が好きです(`・ω・´) 男って描いていてつまらないんですよ(笑) 飾りっ気がないというか…、まつげとか描きたいんですよ~。
実は商業でBLもちょっと描いたことがあるんです。でも、ちょっと向いてないかなって~(^_^;
稀見:男を描くのがつまらないとBLはきつそうです(^_^;
メンゴ:私、描くマンガと読むマンガでギャップがあるって言われるんですよ。元々「ガロ系」がめっちゃ好きで、そっち系でデビューしたかったんです。
稀見:へえぇぇ~それは確かに意外ですね。でも、今ガロ系って?? 
「アックス」とか「エロティクスf」?? あと「IKKI」?

「ガロ」(青林社)


「アックス」(青林工藝舎)


「エロティクスf」(太田出版)


「IKKI」(小学館)


メンゴ:あ、そうなんです、私、それ系の雑誌に17歳の時に初めて持ち込みしたんです。そしたら、めちゃめちゃこてんぱんに言われましたね…。たしかに、ただこじらせてるだけの、すごい内容のないマンガだったきがするんですが…。黒歴史であまり思い出したくないです(笑)

なので、今でも読むマンガは、ヴィレッジヴァンガードに並んでいるマンガみたいなのが多いですね~。あ、でも最近行きつけのヴィレッジヴァンガードが「はるわか」と「きみだら」を置いてくれたんですよ~( ´ ▽ ` )ノ
稀見:さすがです。きっと滲み出てきている「サブカル臭」を嗅ぎ取ってくれたんですよ(笑)
メンゴ:(笑)でも商業で描いているマンガのほうには、なるべく出ないようにはしているんですけどね(^_^; 
で、よくよく完全な「サブカルマンガ家」方面に行かなかったのって、自分がアート系のマンガ家ではなく、職業マンガ作家に向いていたからだと思うんですよ。暮らしていくためにマンガを選んだんですよね。サブカル系のマンガ家って、サブカル系のマンガしか描けない人しかなっちゃいけないという気がして。
稀見:なるほど、「俺、どんなマンガでも、サブカル系も描けるぜ!」という人は、似非サブカルマンガ家だと(笑) 先生の場合は、要求されたモノを描くという、自分の描きたいモノより読者の読みたいモノを!というスタンスに近かった…?
メンゴ:そうですね。実際そういう要求でマンガを描く事もめちゃくちゃ大変ではなかったんです。
じゃ、こっちで描こうと…。

知り合いの作家さんから聞いた話なんですが、メジャー誌で活躍されていた作家さんが、メジャーで売れていた作品を描いていたけど、今は「本当に自分が描きたい作品を描く」と言って、すごいサブカルっぽい話を描き始めたんです。ただ、家族や周りの人には、本当に描きたいけど、売れないと思うし生活ももしかしたら不安定になるかもって言ってまで描き始めたんです。

で、その作品とかも見せてもらったんですが、やっぱり私的には凄く面白い作品なんですよ。
そういうメジャーを捨ててまでも、自分の描きたいモノを優先できる人には、かなわないなぁと。じゃあ、自分が戦えるフィールドはどこだろうって考えたんですよね。
稀見:でも、最初から100%好きなものが描ける作家さんは少ないんじゃないですかね?
我慢じゃないですが、最初はやっぱり読者の方に喜んでもらえる作品を目指しつつ、実績がしっかり出たらある程度自分の好きなモノを描くという流れは有りだと思いますよ。
メンゴ:あ、でも、私も基本最初は自分が描きたいモノと言うよりは、いろいろ我慢はして描いていました(^_^; 

もっとドロドロした話を描きたい衝動とかあったんですが、いろいろ却下されまして(笑)読者や、編集さんの要望をしっかり受け入れようと…。まだかけ出しだったし、連載などもしっかり続けていかないとという気持ちはありましたから。

なので、何か実績がちゃんと出せたら、自分の好きな作品も描かせてもらおうとは思っていました。
稀見:いや、それは普通だと思います。でも、実績は「きみだら」でもうしっかり出されているとは思いますよ(^_^;
メンゴ:それで、結構好きに描かせていただいているのが「クズの本懐」(SQUARE ENIX)なんです。

「クズの本懐 1」(SQUARE ENIX)


稀見:ほぉぉーー。確かに、ちょっとドロドロしてる??
メンゴ:こういう作品は「マガジン・ウォー」では描かせてもらえない作品でしたね。でも、比較的昔から私の作品などを同人から読んでいてくれていた友達には、これが一番私らしい作品って言われます。
で、こういう描きたい作品が描けたのでわりと満足かな~~って思ったんですが、「きみだら」を描いたことで、凄く王道に挑戦したい気持ちが高くなってきたんですよ(`・ω・´)
稀見:おおぉぉ!! 
それは素晴らしい向上心です! 
メンゴ:私新人作家だったけど、まったく業界のことが右も左もわからない…という状態ではなくて。
メンゴ:というのも、デビュー前に結構色々なところでアシスタントをさせていただいていたので、作家と編集者の距離感というか、「あ~口答えしていいんだ」(笑)っていう部分を間接的に見ていたので、新人でしたけど結構編集さんにはいろいろ反発してました(^_^;
稀見:新人は編集さんに口答えしちゃいけない! ではなく、ある程度やり取りしても大丈夫という部分をアシスタントを通じて感覚的に学んでいたんですね(笑) 
でも、わかっていてもそうできるもんじゃないとは思いますよ(^_^;
メンゴ:でも、アシスタント時に先生には、自分の絵とかネームとかを全然見せたことはなかったんです。
でも、最近パーティーで遭遇して「あ!!!」みたいな(笑) バレましたね(^_^;
稀見:でも、先生としては、きっと嬉しかったんじゃないですかね?
メンゴ:アシスタントしていたときはまだ若かったんです。で、先生にどんなマンガが描きたいのか?って訊かれて、めっちゃエロマンガが好きだったので「エロマンガが描きたいです!」って言ったら、結構怒られたんです(笑)

で、その話を最近したら「忘れた~」って言ってました(^_^;


■エロマンガは歌舞伎や浮世絵並みに誇ってもいい日本の文化だと思っています

メンゴ:私、明るい話を描くのが苦手なんです。
稀見:何となくそんな気がしていました(笑)
メンゴ:辛いときに明るい曲とかを聴いて励まされるタイプと同じぐらい辛い曲を聴いて落ち着かせるタイプがいるじゃないですか? その違いと同じだと思うんですが、辛いときは辛い作品を描いている方が楽なんです。楽しい作品は凄く無理しないと描けないんです。それで、辛いときに頑張って明るい絵を描いたんですが、それがそれなりに好評だったんです。でも、逆に自分の好きな暗い方向性の作品を否定されている気もして、なんかモヤモヤしていたんです。

でも、最近また考えが変わってきて、自分だけが楽しめる作品ではなくて、多くの人が楽しめる作品(エンターテイメント)って苦しんだ結果生み出されてきてるんだな~、娯楽ほど作り手が苦しんでいるから楽しいんだなって友達と話していて感じたんです。そうかもしれないな~って。

編集部にはやっぱり王道を求められるわけです。昔の私だったら「もう~無理無理無理!!」って感じだったんですが、今は挑戦したいな!という気持ちができてきました。

稀見:ちなみに、そういう風に先生自身が自分の考えを変えるというか、別の考えを受け入れられたきっかけというのは、周りの反応だったりすることが多いんですか?
メンゴ:流されやすいのかな~(^_^; 私、誰も読んでくれなくてもいいから、自分の理想を追求したいタイプじゃないんでしょうね…。たぶん、売れたい…(^_^;
稀見:いや、十分売れてますよ!!(笑)
メンゴ:私、ボカロ(ボーカロイド)系の活動では名前を分けてるんです(PN:ヨリ)。別に隠しているわけじゃ無いんです。単に分けていた感じだったんです。ボカロの方では「いーあるふぁんくらぶ」という作品を上げていたりして、それを見てくれているのが小中学生が多いんです。

別PN、ヨリで活躍「いーあるふぁんくらぶ」


たまにですが、その層の子が「きみだら」を見てびっくり(笑)なんて事があったので、結果的に分けておいて良かったな~って。

でも、最近どっちのペンネームの活動も少し大きくなってきたので、同じ人という認知をされはじめてきたんです。ボカロの活動はニコニコ動画でやっていたので、ドワンゴの人がニコニコ静画のほうで私の作品をプッシュしてくれたりとかしてきたので、今後は二つの活動を結びつけていけたらいいな~とは思っています。
稀見:でも、星海社さんなどで出している書籍などは、ある意味ボカロと先生のイラストなどが結び付いてお仕事になった例じゃないかと…。

「spica」 (星海社文庫) 著:泉和良


メンゴ:あ、そうですね。そうやって結び付くことでいろいろ広がると思うんですよ。でも、横槍名義のファンの方にボカロを広げたいと言うよりも、「エロマンガ」を広げたいですね!(`・ω・´)
稀見:おおおおぉ!(;゚∀゚)=3 そ、それは、もの凄い心強く嬉しい志です!! でも、どうして?
メンゴ:私「エロマンガ」がすっごく好きで、と言っても、第一線で活躍されている作家さんに比べたら、私なんてまだ1冊しか、マーク付きの単行本は出してないので、描き手としては大きな声では言えませんが、一読者、ファンとして、ちょっと「アングラ」なイメージがあるじゃないですが、それを無くしていきたいな~と。

もちろん苦手な人に無理に勧めたいという気持ちはないです。「きみだら」って結構女の子も読んでくれているんですが、そのノリで「もっかいしよ?」を読んでくれて、意外とエロマンガ大丈夫だった!って言ってもらえたら嬉しいな~って。
稀見:あ~それは嬉しいですね。女の子にとっては、ちょっと手に取りにくい、敷居が高い部分が確かにあるので、自分の作品を通して少しでもステップアップしてくれれば嬉しいという感じですね。
メンゴ:私本当に、エロマンガって、歌舞伎や浮世絵並みに誇ってもいい日本の文化だと思っています(`・ω・´) というか、アメリカのエロマンガとかヤバくないですか!? もう、全然可愛くないんですよヽ(*°ω°)ノ こんなマンガしかなくてほんとかわいそうって思いますよ(笑)
稀見:確かに「ポルノコミック」というものはありますけど、日本のエロマンガとは全く違うモノですね(^_^;
メンゴ:そうなんですよ~。エロマンガという文化が確立されていませんよね~。
稀見:日本は間違いなく、エロマンガ最先端の文化を持った国だと思います(笑) 
先生は、またマーク付きの成年マンガを描く予定はないんですか?
メンゴ:ちょーーー描きたいです!ヽ(*°ω°)ノ
稀見:ちょーーー期待です!ヽ(*°ω°)ノ
メンゴ:エロマンガに耐性がある友達とかと話していて「これ新刊~~」「うわ、萌え~~」みたいな感じで平気じゃないですか(笑) でも、ボカロとかの繋がりで知り合った方とかも私の本を買ってくれることがあるんですが、やっぱり最初は、そういう文化がないせいか、びっくりするんですよ。「へっ!! こんな事考えてるの!?」みたいな(^_^;
稀見:考えてると言えば考えていますよね(笑)
メンゴ:ま~もちろん、悪気があって言っているわけじゃないので私も、「いや~そういうもんなんだって、エロマンガは!( ・ω・)ノ」って、説明してそこから広がって行ってくれればいいな~とは思いますよ! 
ほんと、偏見がなくなって欲しいと思いますね。
稀見:そういう偏見をなくすためにも若いうちからエロマンガを読む習慣(エロマンガリテラシー?)を持って欲しいな~と(笑)
メンゴ:いや、本気でそう思います! 18禁にする必要があるのかな~って思いますよ。

いろんなエロマンガへの入り口としてのマンガがあった方がいいとは思いますね。
でも、自分が若い頃からエロマンガ読んで、マンガ家にまでなってしまったので、自分が言うには説得力が無いというか…(^_^;
稀見:今のマーク付きのマンガをより楽しむためにも、いろんな段階のエロマンガがある方がいいと思いますし、エロへの偏見も少なくなってくれるんじゃないかとは思うんですけどね(^_^;

でも、メンゴ先生の先ほどのお言葉は本当に心強くて、ありがたいです<(_ _)>


■変なペンネームフェチ!?

稀見:「横槍メンゴ」というペンネームは、いつごろできたんですか?
メンゴ:それはですね、今は亡きmixi(注:まだあります(;゚∀゚)=3)の中でのやり取りで、「横槍メンゴ」~って言って書き込みをしてたりしたら「それペンネームみたいだね~」と言われたことを覚えていたので、それで付けました。

ネットとかでは「ヨリ」という名前で長くやっていたんですが、デビューする時には苗字と名前がある方がいいかなと思って「横槍メンゴ」にして、一般誌で描 くときはまた名前を変えようと思っていたんです。でも、変えようと思ったときに名前を調べたら「横槍メンゴ」と言う名前が、ちょー仕事運がいいってわかっ たんです、字画が。で、実際この仕事もそうですが、全部名前がきっかけという事が多いんです。「きみだら」の時も実は名前がきっかけだったんです。

もともと「きみだら」は、作画を新人さんにしようってなって担当さんが本屋で探していたらしいんです。で、その方が「変なペンネームフェチ」だったらしくて。
稀見:「変なペンネームフェチ」(;゚∀゚)=3
メンゴ:なので、私の名前が目に付いたらしいんです。名前がきっかけで声をかけていただいたという…(^_^; 
これは仕事運のいい名前なんだと思ってますので、もう変えませんね(笑)
稀見:本当に適当に付けたペンネームだったけど、その名前のおかげで仕事に繋がったり、運を持った名前だったというわけですね。
メンゴ:でも、編集の人は「メンゴちゃん」って呼びますけどね(^_^;
今、ビッグガンガン(SQUARE ENIX)で描いている「クズの本懐」の担当さん、友達なんですよ。
稀見:友達が担当!!(;゚∀゚)=3
メンゴ:まだ私がデビュー前に、クラブで編集者希望の大学生の子と知り合ったんです。お互いなれるといいね~みたいに言ってたんですが、本当にお互いなって、実際担当になったと言う(^_^;
稀見:なんか、それだけで別の話が描けそうなストーリーです(;゚∀゚)=3 
今までに聞いたことのない縁ですね~。
メンゴ:「はるわか」を一度閉じて、でも「きみだら」も不定期連載だったので、間に少し何か描きたいな~と思ってたときに、「じゃ、ウチでやらない?」って声をかけていただいたんです。

「クズの本懐」は最初明るいハーレムモノを描く予定だったんですが、どうせなら描きたいモノをと思って、直前にネームを描き直して、この形になりました。
稀見:確かに、ハーレム展開ではないですね(^_^;
あ、そこで聞きたかったというか、先生のメジャーへの軌跡、道程というか、ちょっと一連の流れを整理させてください。

成人向けの初単行本は、サン出版さんかの「もっかいしよ!」ですが、ほぼ同時に、双葉さんから「はるわか」が出ましたよね。正式にはこちらの方が「初単行本」になりますね。
メンゴ:そうですね、どこかに「初単行本」だって書いた気が…。
稀見:デビューは「マガジン・ウォー」ですが、双葉さんでこの「はるわか」を描く事になったのはどういう経緯だったんですか?

メンゴ:双葉さんが私の掲載作品(マガジン・ウォー)を見てくれて、オファーしてくれたんです。
ちょうど新創刊の雑誌があるので連載しませんか? という感じでしたね。
稀見:それが「すもも」だったと…。

「COMIC すもも」(双葉社)


メンゴ:「すもも」なくなっちゃいましたけど…(^_^;
稀見:双葉の萌え要素ではありますが、ガチエロでない、かつ連載というお話をいただいて、話作りで苦労した点とかはありますか?
メンゴ:成 人向けは「エロ」という一番大きな要素があるのでストーリーはそんなに気にかけなくてもいいんですが、こっちでの連載は大変でしたね。今でも、こうでき た、ああできたという反省はあります。この話を描こうと思ったきっかけなんですが、私原宿っ子なんです、で「青文字系」ってわかります?
稀見:(゚_。)? すいません、ファッション系には全く疎くてわかりません。(ここで、詳しい説明を受ける、稀見理都)

青文字系の代表雑誌『CUTiE』 タイトルの色とは関係ない


(※青文字系:『Zipper』『CUTiE』といった東京の原宿などで多く見かける個性的で同性受けするファッションおよびそれらを多く取り上げる雑誌のこと。類:赤文字系)
メンゴ:よく読む雑誌に今人気のモデルちゃんがいて、彼女が結構自分の彼氏とのちょっとHな体験を赤裸々に語っていたりしてたんです。

「テレビでそんな事言っちゃうんだ!」って、現実でこんなかわいい子がそんな子としてるんだ~、っていうのがきっかけでしたね。なので、そういうアブノーマルな展開をそのままマンガにも取り入れたかったんですが、そのあたりは通りませんでした(^_^;
稀見:どちらかというと、最初の設定より内容はライトになった感じですね…。でも連載を続けて2巻完結して、その次に天下の集英社ですね。
メンゴ:「きみだら」も最初は読み切り1回の予定だったんですよ。岡本倫先生の連載の合間の企画だったんですが、アンケートが凄く良かったんです。
まさがこんなにヒットするとは、私を含めて誰も思っていませんでしたか(^_^;


■女性のメンゴ先生にしか描けないエロシーンを描いてください!

稀見:調度「きみだら」の話まで進みましたので、作品のお話を。岡本先生は原作者でもありますが、マンガ家さんでもあるじゃないですか? なので、作品を制作する 過程ってどういう風に進めているのかな、というのが気になります。やっぱり、文字ではなくネーム的なものを元に作画しているんですか?
メンゴ:単行本にあるこんな感じです。ほぼ下絵状態で下さるので大変助かってます!

岡本倫先生のネーム


ネームを元に横槍メンゴ先生が作画


メンゴ:雑誌には描かなかったんですが、コミックスだけに描き下ろしのページがあるんです、ここなんですが…(といって、ページを示す)。ここにエロシーンを描いた んですが…。

この描き下ろしのページ(単行本P198~P202)は岡本先生のネーム無しで、私が描くことになったんです。と言っても作品の雰囲気を壊してもいけないと 思って不安だったんですけど、編集さんから「女性のメンゴ先生にしか描けないエロシーンを描いてください!」って言われたので考えたんですがわからなくて。

横槍先生オリジナルシーン


メンゴ:最初は単にエロいだけ、サービスシーン的な提案もあったんですけど、ここではあえてリリカルな感じで描いた方がエロいと思って描いたので、結果、結構気に入っています!
稀見:このページだけは、メンゴ先生の感性が100%活かされているという事ですね!
メンゴ:私、人から言われたり、ネットの書き込みで「昴ありえねぇ~」とか言われるまで、全然普通だと思ってたんですよ(^_^; 基本的に超純愛モノとして描いていますし。好きな人のパンツぐらい食べません?(笑) 

よく「3時間に1回のオナニーはおかしい」とか「昴の性欲は異常!」って言われるんですが、私的には「何言ってるの!?」という感じで、感情移入しながら描いているからかもしれませんが…。

このくらいの性欲当たり前!?


稀見:異常な女の子を、こんなのないだろうと思いながら描いていると思われていたんですね(^_^; 
逆に主人公に入り込んでいるからこそ、当然だと!!
メンゴ:最近描いた読み切りには「ザーメンアイス」とか出てきますからね(笑)

ザーメンアイスは基本!?




すい、すいません! ブログではこれ以上は無理です(マジで)。今回、インタビュー史上、同人誌での収録ページが一番長いインタビューになったぐらい、カットするところがない面白さ! そしてヤバさです(^_^;

話が盛り上がり、脱線しすぎで、こんなに過激な展開大丈夫という感じになってしまいましたが、何とか同人誌では収録することができました。

空前の17万部突破の、岡本倫(原)、横槍メンゴ先生(画)の「君は淫らな僕の女王」はヤングジャンプで不定期連載中。試し読みもできるので、是非まだ読んでない方はサイトや書店へGO!ヽ(*°ω°)ノ


また、現在、ビッグガンガン(SQUARE ENIX)「クズの本懐」好評連載集!



カラオケ館にてインタビュー!


サインもいただいちゃいました!!


エロマンガノゲンバ Vol.9
2013年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • フクダーダ
  • 横槍メンゴ
  • 井雲くす
その他の現場!
  • 同人誌印刷の現場
  • インタビューの現場
  • 取次の現場
「COMIC ZIN」で委託中です
COMIC ZIN
※ 書店委託は、定価より若干高めになります。





■既刊情報!

エロマンガノゲンバ Vol.8
2013年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 西安
  • けろりん
  • あさぎ龍
  • チンズリーナ
その他の現場!
  • 編集の現場2
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.7
2012年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • たべ・こーじ
  • クジラックス
  • サブスカ
その他の現場!
  • 編集の現場
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.6
2012年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • DISTANCE
  • エレクトさわる
  • たけのこ星人
  • 服部ミツカ
その他の現場!
  • エロマンガ女子会
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.5
2011年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 甘詰留太
  • 命わずか
  • ぢたま某
その他の現場!
  • トキワ荘プロジェクトに潜入!
  • 「エロチャリ」は如何にして制作されたのか?
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.4
2010年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 鬼ノ仁
  • Cuvie
  • 井ノ本リカ子
  • Benny's
  • 新堂エル
その他の現場!
  • LOファン座談会
  • ゴージャス師走ナイト
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな

エロマンガノゲンバ Vol.3
2010年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 師走の翁
  • にったじゅん
  • 岡田コウ
その他の現場!
  • エロ本ができるまで(赤月みゅうと)
  • 携帯エロマンガの現場
  • 納本の現場(国会図書館に同人誌を!)
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託販売中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。

【インタビュー関連リンク】
 
5 ero

【祝】ペンギンクラブ山賊版 300号への...
TOP
フクダーダ先生 インタビュー