部落問題や差別の現状について語り合うイベント「私たちの部落問題」が25日、千代田区の上智大で開かれ、約220人が参加した。日本社会におけるさまざまなマイノリティー(少数者)について考える上智大の公開授業「立場の心理学~マジョリティーの特権を考える」の一環。

 戦前の報告書「全国部落調査」にもとづく被差別部落の地名リストの復刻出版は「部落差別を助長する悪質な行為」だとして、部落解放同盟や被差別部落出身者が川崎市の出版社や経営者らを相手取り、出版禁止などを求め東京地裁に提訴している。この日のイベントは、裁判の原告らでつくるグループ「ABDARC」が、部落問題について学んでもらう場になればと企画した。

部落問題について語る川口泰司さん=千代田区

 「結婚差別の社会学」の著書がある斎藤直子・大阪市立大特任准教授は「部落差別は現代の問題。差別される側ではなく差別する側の問題として構成すべきだ」と説明。川口泰司・山口県人権啓発センター事務局長は「最近起きているのは、部落の地名や出身者を暴いてネットで公開する『アウティング』。当事者が自ら出身を名乗る『カミングアウト』とは決定的に違う。情報化の進展で差別が深刻化している」と訴えた。(編集委員・北野隆一