【7月20日 AFP】景気後退に直面しているブラジルの当局者は、来月開幕するリオデジャネイロ五輪について、過去の開催都市よりも賢く予算を使ってきたと自負している。

 総額約120億ドル(約1兆3000億円)の開催費用の主な内訳は以下のとおり。

■競技費に41億ドル(約4300億円)

 リオ市庁によると、五輪の競技部門の予算総額は41億ドル。このうちの80%は、民間資金でまかなわれた。

 競技場の建設やその他のインフラ整備には、同予算のうち20億ドル(約2100億円)余りが使われた。残る予算の半分は、組織委員会を通じて五輪の計画・準備に充てられた。

■「レガシー」費に75億ドル

 リオ当局は、運輸部門のプロジェクトを中心とした75億ドル(約7900億円)相当の「レガシー(従来型)」の投資を行った。このうちの57%は税金で、残りは民間資金でまかなわれた。

 レガシー投資には五輪開催中の警備費用は含まれておらず、連邦政府が90万ドル(約9500万円)を拠出している。

■予算の使い方は妥当か?

 リオ市のエドゥアルド・パエス(Eduardo Paes)市長は、派手な施設や高額な特別待遇を避け、五輪の予算を予定よりも35%削減したと述べている。

 ただ、英オックスフォード大学(University of Oxford)のサイードビジネススクール(Said Business School)が発表した論文では、リオ五輪の開催費用は、リオ市が当初入札時に提示した予算と比較すると、実際にはそれを51%超過したと指摘されている。

 同報告書を執筆したベント・フリウビヤ(Bent Flyvbjerg)氏によると、この数値は、過去の4大会でみられた予算超過のほぼ平均値だという。

 2012年のロンドン五輪では、スポーツ関連のみの費用が当時の為替レートで約140億ドル(約1兆5000億円)となり、入札時当初の予算の数倍となった。

 パエス市長は、AFPとのインタビューで、コスト超過の指摘は「誤り」だと反論。「いつも誰かが自分たちの都合に合わせたちょっとした研究を出すものだ」と語った。(c)AFP