character

奈須きのこ

「魔法使いの夜」は、青子と有珠という2人の魔術師が住んでいる屋敷に、山から下りてきたばかりの草十郎という男の子が、とある理由で転がり込むことになる――。という内容の「雑居物語」です。原作にあたる小説は、今から約14年前に書き上げたもので、自分にとっては”創作の原点”とも呼べる作品です。「魔法」や「魔術」といったTYPE-MOON伝奇世界観の基礎となる部分を固めたのもこの作品でしたので、その意味でも「最初の一歩」でした。ジュブナイルという空気が強いのが特徴ではあるものの、伝奇要素もふんだんに盛り込まれていますので、新規のユーザーさんは勿論、既存のファンの皆さんにも楽しんで頂けると思います。
 過去の作品に向き合い、尚かつそれを現代の物語へと昇華するという作業には思った以上の困難がありましたが、苦労した分だけ精度が上がってくれたと、今は実感しています。
 プロジェクト発表から二年。最初に想定したものとはかけ離れて、絵も音も演出もずいぶんと贅沢な作品になりました。現在は発売日が決まったことでようやく開発のゴールが見え、手ごたえを感じつつ追い込みに入っている状況です。長らくお待たせしてしまったユーザーのみなさんには、本当に申し訳なく思っておりますが、お待たせしただけの価値のある作品になるよう、完成まで尽力します。