性質
硫酸(H2SO4)は無色で酸性の液体で、粘性が大きい。
無色透明で無臭、酸性。酸化力、吸湿性、脱水作用があり不揮発性である。
薄い硫酸にアルミニウム、亜鉛、鉄などを入れると水素を発生する。
酸化銅(II)と反応して硫酸銅を作る。
塩化バリウムと混ぜると硫酸バリウムの白い沈殿を作る。
20倍に薄める方法
メスシリンダーで、硫酸5cm3水95cm3(1:19の体積比)をはかりビーカーに入れる。水にとかすときに熱を発生するので、かならず水に硫酸を少しずつかき混ぜながら入れること。市販の硫酸は濃度94〜98%なので20倍に薄めると5%弱となる。
注意点
絶対に濃硫酸(市販の濃硫酸は濃度94〜98%)に水を加えてはいけない。激しく発熱して、液が飛び散る危険がある。必ず多量の水の中に硫酸を加えること。その際、ゴム手袋、安全めがねを使うこと。
濃硫酸は皮膚に触れると化学やけど(酸やアルカリなどの薬剤がついて皮膚の細胞をおかしたために起きる薬傷)を起こす。
目に入ったときは失明のおそれがあるので必ず15分以上流水でよく洗い流し、すぐ医師の診察を受ける。手についたときは、多量の水でよく洗い流す。
飲み込んだときは、吐かせないで、水で薄めた牛乳を飲ませて、すぐ医師の診察を受ける。
脱水作用(化合物から水の分子に相当する酸素原子、水素原子を奪う作用)があるので、有機物と接触させない(布は黒く変色しとけ落ち、砂糖などの炭水化物は炭素を残し黒くなる)。
管理
密閉して保存する。濃度10%以上は「医薬用外劇物」であり、保管に際しては鍵をかけ盗難・紛失を防ぐ。
廃棄処分法
水で希釈して希硫酸とし、アルカリで中和してから、多量の水で希釈して廃棄する。