石巻日日新聞

教会式で復元安全祈願 石巻市指定文化財 旧ハリストス教会堂

完成は来年度の見込み

石巻市 教育・文化 石巻日日新聞 2017年9月21日(木) 15時04分
教会式で工事の安全を祈った

 東日本大震災の津波で被災し、解体、保存されてきた石巻市指定文化財「旧石巻ハリストス正教会教会堂」の復元に向けた起工式が20日、中瀬の現地で行われた。可能な限り震災前の部材を用いた復元であり、教会式で工事の安全を祈願。完成は来年度を見込んでいる。

 起工式は施工業者の(株)たくみ(佐藤靖之社長)=本社・山形市=が主催。仙台の大主教セラフィム辻永昇さんらが安全祈願の祈りを献じた。

 施主として参列した菅原秀幸副市長は「教会堂は、津波の直撃を受けながらも奇跡的に残った。無事に完成させてほしい」と期待を込めた。辻永さんは「聖堂として使われるものではないが、復興のシンボルであってほしい」と願った。

 教会堂は明治13年に千石町に建設され、昭和53年の宮城県沖地震後に中瀬に移設、55年からは市指定文化財となった。国内現存の木造教会堂で最古だったが、震災で被災。かろうじて外観はとどめていため、市は一旦解体保存して現状復旧を決めた。

 流失せずに残った部材は多いが、どれぐらい再利用できるかは今後の調査による。中瀬移設時にモルタルに変わった壁は、しっくいにして創建時を再現する。建物仕様の一部見直しなどで事業計画に遅れが生じており、完成は予定していた本年度末をまたぎ、来年度の見込み。

 事業費は約1億500万円。このうち4500万円は市民からの寄付であり、観光への活用や復興のシンボルとして中瀬への再建も望まれた。市は中瀬全体を公園化し、にぎわい拠点や歴史、文化を学ぶ場にする計画だ。

 一方、再び浸水の恐れがある場所への文化財復元に対し、見直しを求める市民団体もある。市は復元場所の高さを当初計画より0.4メートル高いTP(東京湾平均海面)2.2メートルに変更し、「震災と同規模の津波でなければ浸水しない地盤の高さ」と説明している。

最終更新:2017年9月21日(木) 15時04分

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