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つげ義春資料館誕生へ NPO法人「湯田組」 漫画作品魅力PR 築140年古民家活用

智恵子邸前で活用法に意見を交わす星孝美理事長(右)と星昇事務局長
 天栄村湯本地区で今月から地域が誇る文化と地熱を生かした地域活性化策が始動した。地区を中心に活動するまちおこしNPO法人「湯田組」が村の指定管理者となって村ゆかりの漫画家つげ義春さんの資料館整備と地場産グリーンリーフレタスのブランド強化を目指す。メンバーは地区を都市間交流の拠点にしたいと意欲的だ。

 つげさんの資料館は湯本地区にある村農村交流施設を活用する。6月オープンを目指す。施設は築140年の趣のある木造建屋で平成26年には県建築文化賞で特別部門賞を得た。地元ではかつての居住者の名前にちなみ「智恵子邸」の愛称で親しまれている。
 不朽の名作として知られる「ねじ式」「無能の人」などを描いたつげさんは昭和40年代に村内の二岐温泉や岩瀬湯本温泉に幾度も足を運び、数々の作品を創作。温泉街の風景なども作品に登場させ、つげ作品にゆかりの深い地となっている。新たに展示コーナーを設けて全集や当時の掲載誌など貴重な資料を収集・展示してファン同士の交流や作品の魅力を発信する拠点としたい意向だ。和室の一部は無料休憩所「えんがわカフェ」として開放し、コンサートやイベント会場にも貸し出す。湯田組事務局長の星昇さん(37)は「知名度をアップさせ、多くの人でにぎわう拠点にしたい」と期待を膨らませている。

■地熱使いレタス栽培
 グリーンリーフレタスの栽培には再生可能エネルギーとして注目を集めている地熱を活用している。生産拠点の村農業促進ハウスは、村が平成24年に二岐温泉近くに国の補助を受けて建設した。沢の水を地熱で温め、ハウス内の室温と水の温度を一定に保つ。これまで村内の道の駅での販売や宿泊施設で活用してきたが、認知度の向上が課題だった。湯田組は地熱を活用した特徴的な栽培などを前面に押し出した積極的なPR活動をはじめレタス以外の作付けで「天栄産」ブランドの定着を図る。
 星孝美理事長(61)は「住民の理解を得ながら2つの計画を進め、湯本地区、ひいては村が大きな注目を集める環境をつくりたい」と夢を描いている。

カテゴリー:2016 天栄村

地熱を利用して栽培されているグリーンリーフレタス

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