自己資本比率
自己資本比率とは、総資本(総資産)のうちどの程度が自己資本でまかなわれているかを示す指標です。
自己資本比率の計算
自己資本と総資本の金額を入力して計算ボタンをクリックすると自己資本比率が計算されます。
自己資本比率の意味
企業が調達した資本(貸借対照表の貸方側)のうち、主に株主からに出資である自己資本には返済義務がありませんが、銀行等からの借入金である他人資本(負債)には返済義務があります。
したがって自己資本比率が高い(総資本に占める自己資本の割合が多い)ほどその企業は返済不要の資本を元手に事業を行っているため経営が安定します。
また、株主からの資金調達である自己資本は業績が好調なときには株主に対して配当金を支払う必要がありますが、業績が悪くなったときには配当金の支払いを見送ることができます。それに対して借入金は、業績が良くても悪くても関係なく元本の返済と利息の支払いを約定どおりに行う必要があります。
したがって、自己資本による資金調達は業績が良いときにはたくさんの配当で株主に還元する必要があるもののが、業績が悪化した際には配当を支払わないこともできることから安全弁として優れています。その代わり、業績が良い場合の資本コストは借入金より高くなります。(株主資本コスト、株主期待収益率については『ざっくり分かるファイナンス』に分かりやすく解説されているため興味のある方はぜひお読みください。)
過年度利益の内部留保も自己資本を構成
自己資本は株主からの拠出である拠出資本と、企業が事業活動から稼ぎ出して内部に蓄えている(会計学的には留保していると表現する)利益の内部留保とで構成されていますが、自己資本が多いということは、過去の利益の蓄積が多いということも同時に示している場合が多いです。
したがって、自己資本比率が高いということは、その会社の競争力であったり、経営者の経営手腕、さらに前述のように財務基盤が安定している等々、いろいろな意味でのその会社の健全性を示しています。
自己資本比率は一般的に50%前後を超えているとかなり優良であるといわれます。20〜30%くらいでもよい印象があります。ちなみに中小企業の場合は15%くらいが平均とされています。
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自己資本比率の統計データ(業種別平均)
経済産業省発表の平成26年企業活動基本調査速報(平成25年度実績)による業種別の自己資本比率の平均は次のとおりです。
(さらに詳細な統計データはこちら)
自己資本比率の分子の自己資本
もともと自己資本比率は株主資本比率とよばれ、貸借対照表の総資本に占める「株主資本」(=自己資本)の比率を示す指標でした。
しかし会計基準の改正により、貸借対照表の資本の部に純粋な資本ではない新株予約権、少数株主持分といったものが記載されることとなりました。
そこで、自己資本比率やROEの計算上これらをどう扱うのかが問題となるのですが、新株予約権と少数株主持分を控除した金額にもとづいてROEや自己資本比率の算定すべきとの指針が金融庁より出されており、一定の解決が図られています。
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