収益性分析の指標
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ROE (Return On Equity)=自己資本利益率

ROEとは、自己資本利益率とも言われますが、株主の持分である自己資本に対してどれだけのリターン(当期純利益)が生み出されているかを示す指標です。ROEは英語でReturn on Equityと表記され、リターン・オン・エクイティと読みます。


ROEの算式は以下のとおりです。

ROEの算式




ROEの計算

当期純利益と自己資本の金額を入力して計算ボタンをクリックするとROEが計算されます。


当期純利益 ROE
自己資本


ROEの図解

ROEを図解すると以下のようになります。


ROE図解




ROEの分解


ROEは下記のように分解することができます。詳細は下記を参照ください。


ROE = 売上高利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ



ROEは、20%前後だと「かなり優良」、10〜15%だと「良い」、10%弱くらいで「普通」だといわれます。



ROEの統計データ(業種別平均)

経済産業省発表の平成26年企業活動基本調査速報(平成25年度実績)による業種別のROEの平均は次のとおりです。


24年 25年
全業種平均 4.5 7.9
製造業 3.8 7.9
卸売業 7.8 8.6
小売業 7.2 7.2

さらに詳細な統計データはこちら



ROE分解

ROEは、自己資本(≒純資産)でどれだけの当期純利益を稼いだかを示す指標であるため、総資産でどれだけの当期純利益を稼いだかを示すROA財務レバレッジを掛けたものに等しいです。(ROE=ROA×財務レバレッジ)



また、総資産でどれだけの当期純利益を稼いだかを示すROAは、ある一定の売上高利益率の売上高に総資産回転率を乗じたものに等しいです。したがってROEは以下のように分解されます。(ROE=売上高利益率×資産回転率×財務レバレッジ)



株主資本コストについて

以下、補足となります。

一般的に最も安全な金融商品である「国債」の利回りは2%程度となっていますが、この最も安全なリスクのない金融商品である国債の利回りのことをリスクフリーレートといいます。

つぎに、株主にとって通常の私企業への投資は投資対象企業の倒産リスク等の様々なリスクを伴います。したがって、出資配当利回りがリスクフリーレートに投資対象企業のリスク分を上乗せした利回りを上まると期待できない限りは、投資家は株式を購入せず国債を購入したほうが理論的には効率的な資金の運用となります。

つまり、理論的な株主資本コストはリスクフリーレートに対象企業のリスク(リスクプレミアム)を上乗せしたものとなります。


株主資本コスト = リスクフリーレート + リスクプレミアム



なお、金融理論においてリスクプレミアムは「β×マーケットリスクプレミアム」であるとされますが、このあたりについての詳細は『ざっくり分かるファイナンス』が詳しいので興味のある方はぜひお読みください!社会人の方は読んでおいて損はない書籍だと思います。



収益性分析

ROA
ROE
売上高利益率
資産回転率
財務レバレッジ
損益分岐点

安全性分析

流動比率
当座比率
現預金月商比率
自己資本比率
固定長期適合率
固定比率
有利子負債月商比率

資金繰り分析

売上債権回転期間
在庫回転期間
インタレスト・カバレッジ

その他の指標

売上債権回転率
在庫回転率
実効税率
配当性向
PBR
PER
EPS




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