ここ数年で大きな潮流となった働き方改革。多くの企業で、テレワークの活用が急速に求めされている。仕事環境が大きく変わるなか、課題となるのが会議だ。しかし電話/ビデオを使った遠隔会議では、スムーズに議論が深まらないという声も根強い。こうした問題に、レノボ・ジャパンの遠隔会議システム「ThinkSmart Hub 500」は応えられるのか? 実機をテストした。
テレワークにおいて、社員同士のコミュニケーションは大きな課題だ。とくに会議は、テレワークを根付かせるキーポイントと言える。仕事場がバラバラとなるテレワークでは、チーム全員が顔を合わせる従来の会議はできなくなり、出社している社員と在宅の社員を結ぶ、電話/ビデオ会議が重要となるためだ。
多くの企業では遠隔会議を取り入れているが、従来のスタイルに慣れた社員にとっては、逆にストレスを感じることも多いようだ。
実際、企業で遠隔会議を運用し始めると、操作に慣れない社員が一定数おり、「スムーズに会議を進められない」、「話し声が聞き取りづらい」といった問題が次々に噴出する。さらに「顔を見られないため話しづらい」という意識も根強く残り、テレワークの良さを生かせないことも。せっかく新しいワークスタイルを構築しても、会議のときだけは出社を余儀なくされるようでは本末転倒になる。
では、どのようにして課題を解決するか? 一つは簡単に諦めず、根気よくテレワークを続けることだ。社員一人一人が意識を変え、テレワークでの業務に慣れていくことでストレスは軽減していく。
もう一つは、快適に遠隔会議ができる環境の整備。とくにIT修練度に関係なく、誰でも簡単に遠隔会議を利用できるシステムは不可欠だ。一度、遠隔会議の失敗を経験すると、そもそも遠隔会議をしようという意欲が起こらなくなってしまう。最初の一歩から、円滑でスムーズに遠隔会議をできる環境が求められている。
こうした難しい課題を解決してくれるのが、Windows 10 IoT Enterpriseを搭載したレノボ・ジャパンの「ThinkSmart Hub 500」(シンクスマート ハブ 500)。ハドルルームなどと呼ばれる4~6名程度の小規模な会議室への導入を想定した遠隔会議システムだ。ノートパソコンほどの小型ボディに、インテル Core i5-7500T プロセッサーで、タッチ操作対応の液晶ディスプレイ、スピーカー、そして360度集音のマイクなどを搭載。米Microsoftが提供するSkype for Business経由で、遠隔会議ができるというオールインワン機である。テレワークの成功を担う遠隔会議だが、この「ThinkSmart Hub 500」は大きな壁を乗り越える一助となり得るのか? 実機で検証してみたい。
Windows 10 IoT Enterprise搭載の「ThinkSmart Hub 500」を初めて触って感じたことは、実に操作が容易ということだろう。本体には電源ボタンが一つだけ。基本操作は、タッチ式の液晶ディスプレイ上で行う。マニュアルを読むことなく直感的に操作できる。設定は、社員と同じように会議室向けにOffice 365で「ThinkSmart Hub 500」用のID(アカウント)を取得し、本体の設定で割り当てることくらい。あとは、パソコンと同じように本体を通信用のLANケーブル、映像出力用に外部ディスプレイと接続すれば準備完了となる。
会議開始の作業もワンステップ。Outlookなどから会議の予定を登録しておくと(後述)、「ThinkSmart Hub 500」の画面に、直近の会議予定として表示される。会議を始めるには、この会議名をタッチするだけで良い。確かに、この操作なら誰でも迷うことなく遠隔会議を利用できるだろう。
もともと「ThinkSmart Hub 500」は、電話と同じように常時電源を入れたまま運用する機器。コンパクトなので会議室の机に置いたままでも、邪魔にはならず常設が可能。わざわざ会議する度に、機器を設置し直すといった手間はいらない。もし、開示時刻ギリギリに集合したとしても、画面を1タップすればオンライムで遠隔会議を始められる。
自宅などから「ThinkSmart Hub 500」の遠隔会議へ参加する場合も、操作は容易い。こちらは、パソコンやスマートフォン、タブレット向けのSkype for Businessアプリで参加すれば良いのだ。「ThinkSmart Hub 500」と同じように、あらかじめOutlook上で会議の参加を求められていると、Skype for Businessアプリに会議の予定が組み込まれる。これをクリック(タップ)すれば、オンライン会議室に入室できる。
スムーズな会議進行には、資料の共有も欠かせない。これも抜かりなし。参加者間では、Skype for Businessを通じて画面を共有する機能がある。社内の会議室で「ThinkSmart Hub 500」の側にいるなら、プロジェクターなどにパソコンを出力する要領でHDMIケーブルを接続、映像を外部出力すれば良い。遠隔地の参加者が資料を共有したい場合は、Skype for Businessのアプリ上から実行する。ネット経由でも資料を投資した場合でも、画質やレスポンスはまずまずだ。これなら、事前に会議資料をメールで配るといった手間も不要にありそうだ。
肝心の音質はどうか? 結論から言うと、クリアだった。「ThinkSmart Hub 500」には、360度全方向の音声を拾える高音質マイクが搭載されている。このマイクは、ハドルルーム向けで半径2.8mの音声を確実に拾えるように設計しており、会議室内のどこからでも安定した集音ができる。話し声は、人によって声の大きさ、話し方に違いがあるものだが、テストでは小さな声でも聞き取れ、発言内容を聞き直すことはなかったほどだ。
このほか、会議中に第3者の意見を聞きたいケースもあるだろう。この点もよくできている。「ThinkSmart Hub 500」からSkype経由で呼び出したり、直接電話をかけて会議に参加を促したりできるからだ。外部との会議中に、社内だけで内容確認したいような場合、一時的にマイクをオフにすることもできる。マイクの状態は、液晶ディスプレイの支柱に内蔵したLEDで、緑色(通話)で赤色(非通話)判断できる仕組みも優秀だ。
基本的に「ThinkSmart Hub 500」は、音声遠隔会議システムだが、本体のUSB端子にWebカメラを接続すればテレビ会議も可能。手持ちのWebカメラを「ThinkSmart Hub 500」につないでみたが、とくに何の作業もなく、機器が認識され会議室内の映像が映し出された。遠隔地からの端末もパソコンの内蔵Webカメラから映像を出力できる。遠隔会議に慣れてくると、音声のみで運用することも多くなるのだが、慣れていないうちは映像付きで進めていくとスムーズに進められそうだ。
多くの企業が導入するOffice 365と親和性が高いのも好感触。手順では、会議の予定はOutlookの予定表にある「新しいSkype 会議」から作成する。予定の宛先に参加者と、「ThinkSmart Hub 500」のアドレス(Office 365 アカウント)を指定して予定を送信すると、ほどなく「ThinkSmart Hub 500」に反映される。また予定時刻の変更も自在。変更内容を送信すれば、「ThinkSmart Hub 500」上でもすぐに修正される。このように使い慣れたOutlookを軸に、遠隔会議室システムを構築できるわけだ。
遠隔会議を導入するとき、真っ先に考えるのは普通のパソコンを使えないかということだろう。確かに、それも一案だが、前述したように全社員が迷わず使えるシステムとは言いがたい。その点で「ThinkSmart Hub 500」は、操作画面をカスタマイズされており、失敗を防ぐ工夫が随所にある。新しい機器やアプリの操作を覚えるといったこともなく、テレワークの効率をアップさせてくれる。
Lenovo、レノボ、レノボゴ、ThinkCentre、ThinkPad、ThinkStation、ThinkServer、New World New Thinking、ThinkVantage、ThinkVision、ThinkPlus、TrackPoint、Rescue and Recovery、UltraNavは、Lenovo Corporationの商標。
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