【8月27日 AFP】米南部フロリダ州ジャクソンビル(Jacksonville)で26日に行われたビデオゲーム大会の会場で銃乱射事件が発生するという悲劇を受け、近年急成長を見せている対戦型ゲーム競技「eスポーツ」(エレクトロニック・スポーツ)の世界で衝撃が走っている。

 地元警察によると、事件により2人が死亡。容疑者とみられる男も現場で死亡したほか、11人が負傷した。地元紙があるプレーヤーの話として伝えたところによると、銃撃犯は大会参加者の一人で、ゲームで敗れていたという。

 eスポーツ関連のイベントはオンライン配信され、多くのファンが世界各地でゲームを観戦することができる。また、シューティング、戦略、格闘といったさまざまなゲームの大会がこのところ人気を集めており、大型施設で開催されるイベントへと変貌した大会もある。

 銃乱射事件の現場で行われていたのは、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のビデオゲーム「マッデン19(Madden 19)」の大会だった。ジャクソンビルの大会は地方予選で、年内にラスベガスで開かれる決勝大会では、優勝者に賞金2万5000ドル(約270万円)が贈られるという。

 事件を受け、マッデン19を発売するビデオゲームメーカーのEAスポーツ(EA Sports)はツイッター(Twitter)に「このたびは大変な事態となり、被害に遭われた方すべてに心からお悔やみ申し上げる」と投稿。

 NFLも声明を発表し、「私たちは本日ジャクソンビルで発生した恐ろしい悲劇に衝撃を受けており、深く悲しんでいる。私たちの心は被害を受けたすべての方々と共にある」と哀悼の意を表した。

 eスポーツは、インドネシア・ジャカルタで開催中の第18回アジア競技大会(18th Asian GamesAsiad)で公開競技に採用されており、2022年大会では正式種目になると見る向きもある。

 また、国際サッカー連盟(FIFA)や米プロバスケットボール協会(NBA)といったスポーツ団体もeスポーツのブームに注目しており、国際オリンピック委員会(IOC)も五輪での競技実施の可能性を模索している。(c)AFP