マイクロソフト

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マイクロソフト
Microsoft Corporation
Microsoftロゴ
Microsoft building 17 front door.jpg
種類 株式会社
市場情報
略称 MS、MSFT
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ワシントン州 レドモンド ワンマイクロソフトウェイ
北緯47度38分19秒 西経122度7分49秒 / 北緯47.63861度 西経122.13028度 / 47.63861; -122.13028座標: 北緯47度38分19秒 西経122度7分49秒 / 北緯47.63861度 西経122.13028度 / 47.63861; -122.13028
設立 1975年4月4日[注釈 1]
業種 情報・通信業
事業内容 en:Information Technologyの開発・販売
代表者 ジョン・トンプソン会長
サティア・ナデラCEO
資本金 78,944 Million US$(2013年6月30日時点)[1]
売上高 連結: 77,849 Million US$(2013年6月期)[2]
営業利益 連結: 26,764 Million US$(2013年6月期)[3]
純利益 連結: 21,863 Million US$(2013年6月期)[4]
総資産 連結: 142,431 Million US$(2013年6月末時点)[5]
従業員数 99,000人(2013年6月末時点)[6]
決算期 6月末日
主要株主 スティーブ・バルマー 3.99%
ビル・ゲイツ 3.95%
(2014年5月3日時点)
主要子会社 マイクロソフト・キャピタル・グループLLC 100%
マイクロソフト・ライセンシングGP 99%
マイクロソフト・リージョナル・セールス・コーポレーション 100%
MOLコーポレーション 100%
関係する人物 ポール・アレン共同創業者
ビル・ゲイツ共同創業者技術担当アドバイザー兼前会長
外部リンク www.microsoft.com
特記事項:1975年4月4日パートナーシップとして創業[注釈 1]。 1981年にワシントン州法人として設立。1986年デラウェア州法人として再設立。1993年にワシントン州法人として現法人を再々設立。
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マイクロソフト: Microsoft Corporation)は、アメリカ合衆国ワシントン州に本社を置く、ソフトウェアを開発・販売する会社である。1975年4月4日にビル・ゲイツポール・アレンらによって設立された[注釈 1]

歴史[編集]

当初は世に登場して間もない8ビットマイクロプロセッサを搭載したコンピュータ「アルテア (Altair)」上で動く、BASICインタプリタの開発・販売で成功を収めた。

当初はネイティブ環境(カセットテープベースでオペレーティングシステムはなくROM-BASICに近い環境のもの)だったが、CP/Mが標準プラットフォームとなると、CP/MベースのMBASICを発表する。グラフィックス機能をつけたGBASIC、16ビット用のGWBASICが登場する。なお、GWのWは16ビットを意味するダブルバイト/ワードだとされている。

ついでIBM PC上のオペレーティングシステムの開発を請け負い、シアトルコンピュータプロダクツの86-DOSの権利を購入し改良、PC DOS(自社ブランドでMS-DOS)を開発。IBM PCとそれら互換機の普及と共にオペレーティングシステムの需要も伸び、現在に至る地固めを確かなものとした。86-DOSの開発者ティム・パターソンは後にマイクロソフトに引き抜かれMS-DOSの開発メインスタッフとなる。

マイクロソフトはMS-DOSを改良するほかに各機種用のBASICやC言語FORTRANなどのコンパイラの開発を手がける一方、Altoの見学などMS-DOS上で動作するGUIシステム「Windows」の開発に注力した。

またビジネス向けの表計算ソフトワープロソフトなどを開発し、先行する他社と「買収か潰すか、どっちか」とまで言われた熾烈な競争を繰り広げ、各方面で賛否を仰ぎながらも多方面のビジネスソフトシェアを独占するに至った。

黎明期の1970年代後半から1980年代前半には西和彦ビル・ゲイツと意気投合し、マイクロソフトの副社長を務めるなどした。このことはマイクロソフトの日本進出に大きく作用している。アスキーMSXAXの共同展開や日本法人設立までの日本代理店(実際は子会社のアスキーマイクロソフト株式会社が担当)を務めるなど、大きな貢献をしていた。しかし1986年にマイクロソフトが100%出資の日本法人(マイクロソフト株式会社)をアスキーから古川享成毛眞ら一部の社員が独立する形で設立したため、提携を解消した。

OSはMS-DOSの他にXENIXの開発やIBMと共同でOS/2の開発もしていたが、その後デヴィッド・カトラー率いるDECの開発チームを移籍させるなどしてWindows NTを開発した。このノウハウを元にWindowsとMS-DOSを一体化し、GUIを改良したWindows 95を発売し、世界中で独自規格のパソコンをPC/AT互換機に移行させた。またこのときにアスキーとの復縁もアピールした。

その後もWindowsの改良を進め何度もマイナーチェンジを繰り返した他、インターネット経由やCD-ROMなどで大量のモジュールを配布している。Windows NTによりサーバ市場への進出も果たした。2001年にはWindows XPの発売によりMS-DOS系のWindowsWindows NT系に統合した。

また2000年代に入ると、障害者アクセシビリティへの配慮を『企業の社会的責任』だと位置づけ、各国でマイクロソフト支援技術ベンダプログラムを展開した[11]

また、ゲーム機としてXbox2001年に発売し、2005年12月にはXbox 3602013年11月にはXbox Oneを発売した。

従来とは違った分野での活躍として、フォーミュラ1への製品供給があげられる。マクラーレン・エレクトロニック・システムズと共同で、エンジンコントロールユニットを供給している。

2011年10月17日、どんな場所でもタッチスクリーンに変えてしまう新技術「OmniTouch」を公開した。同技術はマルチタッチに対応。手のひら、腕、壁、ノート、机などをタッチスクリーンとして活用することを目指している。

2013年9月3日、ノキアとノキアの携帯電話部門を54.4億ユーロ(約7130億円)で買収する事に合意した、と発表。買収手続きの完了は、2014年第一四半期の予定[12]

2014年4月25日、ノキアモバイル事業について買収完了を発表[13]

2015年5月11日、海底ケーブルネットワークへの投資について発表[14]Hibernia Networks と共同出資・敷設を協定。

製品とサービス[編集]

クライアントソフトウェア[編集]

Windows
パーソナルコンピュータオペレーティングシステムで、デスクトップOS市場のデファクトスタンダードとなっている。また、Microsoft Bobも、場合によってはWindowsシリーズにも分類されることがある。
Office
WordExcelOutlookを中心としたパッケージで、オフィススイート製品としてデファクトスタンダードとなっている。
Windows Explorer
Visual Studio
Windows環境やネットワーク用のソフトウェアの開発を行う統合開発環境である。
Microsoft Expression
WPF アプリケーションのデザイニング、グラフィック・Webデザイン用ソフトウェアの統合パッケージである。
マッキントッシュ向け製品
Macintosh向けのソフトウェアは主にMac BUが開発している。
Windows Phone
かつてはWindows Mobileと呼ばれ、Pocket PCスマートフォンに搭載されるWindows CEの発展版である。2010年に、米国をはじめいくつかの国でWindows Phoneが販売された。その後、2011年秋に行われたアップデートで多国語対応が進み、現在は日本語版もリリースされている。
3DCGソフトウェア
1994年にSoftimage社を買収したものの1998年に手放している。2008年にCaligari社を買収したものの、2009年5月にtrueSpaceの開発は中止となっている。
ドローソフト
2003年9月に買収したCreature House社のExpressionは機能が削られて現在Microsoft Expression Designとして開発が続けられている。
家庭用製品
はがきスタジオエンカルタ総合大百科、Digital Image ProやMicrosoft WorksMicrosoft Plus!Virtual PCMicrosoft Money等の家庭用製品の開発にも取り組んでいたが、現在日本ではOSの機能やオプションの一部として提供されるようになったもの以外は新製品が出ていない状況である。
ゲーム製品
3Dシミュレータなどのゲームソフトの販売も手がけているほか、同社が運営するポータルサイトMSN向けのソフトウェアを提供している。また、厳密には製品ではないが、Windows 95以降のOSを対象としてゲームに必要なグラフィック処理やサウンド処理などをパッケージしたAPIセット「DirectX」を配布している。これは現在ではほとんどのWindows用ゲームで採用されており、ビデオカードの開発、ゲームの開発共に大きな影響を与えている。また、マイクロソフト製のゲームコンソールXboxシリーズにもDirectX APIが搭載されている。
ほか

サーバソフトウェア[編集]

ハードウェア[編集]

マウスキーボードゲームパッドなどの入力機器の製造も手がけている。専用パッドを必要としない、現在の光学マウスは同社の発明であり、この発明はそれまで一般的だったボール式マウスをほぼ世界から駆逐した。X-Y方向の入力だけが一般的だったジョイスティックにZ軸の回転を加えた新しいジョイスティックなど、それまでの常識を覆す新製品の数々を送り込んでいる。数々のエポックメイキングをこなしていた当時のハード部門は社内ベンチャーだったが、光学マウスの成功により正式な部門に格上げとなった。

ハードウェアの最初の製品はApple II向けのZ80 SOFTCARDである。これは6502CPUを搭載したApple IIにZ80を搭載したカードを挿入するとCP/MベースのMicrosoft BASICなどを動かせるようにした商品で、一説ではシアトルコンピュータプロダクツのティム・パターソン(MS-DOSの設計者)が設計したという。

Xboxはマイクロソフト社の手がけた家庭用テレビゲーム専用機である。アーケード向けにChihiroと呼ばれているXboxプラットフォーム基板がある。次世代製品として2005年にXbox 360も発売された(PlayStation 3Wiiと並ぶ第7世代ゲーム機の中では最も早期に発売された)。

XboxやXbox 360の製造は、シンガポール台湾などに本社があるEMS企業に委託している。

携帯型音楽再生端末Zuneシリーズをアメリカとカナダで販売している。また2010年には、新たにシャープスマートフォンKIN』シリーズを共同開発し発売した。

自社製造のタブレット端末として、Surface/Surface Proの開発・販売が行なわれている。

2014年現在、日本で発売されているものは下記のラインナップである。

  • Surface (Windows RTを搭載するモデル。旧称Surface RT)
  • Surface Pro (Windows 8 Proを搭載するモデル)
  • Surface 2 (Windows RT 8.1を搭載するモデル)
  • Surface Pro 2 (Windows 8.1 Proを搭載するモデル)
  • Surface Pro 3 (Windows 8.1 Proを搭載するモデル)
  • Surface 3 (Windows 8.1 を搭載するモデル)
  • Surface Pro 4 (Windows 10 Proを搭載するモデル)
  • Surface Pro(Late2017) (Windows 10 Proを搭載するモデル)

なお、Surfaceは無償アップデートによりWindows RT 8.1に、またSurface Pro・Surface 3は無償アップデートによりWindows 10 ProにそれぞれOSをアップグレードできる。

ソフトウェア + サービス[編集]

オンラインサービス[編集]

マイクロソフトはインターネットを通したサービスも多く行っており、その大半は無料で提供されている。

ウェブ アプリケーション フレームワーク[編集]

出版物[編集]

1984年に出版部門「Microsoft Press」を設立、マイクロソフト関連製品の技術解説書を中心にコンピュータ関連書籍の出版を行っている。日本では日本進出の経緯からアスキーが出版業務を担ってきたが、1998年に設立された日経BPの子会社「日経BPソフトプレス」が同年7月から出版業務を担当、現在は大半の出版物を日経BPソフトプレスが、PCゲーム関連書籍などごく一部をアスキー(現アスキー・メディアワークス)が発行している。

マイクロソフトとOS[編集]

プラットフォーム非依存なバイナリフォーマットの策定[編集]

マイクロソフトは、UNIX系システムのバイナリフォーマットとして用いられてきたCOFFを改良し、Portable Executable (PE)フォーマットを策定した。特定のハードウェアやOSに依存しない点が最大の特徴である。.NET FrameworkアプリケーションやUEFIアプリケーションの実行ファイルのフォーマットとしても用いられているほか、サードパーティー製OSのカーネルブートローダの実行ファイルとしても用いられている。

マイクロソフトとUNIX[編集]

マイクロソフトは1980年からAT&Tのライセンスを受けて世界初の商用UNIXベンダーとしてXENIXを開発・販売していた。しかし、1987年にXENIXの所有権をSCOに移した。2003年から2010年まで続いたSCOの対Linux訴訟ではSCOに資金を提供していた[15]が、その訴訟においてSCOは敗訴している[16]

また、1999年以降Windows NT系向けにServices for UNIX (SFU) を提供している。コミュニティによってこれに対応したDebian Interix PortやGentoo/Interixなどが開発されたが、多くのパッケージは対応されていない。

マイクロソフトとオープンソース[編集]

2001年にシェアードソースを開始したが、これはオープンソースと呼べる代物では無かった。2006年にCodePlex開始、2007年にMs-PL/Ms-RLがOSIのオープンソースライセンス認定を受けた[17]ことで、マイクロソフトのオープンソース戦略が始まった。現在までにTerrariumなどがオープンソース化されている。2009年にはCodePlex Foundationを設立した[18]

2008年、マイクロソフトはHyper-VのLinux統合コンポーネントを開発したが、2009年にカーネルモジュールのGPL違反が指摘される[19]とソースコードを公開し[20]、Linuxカーネルのメインラインへの統合のためにLinux系のメーリングリストでの開発に参加することとなった。また、2009年にWindows 7 USB/DVD Download ToolのGPL違反が指摘されると、ソースコードをGPLで公開した[21]

マイクロソフトとLinux[編集]

マイクロソフトはハロウィーン文書やGET THE FACTSキャンペーンなどのFUD戦略を行っている[22]

2005年にマイクロソフトがSecurity Innovationへ依頼した調査結果がノベルに反論された[23]後に、2006年からノベルと提携している[24]。なお、ノベルはUNIXの知的財産を持ってはいたが、その当時はまだSCOとの裁判中であった。

2007年にマイクロソフトはオープンソースにおける特許問題を提起し[25]、2009年にはLinuxカーネルを使用することに特許侵害があるとしてTomTomを訴訟した[26]。また、複数の会社に「Linuxを使用することを認める」といった内容の契約を、訴訟を背景に結ばさせている。

2010年11月、アタッチメイトがノベルを買収する際に、マイクロソフトが2010年11月4日にデラウェア州で設立した有限会社CPTNホールディングスはノベルの882個の特許を4億5000万ドルで購入した[27]

なお近年では「Microsoft Loves Linux」(マイクロソフトはLinuxが大好き)といった投稿を公式で行う[28]など、Linuxに対して融和の姿勢を見せており、事実クラウドプラットフォームであるMicrosoft AzureではOSとしてLinuxも利用できるようになっている[29]。また、The Linux Foundationではプラチナメンバーとして参加するとともに[30]、ソースコードの提供も行うなど、Linuxをはじめとしたオープンソースコミュニティへの貢献も積極的に行っている。

独占問題[編集]

デファクトスタンダードが一企業に集中することは、ユーザーや社会全体が不利益を被る面も存在する。マイクロソフトは米国で反トラスト法違反として司法省に提訴された。一審では、OS会社とアプリケーション会社に2分割する是正命令が出たが、ワシントン連邦高等裁判所は一審を破棄して地方裁判所に差し戻した。現在では実質マイクロソフトの勝利の形となっている。2004年3月、欧州連合欧州委員会はマイクロソフトがWindowsの支配的地位を乱用し、競争法に違反しているとして約4億9720万ユーロ(当時相場約795億)の制裁金を科す決定をした。マイクロソフトは当初これを拒否していたが、2007年10月にこれを受け入れた(マイクロソフトの欧州連合における競争法違反事件も参照のこと)。しかし、2008年2月27日、欧州委員会はその後もマイクロソフト側が十分なWindowsの基礎情報を提供していないと判断し、8億9900万ユーロ(当時相場約1440億円)の新たな制裁金を科すと発表した。これは発表時において欧州委員会が1社に科した制裁金の最高額である。欧州委員競争政策担当のネリー・クルスは発表に際して「(命令に)従うというだけでは十分ではない。行動で示す必要がある。欧州委員会の要求はまだ満たされていない」と発言した[31]。毎年、ビル・ゲイツ世界長者番付Forbes誌)に名を連ねる一方で、マイクロソフトが全世界的にオペレーティングシステムの市場を独占し、また世界中のパソコンの新規購入費用にWindowsのライセンス費用が大抵含まれている様から、「マイクロソフト税」という揶揄する言葉が生まれた[32]2002年に公表された決算報告書から、Windowsの利益率が約85%であることなどが判明したところ、「ほとんど紙幣を刷っているようなものである」などと一部のメディアに揶揄される事態に至った[33]

競合・提携[編集]

マイクロソフトはエンタープライズ市場とコンシューマー市場の両方に参入しており、各分野のITベンダーと競合している。

  • IBM - かつてはOSなどで争い、訴訟に発展していたが、現在はクラウド分野で協業している[34][35]
  • Oracle - データベース管理システムやビジネスインテリジェンス、ERP、開発言語(Java)、クラウドサービスで競合。
  • SAP - ERPやCRM、データベース管理システム、ビジネスインテリジェンスなどで競合する一方、長年協業関係にあり、2016年にはクラウド分野を含め協業範囲を拡大させている[36]。2017年12月にはマイクロソフトがSAP S/4HANA on Azureを社内業務に採用し、SAPが同社の複数のクラウドサービスの基盤としてAzureを採用することが発表された。[37]
  • Salesforce.com - CRMで競合。
  • Google - 検索エンジンなどのオンラインサービス、ビジネス向けクラウドサービスやオフィス製品、モバイル端末およびモバイル向けOSなどで競合。
  • Apple - 1997年8月に特許のクロスライセンスを結び提携。同年1億5000万ドル分を出資し議決権の無い株式を取得したが、2003年に売却している[38]。その後も様々な分野で提携し、一時iCloudを提供する為Azureを利用していた[39]他、2017年までBingをSiriの検索エンジンとして採用していた[40]。パソコンやオンラインサービスのほか、OSやオフィス製品でも競合している。
  • Amazon - パブリッククラウドサービスであるAWSとWindows Azureが熾烈なシェア争いを繰り広げている。
  • Sony - 家庭用ゲーム機や音楽配信など、エンターテイメント分野で競合。

マイクロソフトが買収した会社[編集]

Forethought.Inc[編集]

  • Forethoughtは、マイクロソフトが最初に買収した会社である。この買収によって、マイクロソフトはPowerPointを得た[41]。(PowerPointはForethoughtが開発したものである[41]
  • この買収は今まで知られていなかったが、2012年にPowerPointの開発者であるロバート・ガスキンスが買収が成立した日である7月31日に「BBC News」で明かした[41]
  • Forethoughtはマイクロソフトの買収の申し出を一度断ったが、6カ月の交渉の末、マイクロソフトが当初の額の3倍の1400万ドルを提示して買収に応じた[41]

Skype[編集]

  • 2011年10月13日(現地時間)にマイクロソフトによる買収が完了し、Microsoftの新たな部門「Skype Division of Microsoft」となった[42]
  • 同年5月10日に、Skypeを85億ドルで買収するとマイクロソフトが発表した[42]
  • この買収は、米連邦政府当局が6月に、欧州連合が10月7日に承認した[42]
  • Skypeのトニー・ベイツCEOが同部門社長に就任[42]

Nokia[編集]

  • 2013年9月2日(現地時間)に、Nokiaの携帯端末事業を買収すると発表。
  • Microsoftは現金37億9000万ユーロでNokiaの全社売上高のおよそ半分を占める携帯端末事業を買収するほか、Nokiaに特許使用料として16億5000万ユーロを支払う。また、MicrosoftはNokiaから約3万2000人の従業員を受け入れる。
  • Nokiaのスマートフォンブランド「Lumia」は残す。

Mojang[編集]

  • 2014年9月15日(現地時間)に世界で1700万本を販売する人気ゲーム「マインクラフト」開発元、Mojangを25億ドル(約2600億円)で買収したと発表。

マイクロソフトに関する運動・議論・問題[編集]

1999年には、Windows Refund CenterというWebサイトを中心[43]に、LinuxやFreeBSDなどのユーザーが、「PCにプリインストールされているWindowsは使わない。」として、PCの価格からWindowsのライセンス料の返金を求める運動を起きている[44]。 また、フリーソフトウェア財団(FSF)は2009年10月22日に発表されたWindows 7については、アンチWindows 7キャンペーンを展開した[45]。FSFは、Windows Vista発表時にも同様のキャンペーンを起こしている[46]

2009年6月26日[47]には、FSFの創立者であるリチャード・ストールマンが、将来的にマイクロソフトがC#に対して特許を主張する可能性があるため、フリーのC#実装は、意識的に減らしてくべきという文章を発表した[48]。これに対してマイクロソフトは、同社のCommunity Promiseを適用し、C#に関する特許は取得しないと発表した[47]

オフィススイートのフォーマットはオープンソースでODF (OpenDocument) の標準化が進められており、OpenOffice.org、StarOffice (StarSuite)、一太郎KOfficeなど、これを採用したオフィススイート間での互換性は向上した。実際にOpenDocumentについては国内を含む各国の行政・自治体で採用の動きが強まっている。しかし、マイクロソフトがその流れに反してODFとは全く互換性のない新規格「Open XML」を定義し、Office2007で標準フォーマットとして採用した。マイクロソフトはOpen XMLの優位性を主張しているが、GNU関連の団体は時代の流れと逆行するとしてマイクロソフトの行為をシェアの暴力と批判し、論争を呼んでいる[49]

2011年12月には、マイクロソフトディベロップメント社において、いわゆる「パワハラ」により解雇されたとして、裁判が発生している[50]

2013年11月、当時のCEOであったスティーブ・バルマーは、GEを模倣してトップダウンで導入したものの、社内外を問わず酷評されていた[51][52]人事評価システム「スタックランキング」を廃止[53][54]

2016年、マイクロソフトはWindows 10への無償アップグレードを2016年7月29日までとしていたが、アップグレードの通知メッセージが分かりにくく、誤ったまま半ば強制的にOSがアップグレードされてしまう事象が多発し、消費者団体からのクレームを受けた。また、国会でも質問主意書が発行されるなど、問題は大きく広がりを見せた[55][56]

日本におけるマイクロソフト[編集]

日本マイクロソフト[編集]

日本マイクロソフト株式会社
Microsoft Japan Company, Limited.
Microsoftロゴ
日本マイクロソフト本社
日本マイクロソフト本社が入居している
品川グランドセントラルタワー
種類 株式会社
略称 日本MS、MSKK、MSJP
本社所在地 日本の旗 日本
108-0075
東京都港区港南二丁目16番3号 品川グランドセントラルタワー
設立 1986年(昭和61年)2月17日
(マイクロソフト株式会社)
業種 情報・通信業
法人番号 2010401092245
事業内容 コンピュータソフトウェアおよび関連製品の開発、営業、技術支援
代表者 平野拓也(代表執行役社長
資本金 5億円(2010年6月30日時点)
売上高 3237億5700万円(2010年6月期)
営業利益 375億8100万円(2010年6月期)
純利益 210億1200万円(2010年6月期)
純資産 640億9200万円(2010年6月30日時点)
総資産 1507億6900万円
(2010年6月30日時点)
従業員数 2,147 名(2015 年 7 月 1 日現在)
決算期 6月末日
関係する人物 古川享(初代社長)
成毛眞(元社長)
阿多親市(元社長)
マイケル・ローディング(元社長)
ダレン・ヒューストン(元社長)
樋口泰行(元社長)
外部リンク news.microsoft.com/ja-jp/outline/
特記事項:2011年2月1日に現商号へ商号変更。
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日本マイクロソフト株式会社(英文社名: Microsoft Japan Co., Ltd. 略称:MSJ)は、主に営業、マーケティング、サポート、社長室および法務などを担当する会社。

以前は「マイクロソフト株式会社」という社名で、オフィスが小田急サザンタワー(本社)、朝日生命代田橋ビル、赤坂ガーデンシティ、東京オペラシティの東京都内4か所に分散していた。これを解消するため、2011年2月1日付けで、テクノロジーセンターを除く4拠点と関連会社であるファストサーチ & トランスファ株式会社が入居している霞が関オフィス(大同生命霞が関ビル)を統合集約し、新本社オフィスとして港区港南の品川グランドセントラルタワーに移転した[57]。同時に、社名を日本マイクロソフト株式会社に変更した[58]。さらに東京以外の各地にも支店が置かれている。拠点を港区港南に集約した2011年時点で、日本マイクロソフト社と調布市に存在する後述のマイクロソフトディベロップメント社を統合する予定であったが、2014年から2015年にかけて、マイクロソフトディベロップメント社に属する開発系部署と、日本マイクロソフトに属するサポート系部署がいずれも港区港南に移転し、統合の準備が続けられている。

現在はもはや非公式な通称であるが、改名前の略称はMSKK(Microsoft Kabushiki Kaishaの略)であった。

日本市場では日本オラクルSAPジャパンセールスフォースドットコムアマゾンウェブサービスジャパングーグル合同会社日本アイ・ビー・エムアップルジャパンサムスン電子などの外資系企業だけでなく、富士通日立製作所NECソニー製作所など日系企業を含めた多くのITベンダーと競合しており、激しいシェア争いを繰り広げている。

事業所名 所在地
本社 東京都港区港南二丁目16番3号 品川グランドセントラルタワー
大手町テクノロジーセンター 東京都千代田区大手町 1-1-3 大手センタービル 1階および13階

マイクロソフトディベロップメント[編集]

マイクロソフトディベロップメント株式会社
Microsoft Development Ltd.
Microsoftロゴ
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
108-0075
東京都港区港南二丁目16番3号 品川グランドセントラルタワー
設立 2005年(平成17年)11月16日
業種 情報・通信業
法人番号 2012401020961
事業内容 コンピュータソフトウェアおよび関連製品の企画、開発
外部リンク news.microsoft.com/ja-jp/msd/
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マイクロソフト ディベロップメント株式会社(英文社名: Microsoft Development Ltd.)には、主に開発部署が所属している。日本マイクロソフト株式会社の子会社ではなく、Microsoft Corporation 本社の子会社である。以前は、米Microsoft Product Development Ltd.の日本支社という位置づけだったが、2006年、会社法の改正に対応するために、日本の株式会社として改組された。

本社は、マイクロソフト調布技術センター(東京都調布市調布ヶ丘1-18-1)[59][60]に置かれていたが、2014年に開発部門が日本マイクロソフト本社と同じ品川グランドセントラルタワーに移転し、2015年になってサポート部門が同様に品川に移転した。2018年5月現在、調布技術センターの表記はマイクロソフト社のウェブサイト上に存在するが[59]、実際には機能していない。本社所在地は、2015年4月に品川本社と同じ港区港南に変更された。

注釈[編集]

  1. ^ a b c 設立に関するこの日付を確認できる当時の文書は存在しない。ゲイツとアレンがパートナーシップ形成に関する契約書を交わしたのは、1977年2月3日のことであり、それ以前は口約束による非公式であいまいなものであった[7]
    米国の法律では、パートナシップ形成にあたっては登記や当事者の契約書は必要とはされないため、口約束でも有効であり、1977年2月3日以前でもパートナーシップは存在していたと考えられる。
    しかしながら、1975年7月22日にMITS社がBASICインタプリタ―に関して契約書を交わした際、その相手は個人であるゲイツとアレンであり、パートナーシップ事業体ではない[8]。また、マイクロソフトという名前をアレンが考え出したのは1975年の夏であったとされ[9]、1975年4月4日の段階ではマクロソフトという名称は存在しない。これらのことから、1975年4月4日にパートナーシップが存在したということは疑わしい。
    当事者であるゲイツとアレンが、1975年4月4日をマイクロソフトの設立日と発言しているのは事実であるが、それらの発言は全て2005年以降のものであり、2005年以前には確認できない。また、1975年4月4日に当事者間でどのような合意があったかも語られていない。これらの発言は、マイクロソフトの創業30周年に際して考えだされたものである可能性がある。2005年以前の資料で当事者に詳細な聞き取りを行ったものには、パートナーシップが形成された正確な日付は不明であるとされている[10]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ Microsoft>Investor Relations>Annual Reports>2013 Annual Reports>Financial Review>Balance Sheets>Total stockholders equity
  2. ^ Microsoft>Investor Relations>Annual Reports>2013 Annual Reports>Financial Highlights>Revenue
  3. ^ Microsoft>Investor Relations>Annual Reports>2013 Annual Reports>Financial Highlights>Operating income
  4. ^ Microsoft>Investor Relations>Annual Reports>2013 Annual Reports>Financial Highlights>Net income
  5. ^ Microsoft>Investor Relations>Annual Reports>2013 Annual Reports>Financial Review>Balance Sheets>Total assets
  6. ^ Microsoft>Investor Relations>Annual Reports>2013 Annual Reports>Financial Review>Business Description>Employees
  7. ^ メイン&アンドリュー 『帝王の誕生』 三田出版会、1995年、137頁。
  8. ^ 『帝王の誕生』、109頁。
  9. ^ ポール・アレン 『ぼくとビル・ゲイツとマイクロソフト』 講談社、2013年、146頁。
  10. ^ 『帝王の誕生』、112頁。
  11. ^ 三浦優子「マイクロソフト、Windows 7のアクセシビリティに対する説明会を実施」『【PC Watch】 マイクロソフト、Windows 7のアクセシビリティに対する説明会を実施 Impress Watch、2009年10月20日。
  12. ^ “マイクロソフト、ノキアの携帯事業買収で合意-スマホで地歩”. Bloomberg.co.jp. (2013年9月3日). http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MSJ62H6KLVR701.html 2013年9月7日閲覧。 
  13. ^ ASCII マイクロソフトがついにNokiaの買収完了、注目ポイントは? 2014年5月1日
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関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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