あいと地球と競売人 復活 熱演 天国の坪田父子に届け

5年ぶりの復活公演で、歌や踊りを通して地球環境の保護を訴える、あいちゃん役の坂本てまりさん(手前)ら子どもたち=松江市美保関町七類、メテオプラザ
 地球環境の保護を訴える県民参加型ミュージカル「あいと地球と競売人」が15日、5年ぶりに復活した。島根県出雲市斐川町の坪田愛華さんが1991年に12歳で亡くなる直前に描いた漫画「地球の秘密」が原作で、愛華さんの父で実行委員長だった正さん(72)が3月に急逝する中、関係者が悲しみを乗り越え迎えた松江市美保関町七類のメテオプラザでの舞台初日。役者たちの熱のこもった演技が、詰めかけた約450人を魅了した。

 「地球の秘密」は、主人公・あいちゃんら子どもたちが地球を汚して売り飛ばそうとする妖怪に立ち向かう内容で、環境保護を訴えている。

 ミュージカルは94年から全国各地で上演。2013年を最後に休演したものの「またやりたい」と、過去の出演キャストらが17年に実行委員会を設立して準備を進めてきた。

 そのさなかの3月、実行委員長だった正さんが急逝。プロデューサーの野津博康さん(63)=松江市西川津町=は「必ず舞台を成功させることが正さんへの供養になる」と委員長を兼任し上演に奔走した。

 当日は上演を待ちわびた親子連れらが開演約2時間前から長蛇の列をつくった。舞台ではキャスト約150人が熱演。午前と午後の2回公演で、午前の公演であいちゃん役を演じた島根大付属中2年の坂本てまりさん(14)が「海、川、空を汚してどうするの。その先は地球の終わりなのに」と、歌に乗せて訴えた。

 観客は舞台に見入り、幕が降りると大きな拍手を送った。来場した秦本かおりさん(31)=松江市学園2丁目=は「あいちゃんが亡くなる直前まで地球を守りたいと訴える姿に感動した」と話した。

 初舞台を終えた坂本さんは「世界中が助け合えば地球を救えるという愛華さんの思いを、心を込めて伝えることができた」と満足そうな様子だった。

 愛華さんの母、揚子さん(75)は「1度は愛華の思いが忘れられそうになったが皆さんが協力して再上演してくれ、感激でいっぱい。2人も天国で熱い応援を送っているはず」と喜んだ。

 公演は16、17日も行われ、両日とも午前11時と午後3時に開演。当日券を販売し、高校生以上3千円、中学生以下は2500円。

2018年9月16日 無断転載禁止