|
|||||
迅速開票、府中・多摩両市に注目 改善続け全国に刺激2007年04月04日00時38分 選挙の開票時間短縮への動きが広まる中、全国の先進地として、府中・多摩両市が注目されている。8日の知事選でも「さらなる改善」をめざしており、周辺自治体にも刺激を与えている。 ■46分で確定票■ 「昨年から問い合わせも増え、見学も十数都市はあった」と話すのは多摩市選挙管理委員会。昨春の市長選(投票総数5万余票)で開票後46分で確定票を出し、話題を呼んだ。 事前説明会を開き、手の空いた職員を別の作業に手伝わせる連携を徹底。票を束ねる輪ゴムを廃止するなど細かな工夫は、92年の市長選で開票33分という記録を持つ府中市を意識した成果だった。 関心を寄せたのが早大マニフェスト研究所(北川正恭所長)。速報だけでなく、人件費も減らせる効果に着目。昨夏以降、全国に時短を呼びかける運動が始まった。 その結果、多摩市の先輩格の府中市は、同研究所が開く研修会の「先生」として、引っ張りだこになった。府中市や多摩市のノウハウを学んだ自治体は、約550自治体に及ぶという。 ■若手がやる気■ そもそも、府中市が時短に取り組んだのは40年前。市営競艇場の「紙幣計数機」を使った票数計算の機械化にはじまる。「自然に開く投票用紙」の開発、候補者別の分類ケース、作業台の高さのかさ上げ……。効率アップのアイデアは、その都度、周辺自治体にも影響を与えてきた。 では、今回の知事選はどうか。5人が立候補した前回は、52分で確定得票を出した。今回は有権者数が約1万人増えるが、同じぐらいの時間を目指す。 その根拠は「職員のやる気」だという。選管事務局に、2〜3年目の若手職員を中心に30人以上が「ぜひ経験したい」と直訴してきた。「各職場の先輩たちから『府中市役所に入ったら選挙作業を覚えないと』と、背中を押されている者も多い」と三木好行事務局次長は、頼もしそうに語る。 ■無線機を導入■ 一方、多摩市は前回が54分。候補者が増えたことから、今回は「遅れそう」と見込む。しかし、「迅速化は絶えず努力していくもの」とし、他選管の工夫を「つまみ食い」しながら、府中の記録に迫るという。例えば、今回は町田市選管が使っていた無線機を導入する。開票責任者の指示を仰ぐ必要が出た場合、すぐに連絡を取り合えるようにする。点検台の高さも、かさ上げすると片づけに時間がかかるため、あえて上げないという。 倉澤俊昭事務局長は「注目されていることを意識せず、普段通り、気負うことなくやっていきたい。職員には、速さだけを強調しないで説明したい」と話す。 時短への意欲は、周辺でも高まっている。稲城市では、今回の目標を「前回より15分早め」に設定。府中市を参考に、台の高さをかさ上げし、立ったまま点検する。選管職員は「多摩市より人口が少ないのに遅いと恥ずかしいですから」。 町田市では、投票用紙の束をまとめる輪ゴムの色を4色使い分ける。各作業段階で別の票がまぎれこまないようにする工夫。市選管では「能率アップが市民サービスという意識を浸透させていきたい」としている。 2007統一地方選挙
|
全国の開票結果
■告示日 ■開票日
キーワード図表 |