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【社会】

大嘗宮 清水建設が受注 予定価格の6割、9億5700万円

大嘗宮のイメージ図=宮内庁提供

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 天皇陛下の十一月の大嘗祭(だいじょうさい)で使われる「大嘗宮(だいじょうきゅう)」の仮設工事について初の一般競争入札が行われ、大手ゼネコンの清水建設(本社・東京都中央区)が予定価格の六割で受注したことが分かった。大嘗祭は多額の国費が支出されるが、関係者らは「競争原理が働き、落札価格が低く抑えられた」と話している。 (阿部博行)

 一般競争入札は五月十日に宮内庁で行われ、清水、鹿島、大成建設、大林組の大手ゼネコン四社が参加。約十五億四千二百万円の予定価格(税込み)に対し、清水は六割の九億五千七百万円(同)で落札した。三十年前の前回は、指名競争入札が不調に終わり、五社の共同企業体(JV)と随意契約が結ばれた。

 仮設工事は、皇居・東御苑(千代田区)に約九十メートル四方の敷地を造成し、大小四十近い建物を設営する。七月に着工し、十月末に完成の予定。儀式終了後の大嘗宮の解体工事と敷地の復旧工事は、清水に追加で発注される。

 大嘗祭は新天皇が天照大神(あまてらすおおみかみ)と神々に新穀を供え、自らも食して国の安寧と五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈る儀式とされ、十一月十四〜十五日に中核行事の「大嘗宮の儀」が行われる。宗教色があるため、国事行為ではなく皇室行事として実施されるが、政府は「重要な皇位継承儀式として公的性格がある」として国費を支出する。一方で、宗教色のある行事への国費投入について憲法学者などから異論も出ている。

 宮内庁は経費節減のため敷地面積を前回より二割ほど縮小し、建設資材や工法を変え、一部をプレハブに変更する。当初、解体・復旧工事を含む関係経費は、約十九億円と見込まれていた。

 

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