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加藤産業、売上高初の1兆円到達 9月期連結

2018.11.12
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(表の数字の単位は百万円。▲は赤字計上か、割合減少。前期の配当は実績)

(表の数字の単位は百万円。▲は赤字計上か、割合減少。前期の配当は実績)

 食品卸の加藤産業(兵庫県西宮市)が12日発表した2018年9月期連結決算は、主力の常温食品などが好調だったほか、海外企業の買収も寄与し、増収増益だった。売上高は71年連続の増加で、目標としていた1兆円の大台に到達。加藤和弥社長は「苦しい時でも売り上げを伸ばすことを考えてきた。規模に見合った企業力をしっかり磨いていきたい」と気を引き締めた。(三島大一郎)

 消費者の節約志向や小売業の業態を超えた競争が激しくなる中でも、レトルト食品や調味料、飲料などの常温商品に加え、冷蔵・冷凍食品の取引が堅調に推移した。今年1月にマレーシア企業の株式を取得し、連結子会社化したことも売り上げ増に貢献した。

 経常利益は2桁増だった。人件費や物流コストの上昇など厳しい状況が続いているが、酒類の不当な安売りを規制する昨年6月の酒税法改正により酒類流通の収益が大幅に改善し、全体の利益を押し上げた。

 同社は1947年に設立。購買意欲を高める売り場づくりを提案するきめ細かな営業で、スーパーなどの取引先を開拓。取引先の売り場拡大や売り上げ増も同社の増収を支える。中国、ベトナムなど海外展開も拡大してきた。

 売上高は95年に3千億円(単体)、04年に5千億円(連結)、15年に9千億円(同)を突破。「売上高1兆円、経常利益130億円達成」を設立70年に当たる17年の目標に掲げていた。

 今後は、自社ブランド商品の開発・販売を強化して収益の確保を図り、海外事業もより積極的に取り組む。19年9月期も増収増益を見込む。

 兵庫県内に本社・本店を置く上場企業で売上高が1兆円を超えているのは、同社のほか、神戸製鋼所、川崎重工業、川崎汽船の3社。