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散らばったIT企業が渋谷に再集結のワケ 「ビットバレーの活況」よ再び (1/2ページ)

 【Shibuya進化論(中)】

 かつて渋谷に集結し、「渋谷ビットバレー」と呼ばれたIT企業群は、企業の規模が拡大したことにより、他の地域に移転してしまっていた。しかし再開発により、散らばったIT企業が集結。再びビットバレーとして業界の向上や後進育成に力を注ぎ、渋谷から世界を追い越すIT産業の流れを作り出そうとしている。

 集まりやすい街

 「渋谷」を英語に直訳した「ビターバレー」から名付けられたビットバレー。近年開業した渋谷ストリームにはグーグル日本法人、渋谷スクランブルスクエアにはサイバーエージェントとミクシィ、渋谷ヒカリエにはディー・エヌ・エーが入居している。なぜ今、再集結なのか。渋谷フクラスに第2本社を構えるGMOインターネットのチーフクリエイター、稲守貴久さん(40)は「渋谷は交通の便がいいのと、これまでの歴史があるから」と説明する。

 平成11年ごろのITバブルの際に、第1期の渋谷ビットバレーが始まった。IT企業が急成長を遂げるなか、スペースの不足などから転出が相次ぎ、動きは下火になったが、それでも起業家にとっては渋谷は「ITの街」という印象があるのだという。

 「開発作業などで一人で突っ走ってしまわないためにも、アナログのコミュニケーションを大切にする傾向がIT企業にはある」と稲守さん。ターミナル駅で、さまざまな場所から人が集まりやすい渋谷は魅力的な場所だ。また、成長に伴う各企業の規模拡大と、渋谷の再開発とのタイミングが合ったとも考えられる。

 もう一つは、「高度IT人材が必要といわれているのに、日本は育てる土壌が弱い」という課題意識だ。第1期に参加したサイバーエージェント、ディー・エヌ・エー、ミクシィ、GMOインターネットの4社が再び手を取り合った。

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