KAB、社員2人を横領で解雇 昨年、互助会費計1000万円

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使い込みが発覚した社員2人を懲戒解雇とした熊本朝日放送=7日、熊本市西区

 熊本朝日放送(KAB、熊本市)が昨年、社員でつくる互助会の会費を社員2人が合わせて1千万円近く横領したとして、相次いで懲戒解雇処分にしていたことが7日、関係者や同社への取材で分かった。同社は事案を公表していない。

 複数の関係者によると、1人は東京支社長も務めた局長級の50代男性。互助会は「社員会」と呼ばれ、社員約70人の親睦のために設けられた。社員から集めた会費で慶弔費などを支出していたが、その中から約400万円を横領したとして、昨年12月に解雇した。

 もう1人は技術局の50代男性で、同じく社員会の約580万円を使い込んでいたとして昨年9月に解雇。2人とも社員会の会長を務めていた時期があり、昨年夏に社員会費の銀行口座を調べた結果、事案が発覚した。

 業務上横領の疑いが濃い事案だが、KAB側は刑事告訴や告発をしていない。  同社は取材に対し、社員会費の横領で社員2人を懲戒解雇した事実は認めたが、高田徹総務局長は「2人が弁済したかどうかも含め詳細は答えられない」とした。公表しない理由については「総合的な判断の結果」と繰り返した。(太路秀紀、内田裕之)

(2020年1月8日付 熊本日日新聞朝刊掲載)