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source : 週刊文春デジタル

平手の後ろに秋元の存在を感じ、メンバーが「忖度」する事態に

「平手さんを庇うあまり、秋元さんは平手さんのわがままをなんでも許してしまっていたのです。その親密な関係性はメンバーも肌で感じていました。一部のメンバーなどは、平手さんの後ろに”天皇”である秋元さんの存在を感じて、『忖度』するようになった。そうやって”平手一強体制”は固まっていったのです。

 それで起きたのが、3年前の『合同選抜の中止事件』です。運営幹部のプランがいとも簡単に反故にされてしまった。『次のシングルは欅坂とけやき坂で合同選抜にする』という話が、平手さんが秋元さんに猛抗議して中止させたのです」

ある日、欅坂46とけやき坂46のメンバーほぼ全員が集められ……

 “事件”が起きたのは2017年夏だった。この年にリリースされた欅坂46の5枚目のシングルは「風に吹かれても」だが、企画段階において次のシングルは欅坂46とけやき坂46とのすべてのメンバーから選ばれた「選抜チーム」にしようというプランを運営側は持っていた。

欅坂46の5枚目のシングル「風に吹かれても」

 そもそも運営側は「欅」と「けやき」の2つのグループの間でフレキシブルに”人事交流”をして、両グループをともに活性化させようという構想を抱いていたようだ。欅坂46の運営事務所「Seed & Flower」代表の今野義雄氏は雑誌のインタビューの中で、このように述べている。

《基本は同じ欅坂46の一員でありながら、別のグループとして活動していくという位置付けです。ただ、けやき坂46で頭角を現したメンバーが、欅坂46へ加入するといった動きはあるかもしれません》(「日経エンタテインメント!」2017年5月増刊号)

“漢字”8人が落選、“ひらがな”5人が選抜に

 2017年7月某日、欅坂46とけやき坂46のメンバーほぼ全員は、運営事務所に集められた。前出の欅坂関係者が話す。

「今野(義雄)さんが集合したメンバーの前で、『次のシングルは“漢字(欅坂46)”と“ひらがな(けやき坂46)”を合わせた32人の中から選抜制にします』と、唐突に発表したのです。何も知らなかったメンバーたちは騒然としていました。今野さんはそんな彼女たちを前に、選抜メンバー18人の名前を次々に読み上げました。

 結局、“漢字”の21人のうち8人が落ちてしまい、逆に”ひらがな”からは5人が選抜に入った。驚きと興奮が渦巻く中、選抜に選ばれて、泣いて喜んでいる“ひらがな”のメンバーもいました。やはり”ひらがな”にはまだ2軍のイメージがありましたから、大きな喜びだったと思います」(同前)

欅坂46メンバー(2019年紅白の囲み会見)©文藝春秋

 だが、平手は今野氏に対し、毅然と反旗を翻したのだ。